2002年01月11日
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研修報告(5)
けん(さんずいに径の右)陽県のハウス野菜農家

苟氏の案内で、けん(さんずいに径の右)陽県の郊外にあるハウス農家を訪問した。この集落はみんながハウス栽培を行っていて、同じ様なハウスがずらっと並んでいる。1棟が1農家のハウスだそうだ。

最初に訪問したハウスは、キウリ栽培の農家だった。若い夫婦でちょうどキウリの収穫作業中だった。ハウスの構造は日本のパイプハウスとはかなり違っている。外から見ると、北面は土壁で高さが2.5㍍、幅はおそらく50㎝以上はあるしっかりした壁だ。その上は藁で屋根を覆い、少し南向きに上がった所に尾根がありそこからはビニールを張っている。緩やかに南へ傾斜して、太陽の光を充分取り入れられるような構造になっている。南面の端の高さは80㎝くらいである。

ハウスの幅は7.5㍍、長さは75メートルが基本。ちょうど面積は外側で1畝(0.67㌃)になる。入り口に作業場兼物置が併設されていて、農家によっては入り口に鍵がかかるようになっている。

狭い通路を通って、保温用のビニールのカーテンを開いてハウスの中にはいると、外から見るよりずっと天井が高い。おそらく30㎝は地面を掘り下げているのだろう。内部で見ると75メートルむこうの端ははるか彼方という感じがする。内部の支柱はコンクリート。屋根の桁は竹で作ってある。暖房設備はない。地面の保温力と、北側の厚い土壁の保温力、十分に施した堆肥の発酵熱等によって、内部の温度は最低8度に保たれている。今年は暖かかったので最低気温は10度だったそうだ。

暑くなれば換気のために尾根の部分のビニールを土壁に上がって開ける。内部の温度は28度以上にしないように管理しているそうだ。入ったときの温度は16度だった。また、夜間は屋根のビニールの上を菰で覆って保温するのだそうで、外に出て見ると、屋根の上に菰の巻いたのがずらっと並んでいた。

メンバーの中のハウスみかんの栽培者が、この辺は強い風があまり吹かないのかと質問したら、その通りだという答えだった。この程度のビニールの押さえ方では日本の春一番のような強風には耐えられないと思ったのだそうだ。

また、地面を掘り下げて栽培するとなると、日本では湿気で病気が多発する心配があるが、黄土高原の気候では、冬場に雨がないので、過湿になる心配は要らないわけだ。

潅水は土壁の側に溝を掘って、そこに水を流し、自然の勾配で南へ水が流れるようにしてあった。温度管理作業は全て手作業に頼るわけだが、自然条件を最大限に利用している省エネ型ハウスだと感心させられた。

キウリは半年の栽培で1畝当たり1.5万元の粗収入になるのだそうだ。日本のように真っ直ぐなキウリはほとんどなく、どれも曲がっていたり、先が細かったり、不揃いの形だったが、どうぞ食べてくださいと頂いたキウリは、日本の品種と違ってイボイボがかなりあり、みずみずしくて甘くておいしかった。

同じ集落の1㎞くらい離れた場所には、トマトのハウスが並んでいる。これも形も構造もキウリのハウスと変わらない。

ここで訪問したハウスの農家も若い男性で、トマトを4段取るそうだ。1本1段で0.5㎏、1棟の中に4000本のトマトを植え、全部で8トンの収穫量になる。粗収益は1.5万元で、そのうち経費は5千元だそうだ。キウリのハウスと違っていたのは、湿度を低く保つために株間にビニールマルチを敷いてあり、潅水はそのマルチの下側だけに出来るように溝を作ってあった。

ここでもトマトを頂いたが、おいしかった。無加温でこれだけの品質が出来れば、高く売れるのは当然だろう。「そんなにお金を儲けて何に使うのですか」という質問には、「まず、家を新しくしたい。それから、電気製品を買いたい。」という答えが返ってきた。どちらの農家も明るくて、自信を持って栽培しているという笑顔が印象的だった。






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最終更新日  2002年01月11日 12時17分47秒
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