2002年03月31日
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ダンボール紙のライナーを貼り付けるのはコーンスターチを使っているのだそうだ。融点を下げるために薬品を混ぜて58度で液体化させている。しかし、機械のラインじゅうにこの糊が巡っているのだから夏に作業をするのは相当暑いだろう。工場長の説明では夏場の室内温度は40度を越えるそうだ。どこからともなく「これやったら、山でミカンの摘果をしよるほうがずっと楽やで」という声が漏れていた。この機械は現在1800ミリの幅までの原紙が扱えるが、パーツを交換すれば2000ミリまでは拡幅可能とのことだった。原紙は造られるダンボール紙の大きさによってできるだけロスの少ない幅のものを使うわけだが、それでもどうしてもカットした時に余りが出る。それは再生工場へ売るのだそうだ。

印刷・製箱工程では、機械の回転数によって印刷のムラが出来ないようにすることと、バーコードのような細い線までくっきりと印刷できることが、ロスを少なくする最大のポイントなのだそうだ。そのためにはインクをドラムから切り取る工程に最新鋭の技術を導入したり、ダンボール紙を造る工程でできるだけ原紙の表面を凹ませないような技術が導入されているという。印刷機は1つのラインに2系統あり、一方を使っている間に、もう一方に次の印判をセットできるようになっていた。

印判はプラスチックフィルムの上に樹脂製の版を貼り付けて作成してある。基本的に3色までの印刷に対応している。印刷機の隅のコーナーにはそれこそ何千という印判が吊り下げられていた。この中には私達のミカン箱に使うものもあるのだろうが、多すぎて探す気にはならなかった。ただ、棚に並んでいるインクの中には私達のミカン箱専用の赤色を見つけることができた。

ダンボール箱の大きさによっては、この機械では対応出来ないものもある。そんな製品を造るときには少し離れたところに設置されている別の機械を使う。そこではダンボール紙をセットするのも、出来上がった製品を積み重ねるのも手作業でやっている。大きなダンボール板を手作業で扱うのは相当重労働だろう。この工場の現場で働いているのは40人だそうだが、その仕事ぶりはまるでチャップリンの「モダンタイムズ」を見ているようだ。機械に使われているという表現がまさしくぴったり。マイペースで仕事をするのに慣れきった農家ではきっと半日ももたないだろう。

最近では、たとえば缶ビールの外箱などはそのままディスプレーに使われることも多くなって、よりきれいな印刷を要求されるようになっている。ダンボール紙に印刷する方法では線の太さにどうしても限界があるために、先に原紙に印刷をしておいて、それをダンボール紙に加工する方法もとられるようになってきたのだそうだ。今までの「たかがダンボール箱、中身を運搬するための容器じゃないか」という認識ではもはや時代遅れになりつつあるのかと、改めて企業の厳しい競争の現実を垣間見たような気がした。

この会社では副業に給食センターを経営しており、配達の終わった配送車が何台も帰ってきていた。こちらの経営も、企業のリストラが進む中で需要は減りつづけているそうで、最近では保育所や小学校、老人ホームなどの新たな需要開拓へと方向転換しているのだそうだ。100年続く会社は全体の3%だと何かの本で読んだことがあるが、確かに時代の変化はめまぐるしい。それに対応していくためには常に新しい発想と経営努力が必要なんだと、わが身を反省した工場見学だった。







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最終更新日  2002年04月02日 00時35分18秒
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