2004年01月15日
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テーマ: 中国&台湾(3305)
カテゴリ: カテゴリ未分類
玉帯雲遊路を歩き始めるとすぐに、遊園地の入り口にあるような鉄の柵がある。柵の中をぐるぐる回って向こうへ出れる構造で、真っ直ぐには進めないようになっている。おそらく以前はここに料金所があったのだろうが、今は誰もいない。

なぜ、蒼山の奥にそんなものがあるのかは、もう少し先に行ってわかった。遊歩道は崖を削り取って造られていたのだ。頭の上にも大理石の岩が覆いかぶさっている。そして反対側は高さ100メートル以上の絶壁で、遊歩道には柵も何もない。この場所でwhさんに促されて記念撮影をする。写真に写ったtetywestの顔は笑っているが、さすがに壁際から離れたくなかったというのが本音だった。驚いたことにサンタナの運転手は平気そうに崖の下を覗き込んでいる。運転がうまいだけあって運動神経も抜群なのだろう。


玉帯雲遊路の難所で記念撮影


この難所を抜けた所にもさっきと同じようにぐるぐる回る鉄の柵があった。こちらは崖の上に造られていたので、少なくともその中を歩いている間は安全なのだ。全く同じことをしても、一方では面倒くさいと思い、他方ではありがたいと思う自分が可笑しかった。

しばらく歩いて尾の背に出たところで振り返ると、ちょうどさっきの難所が見えた。真っ直ぐな断崖を遊歩道の幅だけ削り取って、トンネルの半分のようになっている。こんな場所で工事をするのはさぞ大変だったことだろう。通行料金を取りたくなるのも無理はない。

玉帯雲遊路は山肌に沿っているので尾の背と谷が交互にやってくる。谷には潅木が茂り、細い渓流が流れている。大理石の岩肌には苔が密生している。晴れていれば尾の背に出たときは眼下の展望が楽しめるのだろうが、あいにくの霧で何も見えない。

黙々と歩き続けているうちに、前方から渓流の音が聞こえだした。かなりの水量が流れている音だ。何度目かの尾の背を曲がったところで、突然眼下に白い渓流が見えた。100メートル下を真っ直ぐ下流に向かってゴーゴーと勢いよく流れている。白く見えるのは水しぶきが上がっているからで、それほど急流なのだ。上流に目をやると、山と山に挟まれた狭い谷は白い霧で包まれていて、どれほど奥が深いのかよくわからない。谷に沿って流れていく霧を見ていると、その先はまるで仙人の住む世界のように思えてくる。


桃渓の渓流


さらに先へと進んでいると、急に霧が晴れてあたりが明るくなり始めた。霧の中から現れたのは、V字型の深い渓谷と、その谷底を真っ直ぐに流れ落ちる渓流、そしてその先に広がる大理平野と【さんずいに耳】海だった。tetywestは玉帯雲遊路を歩きはじめたときからこの構図を待ち望んでいたのだ。こんなチャンスを逃しては大変と、急いでカメラを構えて写真に収める。


桃渓から望む大理平野


山の天気は本当に変化が早い。大理平野は2分後にはもう見えなくなっていた。






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最終更新日  2004年01月15日 12時21分45秒
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