週刊朝日2014年8月1日号で、室生佑月さんがこんな疑問を提起しました。
先々週、
「『美味しんぼ』問題を受け、政府は、修学旅行先として福島のモデルコースを設定し、全国の学校に提案することなどの(風評被害払拭にむけた)強化策をまとめた」
というニュースを観て、なんでわざわざ危ない事故を起こした原発のある福島へ、全国の子どもたちを連れていかなきゃならないの、ということを書いた。政府の意見が正しいことの証明に、子どもを使うのは野蛮すぎると。
そしたら、「福島を差別するな!」と、ものすごい数の抗議を受けた。
あたしの意見は福島差別になるのだろうか。
その先々週の記事はこちら。
逆じゃないの? 福島の子どもたちを、被曝の影響があるかどうかまだわからない場所から、一時でも避難させたほうがいいのでは……そういう考えになぜならない?
事故当時よりはずいぶんマシになったとはいえ、まだ汚染水は漏れているし、まだ放射性物質も漏れている。そして、一歩間違えばさらなる大事故につながるといわれている燃料取り出し作業をしている最中だ。
政府は福島へいって(住んで)「大丈夫」という人間が増えれば、それが真実だっていいたいのか。
だとすれば、健康被害を受けたといっている少人数の人間は、嘘をついていることになるのか。大丈夫じゃなかった人には、大丈夫じゃなかったということが真実だろう。
政府の意見が正しいことの証明に、子どもを使うのはやめてくれないかな。大丈夫であることの証明に、子どもを使うって野蛮すぎる。
僕にはとてもまともな意見に読めますので、抗議をした人は違う視点を持っているのでしょう。
福島は、一日も早く”放射線被ばく被害”から脱してほしいと切に願いますが、希望と現実は違います。
放射線物質はいまだに安全というまでは除去されず、その放射線による健康被害の度合いも解らないのです。
一人の感染者もなく関連性も証明されていないにもかかわらず、”狂牛病”対策で牛肉輸入を全面停止した同じ政府の方針とは思えません。
結局、日本の正義は”損得”で作られるということでしょうか。
それから、室井さんはこんなことも書いていました。
この原稿を書いているのは5月18日。昨日、安倍総理が福島に視察にいって、「政府としては、根拠のない風評を払拭していくためにも、しっかりと正確な情報を分かりやすく提供していく」と発言した。
小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」の漫画「美味しんぼ」騒動を踏まえての発言だ。
国民に対し、しっかりと正確な情報を分かりやすく提供していくというのは大歓迎。今までもそうしていてくれた事実があるのなら。
原発事故後、ベントをした意味を福島県民に丁寧に説明しましたか? SPEEDIの情報をアメリカにだけ教え、国民には伝えなかったりしてませんでした?
そんな中で、メディアの自主規制が起きた。事故が起きた直後、原稿に「放射能」「被曝」という言葉が使えなかった。あたしはそうだった。
けれど、「あたしはそうだった」「自分は鼻血が出た」といったところで、
「で、根拠は? 風評をふりまきやがって」
そういわれるのがオチだ。
ある番組で「美味しんぼ」騒動へのコメントを求められた。番組内で「美味しんぼ」は風評被害を増長させるというニュースが取り上げられたのだ。
あたしはいった。
「でも、甲状腺の異常や甲状腺がんは増えている」
チェルノブイリ事故では4、5年後に子どもの甲状腺がん増加が確認された。福島は事故が起きて3年、8割の子どもを検査したら、がん50人、がんの疑い39人。もちろんこの結果について、「平常時じゃ考えられない」という学者もいるし、「因果関係は認められない」という学者もいる。それでも新聞に書かれた人数は現実のことだろう。
あたしが驚いたのは、その番組が終わった後の話。ツイッターに、
「室井の無知ぶりに失笑したが、『福島で甲状腺ガンが増えてる』などのデマ発言は看過出来ない」
などと書かれておった。
福島県の子どもの甲状腺異常の話は、事故後から新聞で何度も取り上げられている。なのに、なかったことにしたい人が出てきてる。
ここまでいくと、これから先、原発事故自体がなかったといい出すやつも出てくるかも。福島第一原発の話をしただけで、「風評被害!」といわれたりね。
これも全く同意見です。
僕もあの時書きました。
http://plaza.rakuten.co.jp/sontiti/diary/201405310000/
被害を小さくしたいと思うサイドがあることは解りますが、だからと言って都合の悪いことは見なかったことにしよう、なかったことにしようというのは科学的でないし、未来につながらないのです。
思えば、福島原発事故のあった2011年の11月に、なんと「第27回東日本女子駅伝」が福島で開催されました。
僕は山本太郎のツイッターで知り、反対の意見を書きましたが、同じように武田邦彦先生も反対のコラムを書いていました。
すみません。ぼんやりしていました。
明日福島女子駅伝があり、そこで主催者が「何が起きても責任をとらない」というのに中学生の女の子も含めてサインをさせているという情報を得ました。
本来、管理区域になる場所を、卵子をおなかに抱えた女子が走るというのは、どうしてもやってはいけないことです。今、前日の18時。すみません。ぼんやりしていましたが、もし主催者に中止を求められる方がいたら、今でもお願いします。駅伝の本質は健やかな成長です。なんで放射線の強いところで走らせるのでしょうか?人の痛みがわからなければ駅伝などやるべきでもありません。
力を合わせましょう!!
願いもむなしく、駅伝は開催され、その後も続いています。
”ガン”の原因のすべてが解明されているわけではありませんが、”放射線”によるDNA損傷が一つの原因になるということははっきりしています。
”ガン細胞”は毎日生まれていますが、免疫力によって除去されています。
ただし、免疫の能力を超えてガン細胞が発生した時は、”ガン”という病が発症する危険度が増します。
チェルノブイリで子供の甲状腺がん・白血病が10~50倍も増えたことは確かです。
他に、乳がんや子宮がんなど女性の機能に影響するガンも増えます。
だから、最低子供と妊娠が可能な女性は被爆地を避けるべきです。
”ガン”は一つの細胞がガン化してから”ガン”として発症するまでに3~10年かかります。
だから、10年たってガン患者が増えなければ、そこでやっと安全と宣言できるのです。
福島の人はひどい被害を受けて何も報われないというのが実情ですが、だからといって何もなかったことにするというのは無理なのです。
風評被害を除くためと称し、子供を実験台に使うことを決めたサイドの人は、数年後にとてつもない障害を生んだ場合、責任をどう取ろうというのでしょうか(それに備えて中学生に念書を書かせているのですが)。
”検察審査会”が、福島原発事故を巡り、検察が東電元幹部らを不起訴にしたのは不当だと議決しました。
「安全に対するリスクが示されても、単なる数値と見るだけで、実際には発生しないだろう、原発は大丈夫だろうというような曖昧模糊とした雰囲気が存在していたのではないか」
「安全神話の中にいたからということで、責任を逃れることはできない」
大津波の可能性のあっることも、電源を喪失する危険があることも幹部は知っていました(会議で報告されていた記録がありました)。
そうなった場合に、メルトダウンを起こし、大災害になることも。
韓国はセオール号事件で、船会社と会長に対し厳しく追及をしていましたが、日本はこんな大事故に対して、何故か責任を問いませんでした。
原発事故は自然災害ではないのです。
責任をきっちり追及することが、今後同じ過ちを繰り返さないための第一歩と考えます。
福島原発事故検察審査会強制起訴裁判 2017年07月02日
フクシマを繰り返すな 2016年03月10日
『東京が壊滅する日』 広瀬隆著 2015年08月07日
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