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2017年02月19日
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カテゴリ: 日々の仕事雑感
 昨日は今年度最後の呼吸器リハビリの研修会。

 訪問看護でお会いする方々は、呼吸器疾患の方に限らず重度の方が多い。呼吸器の方では、慢性閉塞性疾患の末期で酸素療法を受けてもベッドからトイレに行くだけでも苦しくなったり、排便時の息みで死にそうな苦しみにあったり、歯磨きができなくなって困っている方とか、その方の生活の様子を見ているだけでもその辛さが身に迫ってきた「何とか改善する方法がないのか」と思うことばかり。

 訪問看護の仕事をしてから、呼吸器のケアやリハビリのことが分からないと、とても患者さんの健康に責任を持った仕事ができないと、もう10年以上前から勉強を始めた。6年前にやっと呼吸療法認定士の資格をとり、その後も勉強を細々と続けてきて、自分でも対応できることも多少は出てきた。

 新年になってから、重症の呼吸器疾患の方を2名担当することになったが、その方々の体調は改善していない。

 体を動かすと息苦しさが酷くなるので、呼吸方法を改善することを患者さんに説明しながら実際に呼吸法を行ってもらうのだけれども、数分とは続かない。


 毎度のことだけれども、研修に行く前には、あの患者さんこの患者さんをどのように楽にすることができるか、分かって帰ってきたいと思う。

 でも、自分の呼吸器症状や身体症状を理解できるレベルが低くって、全く分かっていないんだなぁってガッカリして帰ってくる。


 今回の研修に参加するにあたり一番相談したかったことは、間質性肺炎(息を吸うことが難しくなって呼吸困難になる)の方。呼吸回数が一分間に30回以上の頻呼吸で、酸素飽和度も正常値の90%ギリギリかそれ以下に。椅子に座って体を前に動かすだけでも息苦しさが倍増してしまう方。

 この方の病歴や現在の生活状態を説明して、どのようなケアをしたらよいか質問してみたが、「内科医や外科医ではもう対応できない状態なので、看護師や理学療法士のきめ細かいケアで少しでも苦しさをとるしかない。もいその状態では医師ができることは何もないんじゃないか」って。

 数年以上にわたって苦しい状態を経験した方が、看護師の一時間程度の介入でそうそう解決できる問題ではないとも思うが、自分が何もできないことが本当に苦しくなってしまう。

「たった数分でも、楽になったと患者さんが思えるだけでもいいんだよ」って、質問に答えてくださった先生はおっしゃるのだけれども、そういうことを前提にしてその方の看護ケアを続ける心の状態でどういうものなのだろうか。


 その上実技の研修で、呼吸介助の方法について、講師の方にチェックしていただいたら「やわやわしていて、呼吸介助になっていない。また来てくださいね。」って言われてしまった。呼吸介助については何回も何回も研修を受けているのだけれども、一向に向上していかない。

 看護の勉強だけでなく、何かを知りたいと思って学習を続けていても、どんどんわかっていくという経験は今までもあまりない。何かが分かると、分からないことがさらに膨大に広がり、どんどん深い闇に誘われてしまうことも。ここ十年を振り返ると、呼吸器リハビリの学習を始めたスタートの時より多少はわかるようになったかもしれないけれど、なんだか長い道だってため息。そうこうしているうちに私の看護師人生も終わってしまうのにね。

 二十歳には戻りたくないけれど、せめてあと十年くらい時を戻したい。そしてもっとましなケアができるようになりたい。





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最終更新日  2017年02月19日 12時19分03秒
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