2005/01/16
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テーマ: 地震情報(635)
カテゴリ: カテゴリ未分類
前回のダイアリにあるように、地震の直後に実家に無事な旨を連絡をしたまではよかったが、その尋常でない揺れに私の頭には次々と心配ごとが頭をよぎっていた。。。
※ 私が体験した地震の規模やそのときの様子をお知りになりたい方は 1日前のダイアリへどうぞ。

■ 周囲の状況確認
――――――――――――――
まずは、当面の電気や電話といったライフライン復旧のこと、食材確保のこと、多くの友人や知人の安否、近くのマンションの地下駐車場に置いてある車のこと、そして大学研究室 特に実験棟にある高真空装置や薬品室の被災による二次災害の心配などが次々に頭に浮かんでいた。。。

そこで、めちゃくちゃになったワンルームマンションの部屋の中を歩けるように最低限 片付けてから 近くのマンション地下駐車場に停めてある車を見に行った。
周囲のブロック等に若干の損傷はあるものの、幸いにして被害はゼロだったため 当面の移動手段は確保できたことになるが、周囲を見て壁面がごっそり剥がれ落ちてしまっている家などがあり、驚きを新たにした。。。

1人暮らしの学生のため、食材の備蓄など多いはずもなく、徒歩で近くのコンビニに出かけたが、早朝にも関わらず、本当に多くの人達が寝巻き半分の姿で店内にあふれ返っていた。
停電のため、当然ながら電池で稼動する電卓のみで会計が行われていたが、それでも あまりに多くの人による混乱に耐えられず、ついには販売休止に陥り、食材を調達することができなくなっていた。

そのコンビニのすぐ前の幹線道路の信号は止まっていたものの、交通量が殆どないことを確認して、取り急ぎ自宅に戻り、どうにもこうにも心配な大学へと出かけることにした。
(もっとも1人暮らしの私には、そのくらいしかすることがなかったのであるが。。。)

理工系の修士学生の2年ともなると、大学は講義を受ける場ではなく、自分の実験・研究をする職場であり 家である感覚が強くなり、自分が長い時間をかけて組み上げ、メンテナンスしてきた実験装置類や研究室がどうにもこうにも気になるのだった。
気になるというのは、単にそれらの無事だけではなく、それらが二次災害を起こしていないか? または起こすポテンシャルをもってはいないか?という意味を含んでいた。


■ 大学での被害。。。
――――――――――――――
車を運転して大学へと向かう中、高架となっている幹線道路が継ぎ目と継ぎ目の間、丸ごと落下していたり、諸々の被害で渋滞する等はあったが、なんとか大学に到着することができた。
しかし、所属する研究所の6Fに着いて唖然とする。。。
廊下に沿って置かれていたスチールの重い本棚類はことごとく倒れ尽くし、薬品室からはあやしい煙が静かにシューシューと音を立てて流れ続けていた。。。
倒れたスチール製の本棚の間をくぐったり、よじ登ったりして、なんとか教授室に着くと、見慣れた仲間が既に何人か集まっていた。

その後 薬品室での化学反応を仲間うちで止めてから、研究所の屋上に上ると、救急車のサイレンや防災アナウンスがあちこちで流れているのが聞こえ、妙に胸がざわついたのを覚えている。。。
そして、ふと西南の方向を見ると、まるで戦争映画の1シーンかのように、神戸方面に灰色とも黄色ともつかない異常な煙がいくつも立ち上っているのが見えた。。。
この時点では 神戸があれほどまで悲惨な状況に直面しているとは知る由もなかったが、阪神高速の高架が信じられないことに倒壊してしまっているとか、大学のすぐそばの街が ガスの充満で市中立ち入り禁止になっていること等を 耳にしはじめていた。。。
(勿論、10年前といえば、携帯電話など全く普及していない時代であり、こうした情報の伝達にもある程度タイムラグがあることを強調しておきたい。)

続けて、研究所の裏手にある実験棟に向かったが、これがまた目を疑いたくなるような状況だった。
実験棟はさらに裏手に位置するキャンパス内の沼沿いに建っていたせいか、地盤がゆるいと見えて 実験棟脇にあった小高い丘は、丸ごと沼側にスライドして落ち込んでしまっていた。
後日、この実験棟の真下に、断層が走っていたことを知った。。。

実験棟の重いスチール製の扉を開けると、いきなり そこには やはりスチール製の重い本棚が重なりあって倒れている光景があった。。。
そしてもっと驚いたのは、他の学科・専攻が使う フライス盤やボール盤といったコンクリートの床に太い脚ごと埋め込まれた工作機械群が のきなみコンクリートの床をめくれ上がらせて、もげていたことである。。。
その方向が不気味なことに、一様にそろっていることで地震の横揺れの方向性を知ることができた。

この時点で、更に奥に位置する自分の実験スペースの様子を考えるのが一層不安になったが、意を決して進んでいった。
私の使っていたMBE(分子線エピタキシ)装置は、高真空のチャンバーの中で 分子レベルで薄膜を生成する装置だったが、その高真空を実現するには 予めチャンバーの中を高圧の窒素で満たすことが必要であった。
このため、常に装置周辺には高圧の窒素ガス充填用のボンベが並んでいた。私としては、その高圧ガス環境がどうなっているかが心配だったのである。

実験室に入るなり、想像以上に驚くべき光景が広がっていた。。。
果たして、その窒素が入った小型ボンベは ことごとく床に倒れており、ボンベとMBEの真空チャンバーを結ぶステンレス製の細い吸気・排気用の配管は いずれも飴のように ぐにゃぐにゃに曲がっていた。。。
一体、どういう方向にどういう力が働くと、こうした状態になるのかは知る由もなかったが、ボンベの栓は常に開いた状態で、一定の圧力が配管にはかかっているため、身の危険を感じながらも、脂汗を浮かべながら元栓を閉めに回ったのだった。。。

この続きは次のダイアリ(阪神大震災回顧録は次回で最終回)にて。。。





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Last updated  2005/01/16 08:43:16 PM
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