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2021.12.19
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テーマ: 読書(8659)

「もうダマされないための「科学」講義」というだいぶ前から話に聞いていた本を最近ようやく読み終わりました。



章ごとのトピック・著者に分けて書かれています。
気になった章から読んでもさわりないかと。
2011年に出版された本 なので、内容によってはキャッチアップが必要と思います。

特に身近な話題で面白かったのは 3章の科学の報道に関するものと、付録として書かれている3.11周辺の怪しい情報の数々 をまとめたものでした。

3章の「報道はどのように科学をゆがめるのか」(松永和紀氏)

では、発がん物質・遺伝子組み替え・外来生物など報道でよく見聞きする事柄とその報道を行うメディアについて解説されているので、この手の話題での大事なポイントが整理できると思います。

たとえば一つの種類だけでその増減を評価するのではなく、 他と比較しての評価 だとだいぶ印象が変わります。本文中では食品の発がん性の比較における「暴露マージン(MOE)」という数値が紹介されています。

評価とそれに基づいた反応は人それぞれですが、少なくとも客観的数字は丁寧に見るようにしたいものです。

それから 人工的なモノだけが危険なわけではない ということは動植物がもつ毒は枚挙に暇がないことからも分かります。

「ほとんど食品が、安全性を確認された上で食べられているわけではありません。」(本文より)

産地や遺伝子組み替えについても表示義務がなければパッケージの原材料表示を見ても分かりません。

家でGを見ないからと言ってそこにGが居ないとは言えないのです(そうじゃない)。

また科学の不確実性からなのか曖昧な事柄の理解のためか 極端に表現しがち という傾向は念頭に置いておきたいところ。

本文では、科学者が確認する前に新聞記者は警告のために報じてしまう、という内容が書かれています。

そして危ないと言われると念のためと行動してしまうのが人情だったり。

思うにこれは健康情報などでも当てはまりそうで、まずは「○○で健康」の○○を脊髄反射で買いに走らないところからかな~と反省です。

付録の「放射性物質をめぐるあやしい情報と不安につけ込む人たち」(片瀬久美子氏)

では、 「あやしい情報」の具体例 が列挙されているのですが全く初耳の情報ばかりで予想外の驚きがありました。
自分は当時そんなにぽやんと過ごしていたのか。
無意識に情報を制限するようにしていたのか、と思うなど。

出てくるものの中には、今でもたまに耳にするフレーズがあったりするので、まあ気を付けましょうと言うほかないですが。
ある意味強いコンテンツ。

怒ったり不安になったりで動揺するとどうしても判断はぶれると思うので、何か決断するなら冷静になるまで時間をおくようにしたいものです。

他にも、

「マイナスイオン」、「科学と非科学の境界」などの話題が分かりやすく解説されているのでサクサク読むことができました。
おそらく中学生くらいなら読めるのでは。

この一冊ですべてを網羅するわけではないですが、これをヒントに各分野で気になったことを調べるきっかけになるのではないでしょうか。情報の出典や各章の著者の発信を追ってみるのもいいかもしれません。

ここまで書いてきて最後に何ですが「知らぬが仏」と言うように、ニュースはかいつまむ程度にして後はあまり気にせずいたほうがストレスなく過ごせるような気がするのはこだまでしょうか。

情報をなんでもかんでも摂取するのではなく上手く取捨選択できるように気を付けたいなぁと思うのですが。

バランス取ろうと反対側の意見を探してみたり、一次情報を見に行ってみたりしようとすると結構しんどい&時間がない。せめてOpーedをくれ。(他力本願)まあだから情報は有料なのだよと怒られが発生しそうでorz。










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最終更新日  2021.12.19 14:00:04
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