「人類戦士(ガーディアン)シリーズ」

「人類戦士(ガーディアン)シリーズ」

封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第11回


●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第11回●
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/

●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第11回
■8
本が風化するのと同時に、コードの中の,北の詩人の体も消滅した。アー・
ヘプンはその一瞬、産声を聞いたような気がした。

その機械共生体も、外気にふれて腐触し、機械パネルははじけ飛び、粉々に
分解していく。

が本がやヽその背後の機械共生体がくずれ去った後,内壁中央部に光点が残
っていた。
光点はアー・ヘブンの方へ移動してきた。
球体には、ぎっしりと古代の本が積まっている。
その球体からは、強烈な激怒のイメージが、アー・ヘブンに注がれていた。

それが「天宮」だった。
アー・ヘブンは「天宮」に話しかけている。「天宮」の過去の名前で。
「地球意志よ、寂しかっただろう」

「地球意志? 太古の、私の、名前を知っている、お前は一体……」
「そう、「天宮」いや、地球意志よ、君が考えている通りだ」

「つまりは、ハーモナイザーの手先というわけか」
「正確にはそうではない。ハーモナイザーの意識の一部という方が、いいだろ
う」
「なぜ、私の所へ来た。私地球意志の宇宙に対する復讐の理由を探りに来たわけか」
 アー・ヘブンは、天宮=地球意志、の意志の強固さ。その意志の持つ邪悪さに、思わずた
じろいた。
「やはり、君は、宇宙に対して、復讐を考えていたわけか」
「そうだ。私はハーモナイザーのおかけて、「地球人類」という、かけがえのな
い財産を奪い取られたのたからな。それに君は、私のデータベースも破壊した」
 「まだ、わかっていないのたな、地球意志。ハーモナイザーは君から地球
人を奪いとったわけではない。彼ら、地球人類は、自らの意志て君から離れたのだよ。地球人類は宇宙の意志
という大きな思念のために出かけていったのたよ」
アー・ヘブンの意識は、ハーモナイザーと一体となる。
「ハーモナイサーの手先としてか」
「手先?、そういった問題てはない。地球人類はひとつの思考形態とし
てより進化したといえるだろう。かつては地球人類という小さな枠て物を考え、自分達の能力を使ってい
たが、ハーモナイザーの意志により、彼らは同調したのだ。君、つまり地球意志より、より大きな意
志のためにね」

「ハーモナイザーよ、いくらくりかえしてもしかたがない。ハーモナイザー、君が私から人
類を奪い去った事に変わりはない。あまつさえ、私にこの鋼鉄の鎧を着けさせて
その上に監視員をおき、彼ら監視員を進化させた」
「そう、彼ら新機類は、君、天宮=地球意志を、監視するために存在し、生命球がすへてを統
禦していた。が新機類や生命球は君が滅ぼしたのだろう」
「そう、それが、宇宙に対する、ハーモナイサーに対する私の復讐の手始めだ」
生命球は、アー・ヘブンのソウルブラザー、同類の意識体だった。
生命球も、ハーモナイザの個性群体の一つだったのだ。

「ハーモナイザーは、君、地球意志の行動を観察していた。君があるいは新しい精神
構造を持ち始めて、ハーモナイザーの考え方に同調するかもしれない、と思ったのたよ。がそれは残念ガ
がら、期待はずれだとわかったわけだ」
「それて、わざわざ、このシャフトまで降りてきて、私を滅ぼすわけか」
 天宮=地球意志の声、はあくまで冷たい。
「地球意志よ。最後のチャンスだ。君の思念を我々と同調させなさい。
それがすべてだ」
「答えはノーだ」

「わかった」
天宮=地球意志は、何かの信号を送りだそうとしていた。
間髪を入れず、アー・ヘブンは、第3触手をのばし、天宮=地球意志
をにぎりつふそうとする。

天宮の中身は、聖書、仏典、コーフンなど地球の宗教書・哲学書、地球人類の遺産の書類とイメージー
コーーダーが包含されていた。
この宗教書こそが、天宮=地球意志のアイデンティティーたった。
存在価値のすべてだ。

アー・ヘブンの第3触手の握力で、天宮の外壁がはじき飛び、本の数々がバラパラに吹き飛び、破片
は大気へ散っていった。
(続く)
●封印惑星(ハーモナイザーシリーズ02)第11回●(1987年作品) 
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
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