Welcome to My Novel Jewel Box

Welcome to My Novel Jewel Box

My Favorite Actress Dominique SANDA(SE)

My Favorite French Actress Dominique Sanda―Her Charismatic Beauty and Lifestyle: Second Edition

『私の好きな女優ドミニク・サンダ―その美しさとライフスタイル―改訂版』


このコーナーでは和文を先に読んで頂いたあと、英訳を(試訳)読んで見て下さい。英文から和訳へと目を移すのとは違う印象を受けると思います。

●第1章―ドミニクと息子―


★今はあまりお目にかかれない女優さんだと思います。 1951年パリ生まれ。今はもう53歳になるのですが、私はこの人が好きです。本名ドミニク・ヴァレーニュ。Dominique Varaigne. 

「芸名をSandaにしたのは、Sで始まる言葉が大好きだったから」というところが個性が感じられる。そして21歳で未婚の母に。「70年代のガルボの再来」と言われ国際的なスターになりました。

★この写真集が出た頃は、11歳になる一人息子のヤンと二人暮し。私はそういうところに彼女の自由な生き方を感ずるのです。私はひとり息子を産んで、相手と別れましたが、結局息子と暮らしています。

なぜか別れる前からドミニクと息子の二人で写っている写真が心の支えだったのです。別れをいつも予感していた、不幸な生活だったからかも知れません。

そして今、やはりこの写真が私の大きな心の支えです。国際的スターでも何でもありませんが、愛する息子と二人。これで良かったんだ、とドミニクが私に語りかけてくるのです。

★今では女性にとって「結婚」とか「夫婦に子供2人」という理想像があまり大きな価値観ではなくなっています。それより「女」という社会的役割、すなわちgender に捕らわれず、「個人」として生きることに女性たちは大きな価値を見出しつつあります。

ドミニクは、2000年代のそうした社会ではなく70年代のある程度閉鎖的な家族像が支配する時代に、敢えて未婚の母となり、仕事を持ち、息子を育てました。今彼女と幼い息子の写真を見ると、励まされたり教えられることが多い、そんな感動を得ています。(2005.1.5)



●Chapter 1―Dominique and Her Young Son―

1.―Dominique Sanda is an actress who can be now probably rarely seen on the films. She was born in Paris in 1951. She is now 53 years old, and I like her very much. Her real name is Dominique Varaigne. She said, "I like the word which starts with a character S, so I made my stage name Sanda."

In her statement, I can recognize her strong, attractive personality. She became an unmarried mother at 21 years old. Her charismatic beauty impressed the world as "an advent of Greta Garbo in the 1970s" and that impression has ensured her fame. Finally, she has become the international actress.

2.―Around the publish of this photographic record, Sanda was living with her only son Yann, who was 11 years old at that time. I can feel such lifestyle as a free one. I myself gave a birth to a son, and after that, I've got divorced. And after all, I am living with my only son.

I coudn't know why, but before my divorce, the photograph in which Dominique and son was taken was my consolation to my mind. Perhaps I led meserable life foreboding the breakup.

And now, Dominique's picture also uphold me greatly. I am never an international star or nothing, but now I live with my lovable son. Dominique seems to talk to me, "You are in your right way!"

3.―Recently women do never value a model of "marriage" or "an couple with two chilren" as an absolute ideal. Rather they wish to find a bigger worh living as "an individual" than to live prepossessing as "a woman in society", i.e. gender.

Dominique dared to become an unmarried mother, had a work, and brought up a son. The time she was living as a young mother was the 1970s, not the 2000s, which was dominated by the somewhat closed society having an traditional family image. Now again I can see her photograph with her young son, and I am impressed or can be given an encouragement and a teaching from her.


【NOTES】*advent「重要人物の到来」
* consolation 「慰め」
* foreboding 「不吉な予感がする」
*absolute 「絶対的な」
*prepossessing 「先入観に捕らわれる」



●第2章―女優という仕事―

★ドミニクは女優としての美しさのみならず、強い精神力を備えた女性です。この写真集では80年代一世を風靡したファッション雑誌『マリー・クレール』の有名な編集者コリーヌ・ブレがインタビューをしていますが、私が昔この本を読んで心に残ったドミニクの台詞は「撮影で裸になることは怖くない。怖いのは、自分の心を裸にすることよ」というものです。

私はこの言葉に強烈なショックと感動を覚えました。女性なら誰しも裸になるのは恥ずかしいし、恐ろしいことです。けれども彼女はプロの女優として、そのシーンを撮影する人々のために仕事をする―そういう意識で服を脱ぐのです。

強靭な自己をいかなる状況でも崩さないでいられる。このように、外面も内面も知的に優れた女性を、真の「女優」と呼ぶのでしょう。

★彼女は当時ある映画監督を恋人にしていました。ドミニクの愛車はベンツで、まさにスターに相応しい。けれども、彼女は「一年中インタビューを受けたり撮影ばかりに追われていたくはない。だから旅に出るのが大好きなのよ」と語ります。

―エジプトに行って、夜明けのピラミッドを見たのよ。風が少し出ていた。朝の砂漠のそよ風。ピラミッドに陽が昇り、私が砂の小丘を登るにつれて、スフィンクスが姿を現わすのを生まれて初めて見たわ。想像を絶する光景だった。左側は見渡す限り、台地と砂漠が...しかも、砂漠にはたくさんのピラミッドが見えたのよ!

エジプトはこれまで行ったどこよりも一番素晴らしいところだった。とっても美しくって、とってもミステリアスなところ。―

★エジプトの神秘性に惹かれるのはドミニク自身がやはり独自の神秘性を持つ女優だからではないでしょうか。彼女は当時まだ11歳の幼い息子ヤンのことを気遣ってこう言います。

 ―ヤンは旅行は好きじゃないの。あの子にはこういう美しさはわからない。当たり前よね、子供なんだから。子供というものは家が好きで、そこで友達と遊ぶのが楽しいのよ。孤独な子供ではないけど、仲間が大好き。私ととても違うの。

 でも、同時に孤独に耐えられる子供でもあるのよ。こんな風な私を見るのに慣れているから。

 ―私もまた、大学の仕事に忙しく、休日は疲れてあまり息子を構って上げられません。しかし息子の心中にはそういう私を気遣う心が育ちつつあります。ドミニクの言葉に支えられながらも、子供の成長を見守っていきたいと思っています。(2005.1.24)



●Chapter 2―The Profession as an Actress―

4.―Dominique is also a woman not only with an absolute beauty as an actress but with a tough mind. In this photograph records, a famous editor Colline Bullet interviews her. Miss Bullet had worked for the most popular fashion magazine in the 1980's Marie Claire. At that time, I had read this interview and such words of Dominique was impressed me―"I never be scared of being naked. What scares me most is to make my mind all naked."―

I was strongly shocked and moved by her words. Any woman would be shamed and feel dreadful to be stripped. But she can be stripped with a clear consciousness that she must do so for the staff taking such a scene as a pro actress.

She can possess a strong self and never lose that under any situatiion. So, we can call a woman "a real actress" who are intelligently excellent both externally and internally.

5.―In those days, she had a lover who was a director. Her own car is Benz, which is just appropriate for a star. However, she says, "I
never wish to be interviewd or take shooting all around a year. So I
love travel very much."

―"I once been to Egypt and saw the Pyramids before dawn.
I could felt a gentle breeze. A breeze of the morning
desert. The sun rises above the Pyramids and I climbed a sand hill.
As I climbed, the Sphinx gradually appeared―that was my first experience to see them. The sight was beyond my imagination. The left side was all sand hills and desert...moreover, I could see so many Pyramids on the desert!

Egypt was the most wonderful place I've ever been to. That is a very beautiful, very mysterious place."―

6.―I can assume the reason why she is attracted by the Egypt's mysticism is that she herself is also an actress with her own mysticism. Dominique talked about her young son Yann with a deep affection, who was still 11 years old then―

"Yann doesn't like traveling. He can't understand such a beauty as I've impressed in Egypt. But it's natural, for he is still a young child. The children love their homes, and they enjoy playing with their friends. My son is not a lonely child and he loves his fellows. He's very different from me.

But at the same time, he is a child who can bear a loneliness, for he gets used to see me like this."―I myself is also too busy with works at college, and in the weekends, I am too exhausted to take care of my son. But a mind caring me is being grown in his heart. With a support of Dominique's words, I would like to watch my child's growth.(2005.1.24)


【NOTES】*externally and internally.
「外面的にも内面的にも」
* shooting 「映画撮影」
* assume 「~ではないかと憶測する」
*mysticism 「神秘性・神秘主義」




●第3章―自由なライフスタイル―

★最近、1898年に非業の死を遂げたオーストリア帝国のハプスブルグ王朝の皇妃である、エリザベートの伝記を読んでいます。読んでみると、多くの点で、ドミニク・サンダとの共通点が見られることに驚きました。

エリザベートは本来南ドイツ・バイエルン王国の公爵令嬢でしたが、父マクシミリアンの野性的な、自然を愛する血を受け継いで、気軽に民衆の中に溶け込んで、自由に、奔放に、また戸外での生活を堪能する少女時代を過ごした人でした。

彼女は神秘的なまでに美しく、またその美は健康美でもあったのです。

それが15歳の時、従兄弟のオーストリア皇帝に見初められて、宮廷生活を送ることとなったのでした。

★宮廷生活はしきたりや儀礼に取り囲まれたもので、彼女の義母となった叔母の皇帝の母、皇太后はエリザベートのあまりの礼儀のなさ、気ままな振る舞いに腹を立て、ここに嫁と姑の確執が10数年に渡って始まるのです。

皇太后はエリザベートの生んだ皇太子や皇女2人を引き取り、エリザベートには育児をいっさい任せないという強硬対策まで取るのです。

ただでさえ宮廷生活に嫌気を感じていたエリザベートは、育児をあきらめ、「ひとりになりたい、遠くへ行きたい」との自由への憧れをますます強め、ウィーンの宮廷にはほとんど寄り付かず、ハンガリーや北アフリカ、ギリシャなどへ放浪する生活を常とするようになったのです。

★エリザベートの放浪癖は、一種の夢遊病のようなものでした。時代や環境は違いますが、ドミニクの自由を切望する性格や、旅行好きとどこかに通った点があるように、私には思えるのです。

 ドミニクは、編集者コリーヌ・ブレの質問に、こう答えます。

 「旅行の計画は、どういう風に立てるわけ?」

 ―大体は、私の恋人が、彼の既に行った場所に私を連れて行くの。彼は、私が喜び、幸せを感じるものや、場所が分かる人なのよ。

 私がプランを立てて、彼を連れて行ったことはあるけれど、いつもうまく行かなかったわ。誰かが私をどこかに連れて行ってくれる―歌にあるように、「さらっていってくれる」ことが、私自身に一番合っているということらしいわね。

 何の用意も計画も立てず、何もしないのが一番向いているみたい。夢遊病者のような状態でいることが大好きなの。誰かが私に息を吹き込み、誰かが私を奪い去ってゆくっていうのが最高......

それと、映画から誘われるのも大好き。この上ない喜びよ。考えもしなかった嬉しいことがあなたに起こった時と似てるわ。冬の最中、パリにいる時に、「*** 日にいらして頂けますか?」という電報を受け取り、突然、飛行機で地球を横断し、太陽の下にいるなんて......

私は彼女のこの言葉を読んで、とてもうらやましく感じました。ドミニクは、国際的なスターです。けれども、自由を愛する人。愛する人に身を委ねて、世界中のあらゆる所に旅ができる。そして、映画を愛する人でもあります。

 世界中に名を知られているからこそ、彼女がアフリカにいようと、イランにいようと、ベトナムにいようと、映画出演の要請が舞い込むのです。

 彼女は、映画の中で、「違った自分」を演ずることにも、自由な別の人生を見出しているに違いありません。私は、彼女のその「精神の自由」に憧れると同時に、うらやましさを感じるのかも知れません。

 しかし、考えてみると、このように、自分の感じたことを、気ままにエッセイにできるというのも、「精神の自由」を味わっていることに他なりません。私が女優ドミニク・サンダを愛するのは、もしかしたら、自分と彼女との間に、「心の自由」という共通点を見出しているからかも知れないのです。(2005.12.23)



© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: