Poet田部井

Poet田部井


いつも探している鳥をまた探していた

木々の間から空へ
鳥は
尾羽根を円く、扇のように開いて思いがけず静止した
雲を透り過ぎたのに、棘のない光
茶色の羽根は、骨まで透明な
まるであたりまえのように、その幼い鳥は少年の手のひらの中に
羽根を傷つけることがないように少年は鳥をそっとつかみ、そしてそっと手放した
少年の手のひらから生まれた鳥は、見違えるようにはっきりとした輪郭で、力強く大空へ羽ばたいた
飛べ、翼を広げて飛べ、思いっきり羽を伸ばして飛べ
その鳥がほんとうに探していた鳥だったのか、少年にはもうどうでもいいことだった


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