この作り手、ブルゴーニュに有って自然派の旗手として熱狂的なファンも多い。実はこの作り手のワインは日本よりも米の方が入手しづらくなっている。私は90年代半ばに何本か飲んだのだが、当時 Pacalet 氏が取り仕切っていて、松茸(のお吸い物)感の香りがわざとらしく、値段が高いのもあり、その後あまり試す気になれなかった。セラーの中にこのワインを見つけ、昨年鬼籍に入られたと言う事で追悼の意も有って開けてみた。最初の VT が 88 なのでこれは2年目。畑は DRC から買ったと言う曰く付きのこのドメーヌオリジナルの畑だ。
端的に言って、私のテースティング能力では全く理解不能だ。一般的にブルゴーニュ赤は PN という単一セパージュから、作り手、畑、 VT (更には酵母)により、香りと味わいの織りなすハーモニーの多様性を味わうものなのだが、このワインには全くそういう味わいが無い。状態は悪く無いのだが、香りは弱く、酸が突出していて果実はくすんでいて弱々しく fade out に近い状態だ。 VR どころか、ブルゴーニュ赤の範疇に入るとは思えず、どちらかと言えば顔色の悪いアルザスの PN だろう。
くだんの熱狂的なファンによるとこのワインは抜栓後3日目から1週間目が良いと言う事で実際試してみた。確かに普通のワインと違い酸化による落ちは感じられないが、ワインとして良くなったとは思えず、敢え無く終了となった。
今日の格言:君子危うきに近寄らず。
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