シャンパーニュにとっての不都合な真実が三つある。
一つは terroir は存在しないという事だろう。このブログの最初の方にも書いているが色々と試飲したり、現地を踏査してみたが terroir を感じる事は出来なかった。歴史的に畑ではなく村名での格付け、 Aube は二級格という極めて大雑把な格付けをされていた事を考えるとそれも当たり前なのだが。
第二は、第一の真実からの corollary でシャンパーニュの出来不出来は人智に依るところが多い。これは、昨今の有名 RM やメゾンの上級キュベ等を鑑みてみれば一目瞭然だろう。人智と言うのは勿論元のワインの質を決める栽培、発酵もあるが、それよりも熟成期間 (vieilliessment) や assemblage(VT, climat, cepage 、 vin de reserve) 、 dosage 等の parameter が最終的な質を決めている。
そして第三の不都合な真実はシャンパーニュはブルゴーニュより酒質が粗いという事だ。これも気泡の抜けたシャンパーニュとブルゴーニュ白を比べてみれば歴然だ。村名でも酸の肌理の細やかさを感じさせるブルゴーニュに対し、シャンパーニュはどうしても未熟果から来る粗野さを感じてしまう。まあ、その為に歴史的に dosage という maquillage を行なっていたのだが。
そしてこの三つの真実から導き出される結論はと言うと、これは「表現の不自由」になってしまうが、 champagne は適度に熟成したブルゴーニュ白と混ぜると抜群に美味くなると言う事だ。特に10年ほど寝かした特級や良い一級の白にノンドゼを混ぜるとブル白の奥深さとノンドゼの軽快感ある爽やかな酸味のハーモニーは優れたシャンパーニュを軽く凌駕する。タレとしてのブル白と coteaux de champenois の白の質の違いを考えれば当たり前の話だ。何やらラーメンに於けるタレとスープの関係だ。そしてタレとスープを変えたり、割る比率を変えたりして自分の好みに合わせる事ができるのもまた一興だ。この日もこの Criot と(これも中々素晴らしい)シャンパーニュと合わせて参考までにセ○スと比べてみたのだが、遥かにを超えてしまっていた。
個人的には Champagne とは歴史的にみても所詮この程度のような気がしている。勿論ワイン fundamentalist の諸兄は眉を顰められるだろうが、このassemblage、一度先入観無しに試してもらいたいと思う。きっとその素晴らしさを感じることであろう。
そしてこれこそがシャンパーニュの不都合な真実なのだ。
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