久方ぶりにちょっと想定外の素晴らしいワインに出会った。抜栓直後から菫やバラのような品の良く深いフローラルな香りがグラスに拡がり、思わず心がときめく。味わいもフレッシュな苺、ラズベリー。完全除梗から来るピュアな果実と SO2 ではなく主に CO2 による酸化防止により、果実はフレッシュでトーンの高さ、軽快さを保ったまま熟成による厚み、樽から来るエピスも綺麗に溶け込み複雑味も十分有り、見事に ambivalent な課題をこなしている。 CO2 を使うやり方はうまく行けば良いが得手して失敗し、果実味が抜けたり、ボジョレのように果実味が dominant になり過ぎ、クリマのニュアンスが出ず単純なワインになる事が有るのだが、この 1 本に関して言えば、作り手 Alain Meunier が狙いが見事に決まり、彼の真骨頂だと言えるだろう。少し前に飲んだ同 VT の CdV よりも遥かに素晴らしかった。伝説の Charles Noellat の系譜を引くドメーヌだがこのワインもその Noellat の可憐な Beaux Monts (綴りは Beaumonts だが)の片鱗を感じさせる。
ただ 1 時間後から果実は落ち始め、それはまるで手の中で瑞々しい花が枯れていくようで有った。正に一期一会だ。
そしてワイン通はその一期一会が故にワインを追い求めるのだろう。
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