Meursalt は今でこそ白が主流だが、昔の文献を見ると赤が多かった事が窺える。尤も現在でも Santenot のように優れた赤も有るのだがアペラシオン上は Volnay を名乗っているのでそう感じないだけなのだろう。この村は丁度 Puligny と Volnay の間に有って文献を見ると大まかに言うと歴史的には Puligny 側は白、 Volnay 側は赤が多かった事が窺える。 Danguy et Auberin (1891)に依れば地層は大きく3つに分かれ Puligny 側の Perrieres 、 Genevriere 、 Charmes などは石灰分を多く含む魚卵岩( Oolithe )層、 Monthelie,Auxey に近い Charrons (Grands, Petits) 、 Rougeot 、 Chevalieres などは粘板岩( oxfordienne )層、村中部の Gouttes d ` Or 、 Poruzot 、 Boucheres から Volnay にかけての Cras 、 Santenot は粘土分が多いバトニアン( Bathonian 層)との事だ。この事を鑑みるとやはり Perrieres 、 Genevriere 、 Charmes は別格でそれ以外の一級白は膨らみが多くポテンシャルが劣り、(作り手に依るが)事が理解出来る。
さて、今日のワインだが Meursault の赤。歴史的には多かったのだが今や Volnay を名乗れる一級を除けば生産量が少なくなってしまっている。が、それでも両 Coche 、 Matrot 、 Mikluski など名の通った所がまだ作っている。こういう作り手が( Chassagne 、 St. Aubin や Puligny のように)白に改植すれば高値で売れるにも拘らず赤をまだ作り続ける理由は歴史的な拘り、土質の適合性、や樹齢の高さからヴィニュロンの矜恃で敢えて改植しないのだろうと推測している。結果値段の割に質が良いワインが多いように感じる。勿論 Coche-Dury の Meursalt 赤はその希少性も有って 500 ドルを超える値段が付いている(昔は 20 ドルだった)が Matrot やもう一方の Coche 等10分の1位で Volnay に匹敵するものもある。特に下山のお供には良いかもしれない。
閑話休題、個人的には余り好みでないこの人の白だが、赤はまずまず。勿論深みや奥行きが有るグランヴァンではないがシンプルでフェミナン、チャーミングな果実は心地よさを感じさせてくれる。ある意味で軽快、爽快、そして少し洗練した Gamay のよう。深く考えずさらっと飲むのには最適の1本だろう。値段もさほど感銘を受けない白の半分以下と嬉しい。そう言えばイケてない白※を作る Mikluski の Meursault 赤も中々良かった記憶がある。今度飲んでみよう。
※個人の意見です。
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