長年ワインを飲んでいて一番嬉しいのはやはり自分と長年飲んできた後進のワイン愛好家から自分の良く知らなかった作り手を教えてもらった時だろう。別段教え子などいう烏滸がましい考えは持ってないのだが、自分のとっておきのワインを色々開けたりしてある程度の薫陶は授けたように思っている。その「教え子」から教わる。この楽しみに勝るものはなく、自分の次の愛好家世代のレベルを見極めて安心して下山に励めるような気がする。
PYCM と同じ味筋で確かに美味しいなと思った記憶がある。同じ cuverie で作ってるのでほぼ間違いなく同じ levure だろう。ところが、この赤。相方の方は少し重心が低いように感じあまり感心はしなかったのだが、この赤は素晴らしい。この村特有の野暮ったく重く粗野な感じは全くなくチャーミングで軽快、あどけない少女のような表情を見せてくれる。 Porcheret や Coche Dury の Monthelie に近い軽快感はあるがそれらよりも確実に緻密で少し華やかも有る。Ramonetの赤が素晴らしい男性とすればこれは可憐な女性。これで村名格とはちょっと信じられない。この作り手の赤が良いと勧めてくれたその 後進には大いに感謝だ。
まあそれでもこの後進のレベルに達するのはやはり一握りで、元からの才能が有ったのは間違いない。大抵のブルゴーニュ愛好家は歴が長くなっても未だにエチケットやレア物の呪縛に陥り、酒屋のメルマガや世間の評判を頼りに自分の価値感で飲む域には達してはいない。価格が高ければ高い程、それを持ち寄り飲む自分の価値が高いと錯覚しているブランド品信仰者と同じだろう。この呪縛を解くのは中々に難しい。
尤も自分よりも年長の愛好家にもその手の課金厨的behaviorを続け、永遠にエチケットの呪縛に囚われる人も多いのだが。
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