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くーる31 @ 相互リンク 突然のコメント、失礼いたします。 私は…
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カモメ7440 @ うまい! おそらく散文詩だと思います。 ショート…

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Nov 15, 2009
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カテゴリ: 柔らかい思念
「ほら、ピアノの音が聞こえてくるような気がしませんか。」
フーゲン・ボーアの黒い絵「黒いピアノ」を見ながら、画商にそう言われると確かにそんな気がしてきたのだ。画商はさらに続けて
「もしもピアノの音が聞こえてこなくなったら、本当の闇の中でこの絵を見てください。原因がわかるかもしれません。」

この絵はフーゲン・ボーアの描いた絵であるのは間違いない。
この黒い絵の中に私は確かに黒いピアノが見える。いくら周囲の人々がこの絵はキャンバスを黒く塗りこめただけで、わたしはだまされていると言われても、わたしには見える。その上、ピアノの調べが聞こえてくる。
しかし、買ってから1週間もするとピアノの音がぱたんと消えた。相変わらず、ピアノはその黒い絵の中に知覚できるというのに。

わたしは画商の言葉を思いだして、深夜、自宅の地下室にその絵とともに閉じこもった。電灯を消して、地下室の中に完璧な無音と完璧な闇を作り出すと、その絵の黒い世界と地下室の闇が繋がった。わたしはその黒い絵の中に入り込めたのだ。
手探りで絵の中にはいっていき、わたしは黒いピアノに到達することができた。
わたしの指は黒いピアノに誘導されて曲をかなで始めた。すばらしい音色だった。わたしの技量をはるかに超えて、わたしはピアノの付属品と化して曲を引き続けるのだった。

どれほど引き続けたのだろう。いつの間にかわたしはピアノを弾くことをやめられなくなっている。ふと気づくと、自分の足元に人が倒れているではないか。以前の黒いピアノの奏者であったにちがいない。

あの画商の声が響いてくる。次の顧客にこの黒い絵を説明している。
「ほら、ピアノの音が聞こえてくるような気がしませんか。」


#117





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Last updated  Nov 15, 2009 09:07:03 PM
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