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砂浜の海岸に、それも波打ち際に沢山の人々が横たわっている。 手足をぱたんと砂地に置いたままで、笑顔で何かを話し合っている。
「そのうちに満ち潮になりますよ。」 わたしの忠告は聞こえなかったのか、わたしに耳を傾ける人はいない。
もう一度わたしは、今度は先ほどよりは少し大きな声で話しかけた。 それはさすがに何人かの人々に伝わったようだ。ざわめきが起きたが、よく聞くとそれは 笑い声のようであった。
でもそれはわたしへの儀礼的なものだったようだ。彼らの話題はすぐに戻っていく。
ああ、「再生」について話しあっているのか。わたしには少し意外な感がした。
潮は引いていく。でも安心してはいけない。必ず潮は満ちてくる。 わたしはその海岸に累々とあたかも海洋生物のように横たわる人々を見て涙した。 手や足を何かで押さえつけられているように見えた。
ざわめきのような 笑い声がまた聞こえてきた。人々が口をゆがめるようにして笑っている。 わたしはその場にいたたまれなくなって立ち去るしかないと思った。 海を見て、無数の横たわる人々を見て、陸地の方に視線を移して、歩きはじめようと思った。
しかし、足が重くて持ち上がらない。一歩も前に動けない。 しばらくすると、足だけではない。手もだるくなり、重くなる。頭すらも重くなってきて、それを支えるのもつらくなる。 だから人々は横になっていたのだと気づいたときには、わたしも既に横になっていた。
ぐっと腹がくびれてわたしは嘔吐した。米のとぎ汁のような白い液を吐いた。
口だけが自分の意思で動くようだった。吐いた液の一部が口の中に残り気持ちが悪かったが、 わたしは必死になってうめくように笑った。周囲の人々が、何かの貴重な情報を得たかのようにどよめいた 。
わたしはこれで彼らと一緒になったと思った。