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二人のこれから先の関係についての話になると、いつも決まって重苦しい空気が流れていた気がする。
それはまるでハチミツの詰まった瓶の中にスプーンがゆっくりゆっくりと沈んでいくように。
面倒な事を避けるように真剣に考える事もしないままで、彼女と過ごしてきた時間は彼女にとっての無駄な時間だったのかもしれない。
結婚したい。そうはっきりと言われても彼女の気持ちを単に傷付けるだけの様な言葉で返したり、新しい好きな人を見つけなと言ったりしていた。
人を愛して結ばれたいと思う人間に対して、二人の関係からそれが一番まっとうだと思われる世間的な常識で切り返されたら、しかもその対象の相手から言われた時の気持ちはひどく傷ついたと思う。
笑える事に今更彼女が必死になって伝えたかった想いや気持ちが心の内に入り込んだかのように自分も同じように想い、感じ、そして傷ついてしまっている。
どれだけタイミングが悪いのだ。
今でもそんな彼女を思い出し、考えたりもして、苦しむ自分がいる。
それは彼女の苦しみが天罰のように自分に降りかかっているのかもしれない。
いや、天罰じゃなく彼女を苦しめた自分の言葉が自分を傷つけているのだ。
決して彼女は10代の人間が言うような軽い気持ちでの結婚とかじゃなかったのに。
その時自分は何を見てたのだろう。言葉を曖昧に、避けるように、遅れていく彼女を置き去りにしてゴールするような究極な自分勝手さ。
彼女はいつも自分から離れる事なくついてきてくれてたのに。。。。。
その話題が終わるといつも彼女は言っていた言葉があった。
「生まれ変わったら今度は私と一緒になってね。」
「好きな人ができてその人と一緒になった時、きっともうそんな風には思っていないし、思わないはずだよ。
今だからそう思うだけなんだよ。」
じゃあ生まれ変わったら今度はお前と一緒になってあげる。なんて偉そうに言えるわけなかったし、いつか本当にそう思うだろうと言われる度にそう答えていた。
今だからじゃなくて今そこまで愛してくれてる事の重大さをわからなかった自分。
彼女は嘘でも一緒になるという言葉が欲しかったのかもしれない。
彼女にとって一緒になるという言葉がどれだけの安らぎと安心を与えたのだろう。
馬鹿だった。
今、もう彼女はそんな事思ってもいないだろう。
でもこの言葉があったから支えられ、頑張って、我慢できたのだと思う。
生まれ変わったら・・・・・
ここまで愛してくれた人がいる。そう思うだけで今日もまた。
今でも、これからも決して離れない言葉。