tomo_hの映画ログ

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2013.09.25
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カテゴリ: 映画ログ
2011年5月2日午前0時30分(ゼロ・ダークサーティ)に2機のステルスヘリがアフガニスタンの米軍基地から飛び立った。2機はレーダーに映らぬ機種なので、パキスタン軍の監視も通過し、イスラマバード北60キロの町アポッターバードに向かってとんだ。乗っているのはネイビー・シールズの熟練兵で、ある屋敷の上で降下し突入した。この屋敷にはオサマ・ビンラディンが隠れ住んでいるということで、彼の殺害が目的だった、ジェロニモがビンラディンを指す。この極秘軍事行動を熱意をもって見守る女性がいた。CIAのマヤという人だ。

ここまで来るのが彼女の大変な苦労だった。彼女が隠れ家を突き止めたのは何か月も前だったが、誤認を恐れた上司がなかなか動いてくれず、悶々とした日々を過ごしていた。ついに決行となったが彼女はこの家にビンラディンが隠れていることに100パーセント(95と言っていたが)自信があった。ジェシカ・チャステインが孤立して一途にビンラディン殺害を追及するCIAのエージェントになっているが、まるで華のない仕事人間だ。思えば金髪で、グラマーな美人のCIA局員が映画によく出てくるので、地味な人は意外に思うがこちらが本当なのかも。女性の意識さえ持たないのかと見える乾燥した潤いのないギスギスの女性だ。しかし根性だけはCIAらしい女性だった。美人のはずのジェシカが荒れ果てたような美しくない役人女を演じている。

前半、かなりしんどい映画だ。アルカイダにつながるツテを探そうととらえたメンバーの端くれから攻めてゆく。拷問といえるようなひどい場面が続き、やや見ているのが苦痛になる。そして、だんだん絞っていってファラジという大物とビンラディンの間の連絡役の男をマークした。この男が掛ける場所を頻々と変えてあるところに電話している。こうして隠れ家を探しあてた。もちろん、相手は非常に用心深く、ジェシカの周りにも危険が迫る。待ちに待った決行の日が来た。念願の突入場面をモニターで見るジェシカと同様に映画を見ている方もドキドキして突入を見守ってしまう。

キャスリン・ビグロー監督の撮り方は派手なところが全然ない。まだ前作の「ハート・ロッカー」の方が派手だ。しかし地道に調査を重ねてゆく段階も突入の段階も、臨場しているような迫力がある。オサマ・ビンラディンは9:11テロでアメリカ人は恨みを抱いているかもしれないが、日本人はアメリカほどではないが、一つの作戦をはじめから終わりまで見ていったという密着報道の気分がこの映画で得られた。事実の真相は?それは当事者だけが知っていること。ラストシーンは喜びはなくすべてが終わったというジェシカの表情だ。とにかくビンラディン殺害という事実が終わったのだ。女性監督がこんなお堅い戦争ものを撮ることが不思議に思えた。

(おまけ)ジェロニモ作戦はすべて暗視カメラごしの見えにくい画面なのだが、それがかえってリアル!
ネイビーシールズのつわもの達が頼もしい。「ヘリで墜落した経験のある者は?」という隊長の質問にほとんどの人が「ハイ」と手を挙げた。けっこう、修羅場をくぐってきた兵たちだ。

ゼロダークサーティ





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Last updated  2013.09.25 21:19:19
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背番号のないエース0829 @ ニーナ・ホス 「水を抱く女」に、上記の内容について記…
背番号のないエース0829 @ ニーナ・ホス 「水を抱く女」に、上記の内容について記…
背番号のないエース0829 @ Re:ヒトラー 映画〈ジョジョ・ラビット〉に上記の内容…
アイスクリーム@ Re:エリザベート愛と哀しみの皇妃(オーストリア、ドイツテレビドラマ)(08/09) 綺麗事ではなくメロドラマ仕立て。 勝ち…
zebra@ ボクからの(おまけ) もう少しコメントします。 tomoさんの記事…

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