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さすらいの天才不良文学中年
スポーツの品格 杉波翁
日本のサッカーは下手ではないのか
サッカーには詳しくない。
タダのファンであるが、ヨーロッパではイギリスとドイツでサッカーを観戦したことがあり、面白さは知っているつもりである。
だから、日本を応援し、日本もそこそこ実力があると思っていた。時間が許せば、国際戦は観るようにしてきた。
しかし、昨日の韓国戦を観て、日本のサッカーは下手ではないかと考えを変えることにした。少々遅いのかも知れないが。
相手より一枚駒が多いのに、攻められない。ディフェンスは脆く、あっという間にシュートされてしまう。
オーストラリア戦と同じである。あれは、PK戦でのまぐれでたまたま勝っただけである。
昨日もストレスの連続である。弱いときのカープと同じである。攻められない。守れない。つまり、勝てる訳がないし、それ以前に勝てる気がしない。
よくもこれだけの実力で日本のサッカーは一流だと威張っていたものだ。おいらは騙されていたのだ。最近のサッカー熱が醒めるのも理解できる。
これでは、客を呼んではいけない。
これは、監督のせいか。それとも悪名高い某チェアマンのせいか。いや、そうではないだろう。もともとそれだけの実力がないだけである。オシムを代えてサッカーが上手くなるのであれば、とっくに日本のサッカーは上手くなっている。
とにかく、今のおいらにできることは一つしかない。こんなヘボサッカーを観るのは時間の無駄である。おいらは忙しいのだ。
オリンピックの品格
オグシオはバドミントンをさせてもらえなかった。完敗である。
しかし、気にかかったことがある。あの「シャーッ! シャーッ!」という掛け声である。中国人選手が打つ毎に応援団の大合唱。
聞けば、「シャーッ! シャーッ!」とは、漢字では「殺!殺!」だという。え、え~!?
本来のスマッシュの時の掛け声は、「扣殺(コーシャー)!」が正しいらしい。それがフェアな応援であるはずなのに、オグシオにむけての掛け声は会場全体が「殺せ!殺せ!」の大合唱であったのだ。
どうやら、この「殺せ」の引き金は、日本の末綱・前田組が世界ランク1位で第1シードの中国組を敗退させたことへの報復だという。
民度が低い国じゃのう。
04年サッカーアジア杯でも優勝したジーコジャパンへのブーイングが大きな社会問題となった。北京での決勝戦では、中国人サポーターが日本チームの乗ったバスを取り囲み、警官隊とにらみ合いまでしたのである。この事件のことはよく覚えている。こんな国ではスポーツができないのではないかと。
その再来ではないか。
中国側も北京五輪の応援では、「横断幕や国旗を振り回すことを厳禁」としたそうだが、テレビで見る限り、会場では中国国旗が振られている。そして、「殺せ! 殺せ!」である。
まことに残念だが、おいらは、こういうレベルの人達とは個人的には友達になりたくないなぁ。
カルタゴの脅威
杉波翁から貴重なご意見をいただいた。
おいらの8月13日付ブログ「オリンピックの品格」(このブログ下段の「一覧」をクリックするか、フリーページ「スポーツの品格」所収をご覧ください)に対する、翁からのコメントである。
失礼を省みず再掲させていただく。
「先生のブログは開始当初から拝読させていただいております。切れ味鋭いコメントに我が意を得たりと膝打つこともしばしばです。
五輪の狂騒もやっと終わりホッとしました。それにしても低レベルの応援でしたね。
その昔、北京の義和団事件に参加した日本兵が、『賊が青龍刀を振りかざし、殺(シャー)殺(シャー)と叫んで一斉に殺到してくる有様は誠に恐ろしかった』と物の本で述懐していました。
8CHの小倉智明が、『あれは射(打て)、射(打て)という意味です』と中国人に説明を受けたとレポートしていましたが、見えすいた言い訳で、『じゃあ日本人以外の相手でも同じか』とチェックすれば分かる話でした。
開会式のもろもろFAKEでも知れるように、国が率先してシャーシャーと嘘をつく民族ですから彼らの説明を『さようですか』と聞いていると、終いには尻の毛まで抜かれるのでしょう。
某米人ジャーナリストによると、『中国はいま日本人に”犬の調教”をしている』んだそうです。即ち、『主人の意に沿わなければ叱る、気に入れば誉める』を繰り返すと従順な犬が仕上がるという話です。
申し遅れましたが、小生わけあって死刑宣告を受け(病気のことですが)、待機中の身です。この世に格別思い残すことはありませんが、孫子の代に中国に支配されるのだけはガマンなりません。
先生には、かつてローマの執政官カトーが『カルタゴの脅威』を繰り返し叫んだように、是非寝ぼけの日本人を啓蒙してやって下さい。今後ますますのご活躍を願っております。(August 25, 2008)」
まことにもって、翁のご指摘のとおりである。
既に凋落が始まっている日本にとって、中国はカルタゴ以上の脅威に違いない。つい数年前までは、昭和30年代後半(東京オリンピック開催年)レベルの日本だと思っていた中国が、都市部ではもはや日本と肩を並べるまでに発展している。
単純に考えても、人口が圧倒的に多いということは優位である。数は、経済力の象徴である。また、優秀な上澄みだけを集めれば、彼我の差は大きくなる一方である。しかも、彼らは自己主張の塊である。
ただし、かの国も矛盾を内包していることは間違いない。共産主義と市場経済主義とが共存するとは思えない。世の中(金の力とでも云い直すか)を甘く見ていたら、一党独裁政権は必ず崩壊する。
しかし、そんなことはどうでも良い。問題は日本がどうなるかである。他力本願ではなく、おいらたちの国が「精神的に生きるに値する国」にならなければ、早晩滅亡するのは目に見えている。
魚は、頭から腐る。
あ、それと大切なことがある。貴重なご意見をいただいた、翁のご病気のことである。
病気とは詰まるところ、自分の免疫力との闘いである。しかし、免疫力は自前で用意しなければならない。そこが難しい。
しかし、それも人生の面白さである。「この世に格別思い残すことがない」と云うのであれば、それが最大の免疫力になるとおいらは思うのである。是非とも翁には養生していただき、「長生きも棄てたもんじゃないぜ」と笑顔を拝見したいものである。
銅などいらぬ
オリンピックにも様々な出来事がある。
「銅などいらぬ。金しかいらぬ」と云い棄てて、表彰式で銅メダルを投げた選手がいる。
先週14日(木)に決勝が行われたレスリング男子グレコローマン84キロ級の表彰式で、3位に入ったスウェーデンのアラ・アブラハミアンは銅メダルをマットの上に投げ、立ち去ったのである。
このアブラハミアン、前回のアテネ五輪では銀メダリストであり、今回の金メダルの有力候補であった。
ところが、イタリアのアンドレア・ミングッツィに準決勝で判定負けし、決勝進出を逃がすのである。対戦相手のミングッツィは決勝に勝ち、金メダルを獲得している。アブラハミアンは「負けたのは判定がでたらめだったからだ」と激高し、表彰式で怒りを爆発させたというのである。
「試合はこれが最後。すべては金メダルだけだ」
と、即座に引退を表明した。
う~ん、男である。世界にはまだサムライがいるのだ。
星野監督に聞かせてやりたい。「金しかいらない」とのたまわれたのである。銀や銅なら貰わないで帰って来るのが男である。
哀れなのは金メダルを取ったミングッツィである。金メダリストの表彰式は台無しにされたのである。
ただし、この事件には顛末がある。新聞報道によれば国際オリンピック委員会はフェアプレーの精神に反するとして、アブラハミアンを失格、メダル剥奪の処分としたのである(繰上げはなし)。
上等である。アブラハミアンにとっては本望であろう。筋を通さずに一生悔やむよりも、「銅などいらぬ」という潔さは永遠に輝くのである。
負ける以前のオリンピック(その1)
北京オリンピックが終わった。
いずれ総括されるのだろうが、忘れる前に記録しておきたいことがある。
それは、日本の種目によっては、戦う前から既に負けていた試合があったということである。
マラソンである。本来、女子マラソンはわが国のお家芸ではなかったのか。それが、直前に野口の棄権。本番での土佐も途中棄権という無様な試合運び。
野口の棄権では補欠も出せない日本陸連。聞けば土佐の外反母趾も周知のことであったと云うではないか。失態、極まれりである。
しかも、完走した中村はマラソンが二回目だと云う。それが13位で健闘したなどとは云えるものか。オリンピックは国の代表である。どうしてそういう選手の決め方をしたのか、不可解な話しばかりである。
止めは、男子マラソンの大崎が試合前日に棄権欠場したことである。二日前の大崎の決意表明は何だったのか。試合前日に故障を発表するなどとは、どういう神経の持ち主なのだ。おいらには分からん。
それに北京五輪日本選手団団長の記者会見も「証文の出し遅れ」である。五輪が終わった後で野球やサッカーに不満を述べている。文句があるなら早く云え。結局、言い訳ではないか。思わず「あんたも同じ穴のむじなだよ」と云いたくなる。
陸連や団長が腐っているのか、選手が腐っているのか、それとも日本が腐っているのか。責任者には皆辞めていただくしかなかろうが、恐らく誰も辞めないだろうなぁ。皆、腐っているんだろうなぁ。
負ける以前のオリンピック(その2)
やはり、星野野球に触れねばならないだろう。
はっきりしていたのは、日本は弱かったということである。打てない。守れない、である。
このブログで星野監督のことを期待してよいと書いたことが嘘のようである。いくら指揮をしても、実力のないチームでは勝てない。星野監督は驕ったのである。自分が選んだ選手に間違いはないと驕り高ぶったのである。
それに采配ミスの連続である。実戦から遠ざかっていた監督の限界を露呈したのである。WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では現役の王監督が頂点を極めた。星野監督はテレビタレントかCMの帝王と呼んだ方が似合っていた。
結局、星野監督のブランドイメージばかりが先行したのである。マスコミもそれに乗っかったのである。
「金しかいらない」
「俺を殺す気か」
新聞の見出しを作る男である。
しかし、全ては星野監督による自業自得である。星野監督は自分に負けたのである。晩節を汚したと云われても仕方がなかろう。
おいらたちは騙されていたのである。しかし、同時にそれを見抜けなかった責任の所在は、おいらたちにもある。
もう一つ。金しかいらないと云ったのに、メダルはなかったのだ。おいらだったら、自分の人生を否定されたのも同然だ。日本には帰れない。解決方法は一つしかない。仮病(例えば心痛)を使ってでも、北京の病院へ緊急入院すべきだったろう。最低でも、丸坊主にしなければ日本には帰れなかったはずだ。
しかし、何事もなく帰国し、聞けば来春のWBCの監督にも要請されているという。そうであれば、記者会見の席上、あの屈辱の成績で何故辞退しようとしなかったのか。
腹の斬りどきさえも間違えている。
PKミスをどう考えるか
ロンドンオリンピックが終わった。
なでしこジャパンは残念ながら銀に終わったが、ま、一番美味しい部分は残しておくのが人生の美徳である。次がある、というのは、ある意味で幸せである。
さて、今回のサッカーで一番記憶に残ったのが、なでしこジャパンのフランスとの準決勝戦である。
事前の親善試合では負けていた。フランスは弱くないのである。
そのフランスのブサグリアが後半の79分でPKをはずしたのだ。
ビデオで見ると良く分かるのだが、GK福元の逆を完全に突いた絶好のシュートだった。おいらは見ていてシュートが決まったと思ったほどである。
だが、ボールは右ポストをわずかにそれた。ブサグリアのミスである。それも痛恨の。
フランスはこれ以上ないという同点のチャンスを逸したのである。
準決勝だから、この試合に勝てば、メダルは確定。負ければ3位決定戦である。だから、星野ジャパンの野球の例を出すまでもなく、準決勝は一番プレッシャーがかかる。
しかも、フランスは昨年のワールドカップで準決勝でも敗けているので尚更である。さらに、2対1で負けていたというプレッシャーもあったのだろう。
しかし、おいらが感動したのは、試合後のビニ監督の談話である。
「最後の20分は日本を上回っていた。PKで追いついていたら、3点目はもちろん4、5点目も挙げられただろう」
と、冷静に試合を分析した。
ビニ監督は続ける。
「PKについて、悔いは何もない。後悔していたら、人生など続けられない」
と選手をかばったのである。
お~、おいらはこれだけを聞いて、フランスにエールを送ってやりたいと思ったほどである。ビニ監督、只者ではない。
悔いなどない。後悔していたら、人生など続けられない。
こういう決め台詞を、一度云ってみたいものじゃのぅ。
全日本大学駅伝
今週日曜日に開催された全日本大学駅伝(「秩父宮賜杯」於・伊勢路)が面白い。
下馬評は、やはり青山学院大だった。何せ選手層が厚い。この大学は黄金時代到来と云われているのである。
学生3代駅伝は、箱根と出雲と伊勢である。昨シーズン青学は伊勢で初優勝し、3大駅伝を制覇したのである。
その青学に東海大が出雲で勝ったのである。
だから、青学対東海大かと云われ、それに続く優勝候補が神奈川大(エースは鈴木健、日本学生ハーフ優勝)、山梨学院大(エースはケニア出身のニャイロ)、駒大、順大などである。
競馬の予想よろしく云えば、本命・青学、対抗・東海大、穴・神奈川大、押え・山梨学院大、駒大、順大である。
それが蓋を開けてみれば、大穴神奈川大の20年振り優勝である。圧勝(タイム差1分18秒)と云ってよい。
2位以下は、東海大、青学、駒大、東洋大、中央学院大である。
では、なぜ、神奈川大が優勝したか。
簡単に云うと、神奈川大の練習はスピードを重視したのである。理論や根性、駆け引きで勝つのではないのである。スピードが速ければ勝つ。こういう当たり前のことを実践したのである。
だが、おいらは密かに青学の原監督がテレビに出過ぎではないかと思っている(最もこの半年近くテレビを観ていないので外れているかもしれない)。上がああだと、下も緩む。今回は1位争いに全く絡めなかった。
それに学生駅伝には競争原理の導入がしっかりとなされている点にも注目したい。
シード校は前回大会6位以上に限定され、それに全国8地区の選考会を勝ち抜いた代表校などが挑み、計27校で優勝を争うのである。
下から這い上がってくる大学が虎視眈々と優勝を狙っているのである。名門だとか、実績だけにこだわっていれば、あっという間に実力のある大学に足元を救われる。
速く走るという基本を忘れてはならない。青学も東海大もそれを忘れると挑戦者に負ける。
神奈川大は偉かった。
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