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さすらいの天才不良文学中年
時代劇は面白い
時代劇は面白い
この正月休みに時代劇の映画を5本観た。
待ち伏せ(70年東宝、三船敏郎主演・稲垣浩監督)×
柳生一族の陰謀(78年東映、萬屋錦之助主演・深作欣二監督)○
燃えよ剣(66年松竹、栗塚旭主演・市村泰一監督)△
助太刀屋助六(02年東宝、真田広之主演・岡本喜八監督)△
女次郎長ワクワク道中(51年大映、笠置シズ子主演・加戸敏監督)△
(順不同。○△×は評価)である。
待ち伏せと柳生一族の陰謀は封切館で観た。燃えよ剣、助太刀屋助六、女次郎長ワクワク道中は、初めて観る。もっとも燃えよ剣はテレビ映画をビデオで通しで観ているから、初めてだとは言えないかもしれない。
まず、待ち伏せ。三船・勝新・裕次郎・錦之助・浅丘らが出演しており、今なら超豪華出演陣である。昔見たことがあったからと言っても、やはり期待しないわけにはいかない。
併し、酷かった。どうしたらこんな駄作になるかという見本である。本(脚本)が悪すぎる。無理して豪華出演陣にするから、三船以外にも花を持たせたのだろう、ストーリーが支離滅裂だ。三船の出来が良いだけに残念である。
深作欣二は名監督と呼ばれることになるのだろう。時代劇にスピード感とアクションを取り入れている。封切館での臨場感を思い出した。
柳生一族の陰謀の目玉は、烏丸少将文麿を演じる成田三樹夫である。やはり怪優だ。白塗りに烏帽子、衣冠束帯の井手達にホーッホッホッと奇妙な笑い声を発しながら、バッタバッタと人を斬るのである。完全に主役を食っている。併し、それを考慮に入れなくても完成度の高い作品である。
燃えよ剣(栗塚新撰組)は、栗塚旭のワンマンショーである。血が騒ぐ。言うことなし(写真は栗塚旭)。
助太刀屋助六は、佳作。痛快時代劇と銘打っているが、そのとおりとなった。真田広之と鈴木京香が共演しているのには驚いた。二人が結婚するとしたら、このときからの縁だったのだろうか。
女次郎長ワクワク道中は、大笑いしながら観た。これは、日本版ミュージカルである。笠置をエンタツ、伴淳の脇が固める。ところで、笠置シズ子は若いとき意外に美人であることを発見する。これには驚いた。
HDDレコーダーのお陰で以上のようにビデオテープが整理出来始めた。とりあえず5本を報告する。
本日と明日はお休み
本日と明日は休日につき、お休みです。
写真は、三船敏郎と勝新太郎のフィギュア。
映画評論家兼役者であるS氏に戴いたものである。これをおいらの書斎の机の上に置いている。味があるぜよ。
それでは、皆様よろしゅうに。
平成23年2月5日(土)
謎の不良中年 柚木惇 記す
「座頭市物語」は面白い
民放のBS放送が面白くないと思っていたら、BSフジで「座頭市物語」が先日から始まった。
ウィキペディアで調べてみると、1974年後半から半年間に渡ってフジテレビ系列で26回放送されていることが分かった。
これが良く出来ている。
テレビ映画とバカにしてはいけない。上映に匹敵するほどの力作揃いである。
どうしてこれほどまでに水準が高いのかと考えてみたら、当時は映画が斜陽産業で映画界の人材が皆、テレビに流れていたのである。
当時、記憶に残るテレビ映画として、中村敦夫が主演した「木枯し紋次郎」がある(1972年~)。このテレビ映画だって、市川崑が撮っているのである。面白くない訳がない。
それに、座頭市物語は「勝プロダクション」の製作である。金に糸目をつけず作ったことが容易に想像できる。
しかも、出演者が凄い。第7回目は石原裕次郎が出演している。おいらの好きな成田三樹夫も、市を狙う用心棒として第6回目に登場している。今年亡くなった原田芳雄も13回目に登場しているのである。こりゃ、たまりませんなぁ。
昔のテレビ映画がこうして再放送で復活してくれるのは、実に有難い。
映画「関が原」を観て
鳴り物入りの映画「関が原」観た。
現在上映中なので映画全体の感想は差し控えるが、午後4時からの部で劇場はガラガラであった。高齢の夫婦が数組入っているだけで、ちょっと心配になった。
さて、この映画で興味深い点を二つ。
一つ目は、役所広司の家康である。役所広司が年寄りの太った家康に成りきっている。観ていて、「アンタッチャブル」の映画でのカポネを演じたロバート・デニーロを思い出した。
これだけでこの映画を観る価値は充分あるのだが、引っかかったのは役所広司の腹である。
裸の家康が侍女に着物を着せてもらうときに腹を映すのだが、これに違和感を持ったのである。
確かに太った腹だが、これはCGを使ったのではないかと思ったのである。年寄りの腹は、たとえ太ってもあのような張りのある腹にはならないのではないか。老醜さが微塵もないのである。
誰かこのシーンで裏話しを知っている人がいないのかのぅ。
二つ目。
撮影にドローンを多用している。昔の映画だったら、こんな撮影は大変だったろうなぁというシーンが満載である。真上からの絵は、ときとしてとても面白い。
しかし、ここでもCGが引っかかるのである。実写での合戦シーンは膨大なコストがかかるので、CGでごまかすのを否定するものではない。
だが、やはり、過ぎたるは及ばざるが如しのようにCGを過信してはいけない。不自然な絵になるのである。特に、とてつもなく多数の槍で敵勢を刺し殺す場面はドローンとCGの併用で迫力のある絵になっているのだが、整然とし過ぎていて不自然に感じるのである。
まだ観ていない人のためには、これ以上の話しは止めた方がよいか。
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