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さすらいの天才不良文学中年
ハリウッド O・ウェルズ イーストウッド
ハリウッドのCM界進出
ハリウッドの大物スターが日本のテレビ・コマーシャルに相次いで登場している。
驚いたのは、トミーリー・ジョーンズだ。缶コーヒー・ボスの宣伝で老体を曝しながら、ギャラを稼いでいる。キャメロン・ディアスがソフトバンクのCMに出ずっぱりなのも、ちょっと異様だ。アンジェリーナ・ジョリーも資生堂のCMに出演している。
その昔、CMに顔を出す俳優は二流と言われた。ドラマやテレビ出演も二流の証しである。だから、チャールズ・ブロンソンも日本で隠れるようにCMに出演した。一流のスターは本業でしか稼がないのである。
しかし、ハリウッドが不振のようだ。日本の映画興行収入も今年、21年振りに邦画が洋画を抜く勢いである。
さらに、本家アメリカのテレビで、キーファー・サザーランドが大活躍し、超大物俳優になった。もともとは二流映画俳優だったのだ。テレビの威力が見直されているようだ。しかも、最近では二コール・キッドマンやハル・ベリーのような大物映画俳優までが米国内でCM出演するなど、テレビ・アレルギーが消えようとしているらしい。
これも、結局、金なのか。もともと拝金主義の国、アメリカである。金のために無節操になるのは、今更驚かない。しかし、こうまで雪崩打ってテレビ・コマーシャルに出るようだと、「お前らに、志はないのか」を通り過ぎて、時代そのものの変遷ではないかと思ってしまうのだ。
祝アクセス数、109,000突破
一昨日、謎の不良中年のブログアクセス数が109,000を突破しました。栄えある109,000達成者は、「*.ocn.ne.jp」さんでした。ありがとうございます。
109,000突破は偏に皆様のおかげのたまものです。深く感謝し、有難く厚く御礼申し上げます。
お礼に、おいらの秘蔵コレクションから、「『オーソン・ウェルズ』スチル写真」をお披露目します。
云わずと知れたオーソン・ウェルズです。
ラジオドラマ「火星人襲来」の制作主演、「市民ケーン」の監督、「第三の男」への出演など不世出の映画・演劇人です。しかし、生前の映画興行での成績は意外に振るわず、不遇を囲ったと云われています。
そのため、映画を撮るのに何時も資金難で、お金になることであれば何にでも手を出し、チープな役回りを演じ続けます。
おいらが良く覚えているのは、「ニッカG&G」のTVコマーシャルです。
本来、CMに出るような人物ではありません。
しかし、このCMは秀逸で、冒頭オーソン・ウェルズが”I’m Orson Welles.”と喋るところが最高です。バックを流れる音楽は「第三の男」でありました。皆、こんなこと、知らねんだろうなぁ~。
しかも、このコマーシャルを吉田拓郎が真似して、”I’m Orson Welles.”とやるところが面白かったなぁ。これも、知らねんだろうなぁ~。
それに、イングリッシュ・アドベンチャー「追跡」のナレーションもオーソン・ウェルズだったのです。これも、皆、知らねんだろうなぁ~。
おいらが苦労せずに英語を話せるようになったのは、随分昔、この「追跡」のテープを擦り切れるまで毎日聞いたからで(今でも沢山のフレーズをソラで云うことが出来ます)、オーソン・ウェルズが他人のようには思えません。
オーソン・ウェルズ、最高ですなぁ~。
次回は、節目となる110,000ヒットを目指して精進いたしますので、これからもよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
2009年7月7日(火)
謎の不良中年 柚木 惇 記
危険な関係
テレビで過去の名作を放映することがある。
この「危険な関係」(88年米)は、18世紀仏蘭西貴族の退廃的な愛とセックスの極致を描いた作品である(ピエール・ラクロの同名小説の映画化)。
先週の土曜日にTwellV(BS12チャンネル)でオンエアーされたので、録画をしておいた。
で、何が云いたいかというとこの映画の中身ではなくて、CMの話しである。
普通は、映画であってもCMは細切れのように映画の中で放送されるのである。
これは実に煩わしい。
録画しているときでも、CMをカットする手間が面倒なのである。
ニューヨークにいたときの映画のテレビでの放映は、映画が始まる前と後に大量のCMが流されていた。
そうしないと、視聴者からクレームがつくのである。
さて、今回なぜこのことを書いたかというと、このTwellVでの放送はそれと全く同じで、映画放送中はCMがなかったのである。
これには感激した。TwellVは素晴らしいのぅ。映画でのCMのあり方はこうでなくっちゃ!
最後に、どうでも良いことだが、この映画の原題は「Dangerous Liaisons」。
このリエゾンってところが良いねぇ。本日はこれにてお仕舞い。
J・エドガーを観る
クリント・イーストウッドの映画が好きである。
特に晩年の監督作品が秀逸だとおいらは思う。
そこで今回は、J・エドガーを観てきた。
ご存知、初代FBIフーバー長官をモデルにした伝記映画である。しかし、そこは名人クリント・イーストウッド、ただの伝記映画にはしていない。
一言で云うと、えぐい。そういうJ・エドガー・フーバーに仕上げている。
では、この長い映画(上映時間138分)を観て何を感じるのか。
それはフーバーの述べる正義が歳を取ることによって独りよがりになっていくことなのか(それも病的に)、それとも悪を退治するためには、逆説的に悪が必要になっていくということなのか(これを世間では必要悪と呼ぶ)、まだ観ていない人のためには全てを話す訳にはいかないのだが、この作品はその問題を提起するものとして成功している。
おいらは思うのである。世の中を動かすタイプは2種類しかいない。
一つはパラノイアである。フーバーはこのタイプ。もう一つはアンシャン・レジームを破壊する英雄である。坂本龍馬はこのタイプ。
得てして、世の中を動かした傑物は後者だと思われがちだが、龍馬が描いたグランドデザインを明治に成って完成させたのは大久保利通というパラノイアである。
どっちが偉いのだろうか? この課題は、永遠に解けない謎である。
さて、80歳を過ぎても、32作目の映画監督作品を創ったクリント・イーストウッド。
芸術に年齢の壁はない。喝采。
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