~通過点~   

~通過点~   

介護


スーパーで友人のAちゃんと会った。

Aちゃんのお父さんは旅行先で倒れ、幸い命に別状はなかったけれど身体が不自由になってしまった。
今は、平日は病院でリハビリをして過ごし、週末は「外出許可」で家に戻る生活をしているそうだ。

一人娘であるAちゃんは、週末の帰宅に合わせながら仕事をし
介護をしているお母さんや家に戻ってくるお父さんのフォローをしている。
もちろん、家事・育児もしながら、である。
でもやっぱり疲れの色は隠せない。

私が
「Aちゃん、少しは息抜きしないと自分もダウンしちゃうよ。長い目でつきあわないと」と言うと、
「でもどうやって、いつ、息抜きすればいいのかわからないんだよね」とAちゃんは言った。

私の父の認知症発症の時期から間もない時期にAちゃんのお父さんが倒れたため、
何かとお互いに励ましあってきた。
でも私はAちゃんと違って一人娘じゃないし、実家のそばには姉が居る。
離れてる分だけ気持ちの切り替えも必要で、「できないことはできない」と
割り切るしかないときもある。
そうできる自分は考えてみれば幸せなモンで、そうできないAちゃんの気持ちの負担は計り知れないだろうと思うと胸が痛む。

「介護認定申請の結果を待っている」とAちゃんが言うので、暫定プランが立てられる話を教えた。
Aちゃんは知らなかったようだ。

「認定がおりるまでのこの時期は一番辛いとき。
それが過ぎると少しは気が楽になると思うよ。
ケアマネも自分で決めていいんだよ。
話を聞いてもらうと絶対気持ちが軽くなる。
もう少しだから、がんばって!!私もがんばるよ!!」

今はそんな気休めの言葉しか掛けてあげられないけど、
もっともっといろんなことを、きちんと話してあげられる自分になりたいと思った。


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