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本書はミステリー小説である。舞台は太平洋戦争中のビルマ。賀川少尉を隊長とする40名弱の小隊が、ビルマのヤムオイ村に入った。村に駐屯し、警備態勢に入った。重慶軍 (
中国軍 )
から自らと村を守るのだ。
その夜、賀川少尉が殺害された。翌々日の夜、村長が殺害された。殺害方法は二人とも同じだった。厠 (
かわや )
から出てきたところをダアという、日本でいうナタのようなもので喉を斬られていた。
杉山准尉は、賀川少尉はマラリアにやられたので病院に搬送したと兵隊と村人に説明。連隊に事実を報告した。
連隊から上條という副官がやって来て、隊長代理をするとともに、事件の解決に当たる。
本書の特徴は、犯人を特定するのに、工夫が見られることである。
副官は、通訳の依井、杉山と3人で、犯人の推理をする。考えられるのは、重慶軍、村人、そして兵隊である。三人は動機を怨恨とみた。
副官には気になっていることが3つあった。村長が死んだというのに、ただ埋められただけ。普通の村人の埋葬よりも簡単にすませている。また、土侯という村長を取りまとめている人物に連絡されていないこと。さらに、村長を助ける3人の助役の動きだ。3人はオーマサ、コマサ、イシマツと呼ばれた。
最後のなぞ解きは、通訳の依井が容疑者との対話を通じておこなう。これが従来のミステリーと違って斬新なところだ。
ただし、時代考証ができていない点が気になる。あまりにも日本軍が美化されている。
最後まで読みすすめると、『いくさの底』という題の意味がわかる、新しい形態のミステリーになっている。
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