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活字中毒患者でもある私ことバビル３世の読んだ本を紹介します。
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October 4, 2024
カテゴリ： 今日の一冊
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「知る」ことこそが「生きる」こと。研究対象は動植物、昆虫、キノコ、藻、粘菌から星座、男色、夢に至る、この世界の全て。博物学者か、生物学者か、民俗学者か、はたまた……。
慶応３年、南方熊楠は和歌山に生まれた。人並外れた好奇心で少年は山野を駆け巡り、動植物や昆虫を採集。百科事典を抜き書きしては、その内容を諳んじる。洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、広大無辺の自然と万巻の書物を教師とした。希みは学問で身をたてること、そしてこの世の全てを知り尽くすこと。しかし、商人の父にその想いはなかなか届かない。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡り学問を続けるも、在野を貫く熊楠の研究はなかなか陽の目を見ることがないのだった。世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢、学者としての栄光と最愛の息子との別離…。かつてない熊楠像で綴る、エモーショナルな歴史小説。
本書は、南方熊楠の評伝小説で、余人には計り知れない苦悩と熱い志、独自の理屈で織りなされる知の巨人、熊楠の世界を見事に具現化した作品。波乱万丈の生涯がとても鮮烈な印象を残す物語でもあり、淡々と一代記が描かれていますがインパクトある作品でした。
【満足度】 ★★★★
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