わすれな草 ~伝えたくて~
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私は、去年の夏にご主人様に買われてここに来た。私のご主人様は、背が高くてお仕事が忙しくて私のことを何でも知っている。私が、病気になったときには、ご主人様がよく看病してくれた。私のご主人様は、出張が多くて、いつも私を連れて行ってくれる「お前が居てくれて、いつも助かってるよ」私は、いつもご主人様の食事を用意する。ご主人様は、せっかちで「おっせーよ!早くしろよ!」よく、罵声を浴びせられた。でも、私は、ご主人様のいうことを聞くばかりだった。ある日、ご主人様は、私のことをうるさいと言った。私は、いつも通り、ご主人様を呼んだだけなのに・・・「お前みたいな、うるさいヤツはこうだ!」と、言うと、服を脱がされ・・・私のことを何でも知っているご主人様には敵わない、私は身動き一つも出来ず、されるがままだった。しばらく経っただろうか・・・・私は、声が出なくなっていた。一生懸命、叫んでも、悲鳴は空を切るばかりだった。以降、私は二度と、喋ることが出来なかった。食事の支度が出来ても、呼ぶことさえ出来ない私はその場で、ブ~ンと、唸るだけだった。「お前さぁ、最近あの電子レンジどうした? 全然ビーとも、プーとも鳴らないけど?」あぁ、あれか?本番中に、メシ食いたいときに、ピーピー鳴ったら困るじゃん?だから、ブザー回路切ったの。名付けて「サイレント・電子レンジ」これで、本番中も、安心してメシが食える。便利だろ?!「これじゃ、いつ暖まったか?解らないじゃん! それどころか、ボタンを押した時にさえ鳴らないから、不便だよ せめて、ランプでも付けて、出来たかどうか、解るように改造してくれよ!」改良の余地ありってか?しゃぁねぇなぁ・・・「てかさ、本番中に、メシなんか食うなよ!仕事なんだからさ!」私は、ご主人様を、呼んでた頃を懐かしく思った。
2008.01.15
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