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正月休みに、ついつい子どもにつられて見てしまった「のだめカンタービレ」
通称「のだめ」
プロを志すクラシック音楽家の卵達の喜びと苦悩とをおもしろおかしく描くテレビドラマ。
かつてはプロの演奏家を目指したものとしては、
やっぱり、とっても興味を惹かれてしまった。
先年のテレビドラマでヒットして、世間にクラシック音楽を身近にした、というものすごい効用をもたらした番組。
とくに、ガーシュインの「ラプソディー・イン・ブルー」やベートーベンの第7交響曲(通称ベトしち)なんて大ヒットしちゃって、クラシックに全然興味のなかった若い子たちに大人気。
正月特番としてパリでのロケもあったりで、
も~~~、時間の無駄!!と思いながらも、ついつい見てしまった。
この系統のドラマにしては、すごく技術指導なんかもしっかりしていて、
主人公の「のだめ」なんて、まさかリストの「超絶技巧」なんか弾けるわけいないし、
モーツァルトのソナタだって絶対弾けるわけないのに、
カメラワークの絶妙さに助けられて、まるで本当に弾いてるみたい。
玉木くんの指揮ぶりは、さすがにどう見てもヘンだったけど、
よく頑張って演じてた。
で、よくよくクレジットタイトルを見れば、
技術指導はN響(NHK交響楽団)の人気オーボイスト(オーボエ奏者)、茂木さん。
彼は、この世界では超有名人で、ヒットとなる著作も多数な人。
特に
『オーケストラ楽器別人間学』( 草思社 、1996年4月/ 新潮文庫 、2002年9月) は大ヒット。
めっちゃ、面白い本です。
さて、
一度は、プロの音楽家になろうと思った私としては、
とっても複雑な思いでドラマを見ました。
正直、
うらやましかった。
あれだけ、音楽に情熱を傾け、惜しみなく時間を捧げれることが。
あれは高校3年のこと。
友人で音楽が大好きでバイオリンで音大を目指してるヤツがいた。
かれは群馬でも有名は老舗の和菓子店の御曹司。
音楽の先生は、「跡を継げ」と彼に言っていたらしい。
残念だけれど、彼には音楽のセンスが、足りなかった。
その彼が、僕にこぼした。
「おれは音大には行けないかもしれない。でもなぁ、渡辺は音大に行けよ。おまえなら行けるよ。だって、オレが知ってるフルートで受験する連中より、おまえのほうがよっぽど上手いよ。絶対受かるよ」
その言葉はとっても魅力的だった。
高3の受験学年にもかかわらず、没頭すれば勉強そっちのけで5時間でも6時間でもフルートを吹き続けた。
信じがたいけど、当時は何時間吹いても全く疲れることがなかった。
今考えれば、あれはいいストレス解消だったんだろうケド・・・。
フルートで、音大に入り、海外留学し、コンクールでそこそこの成績を修めて、
プロのオケに入り、ゆくゆくはソロデビューして海外を遠征する。
楽しくて楽しくてしかたのない毎日・・・。
一度はそんな夢を見たこともある。
「のだめ」はそんななつかしい夢を思い出させてくれた。
・・・というより、
あまりに不用意に、思い出さされてしまった。
番組では、まさかまさか、あろうことか音楽を志すものの夢の聖地、Paris conservatoire(パリ高等音楽院)がロケ地にあったり・・・。
ドラマそのものは、オチャラケだったけど、
感動しっぱなし、でした。
で、決めました。
次に生まれるときには、音楽家になります。
現世の、この身の、この世では果たせなかった、もうひとつの夢を果たそう。。。