全7件 (7件中 1-7件目)
1
今日の早朝、ベランダでコーヒーを飲んでいると、目の前にあるセイタカアワダチソウの茎に何か極く小さな虫がくっ付いている。雰囲気からして、何となくハモグリバエ風。その時は、一寸事情があってその儘にしておいたのだが、4時間程経ってからベランダに一服しに行くと、まだ同じ所に留まっている。やはりこれは撮るべきであろう、と考えてカメラを持って来た。 マクロレンズで覗いてみると、翅に模様があり、お尻の先が出っ張っている。ハモグリバエの雌もお尻の先が出っ張っているが、翅に模様はない。模様があってお尻の先が飛び出しているのはミバエ(例えばツマホシケブカミバエ)である。しかし体長は約2.0mm、こんな小さなミバエが居るのだろうか??セイタカアワダチソウの茎に張り付いていたアワダチソウグンバイ展翅した様な格好、グンバイムシの後翅を見たのはこれが初めて体長は約2.0mm.約2倍の超接写(テレプラス使用)(写真クリックで拡大表示)(2010/09/17) 撮影した写真を拡大してみると・・・、何と、翅を開いた状態のグンバイムシであった。セイタカアワダチソウを始め、多くのキク科植物等に寄生する、アワダチソウグンバイ(Corythucha marmorata)である。 このアワダチソウグンバイ、実は3年も前に紹介済みだが、こんな展翅した様な格好で翅を開いたグンバイムシの写真はこれまで見たことがない。もう一つのWeblogでトサカグンバイの飛び出す瞬間を紹介したことがあるが、それは横から撮った写真で、背面からではない。同じ種類は重複掲載しないのがこのWeblogの基本方針だが、こう云う「珍しい」格好であれば、また別である。既に御臨終であった.右の触角が折れている後に見える棒状のものは後翅(写真クリックで拡大表示)(2010/09/17) 翅を開いたまま、ジッとしている。生気が無く、何となく御臨終という感じ。撮影が終わってから、草の茎で一寸突いてみたら、翅を開いたままの格好でポトリと落下した。やはり既に御臨終であったのだ。 このグンバイムシ、雄か雌か良く分からない(何となく雄の様な気がするが・・・)が、雌だとすると、卵を産み終わって天寿を全うした可能性が高い。もし、そうであれば、今後アワダチソウグンバイが大発生する可能性もある・・・。しかし、まァ、そうなれば、アワダチソウグンバイの成長過程が紹介出来る訳で、暫くはネタ切れの心配が無くなり、それはそれでまた大いに結構。もし、数が多過ぎたら適当に処分すればよい。 尚、アワダチソウグンバイは在来種ではない。新大陸原産の外来昆虫で、平成11年に兵庫県西宮市で始めて確認され、次第に北上して数年前から関東地方にも進出し始めたとのこと。キク科以外の植物にも寄生するので、要注意の害虫である。
2010.09.17
コメント(7)
先日、等倍以上の接写をする方法を羅列したとき、1つだけ書き忘れたやり方がある。コンバージョンレンズを使う方法である。 コンバージョンレンズとは、カメラに付いているレンズに装着することによりそのレンズの焦点距離を変更する簡単なレンズで、普通は焦点距離を長くする為に使用する。カメラ・メーカーから出ている場合もあるが、昔からケンコーのテレプラスが有名である。 これは、お金がなくて値段の高い長焦点レンズが買えない、極く稀にしか長焦点を必要としない、或いは、全体の重量を軽くしたい場合等に使う方法で、私も40年前のビンボー学生時代に使ってみたことがある。しかし、解像力の低下が甚だしく、コンバージョンレンズを付けないで撮った写真の部分拡大と大して変わらなかったので、その後「無用の短物」として頭から消えていたのである。 しかし、このコンバージョンレンズを接写に使えば撮影倍率を上げることが出来る。焦点距離を2倍にするコンバージョンレンズの場合、画角は1/2になっても撮影最短距離は変わらないので、撮影倍率は2倍になるのである。また、この方法では被写体と焦点面の距離が長くなるので、巧く行けば、内臓ストロボでもケラレが生じることなく、外付けストロボとディフューザーを必要としないかも知れない。これは撮影の簡便性にとって重要なことである。 先日、どうせ解像力が落ちるだろうと思って考慮外にしていたクローズアップレンズを使って良い結果を得た。其処で2匹目の泥鰌を狙って、コンバージョンレンズも買ってみた。値段はクローズアップレンズの5倍位するが、まァ、1万円を少し超える程度だから、もし巧く行かなくても大した痛手にはならない。ナシグンバイ.我が家のサンザシ、ボケ等にジンダイな被害を与える翅端まで3.3mm、小さなステンドグラスの様な虫である(2008/07/01) 上は2倍のコンバージョンレンズを使って撮った写真である。ナシグンバイの大きさは翅端まで約3.3mm、以前撮った写真や、その後ギリギリまで拡大して掲載したアワダチソウグンバイの写真と較べると、かなり解像力が上がっている。横から見たナシグンバイ.背中の突起が印象的、眼は一寸異様(2008/07/01) これに使ったカメラとレンズは、クローズアップレンズを付けて巧く行った方ではなく、此処約2年間、このWeblogの写真を撮るために使っていたカメラとレンズである。 クローズアップレンズで巧く行った方の組み合わせでは、クローズアップレンズで2倍、あわよくばコンバージョンレンズで更に2倍、合わせて4倍を狙ったのだが、欲張りは失敗の元、全然駄目でクローズアップレンズを外しても解像力の低下が甚だしく、全く使いものにならなかった。それでも、マクロレンズではない普通の望遠ズームでは解像力の低下は余りなく、マズマズの成績を修めた。レンズの相性により、随分異なる結果が出るものである。正面から見ると疫病神みたいな顔!! 背中の突起に毛が生えている(2008/07/01) 残念ながら、このカメラとレンズでは等倍(コンバージョンレンズを付けて2倍)まで鏡筒を伸ばすと、内臓ストロボがけられてしまう。内蔵ストロボで撮るには、その少し手前(レンズの距離目盛り0.31m)で我慢せねばならず、画面横幅の実寸法14.5mm、拡大率は約1.63倍となる。もう一方のシステムの拡大率1.86倍と較べると少し低いが、外付けストロボとディフューザーを使わなくて済む利便性は大きい。 しかし、クローズアップレンズの方は、横幅4672ピクセルのボディーが使える。これに対し、コンバージョンレンズの方は3872ピクセルなので、実質的な倍率には更に差が付くことになる。この両者の比較は、近日中に紹介したいと思っている。
2008.07.03
コメント(10)
6月の末にアワダチソウグンバイの所で述べた危惧が現実のものとなってしまった。 一昨日、街路樹として植えられている近くのプラタナスの葉裏に、小さな黒点が無数について居るのを見付けた。もう少し大きな白っぽい斑点も沢山付いている。 プラタナスグンバイに違いない。小さな黒点は糞と幼虫、白っぽい斑点の方は成虫であろう。プラタナスグンバイ.翅端まで3.3mm.以下倍率は総て同じ(ピクセル1/2倍)(2007/09/01) 早速我が家に戻って、玄関の前にあるプラタナスを調べてみた。樹冠部の葉にはまだ黒斑は認められなかったが、下の方から出ている枝を精査すると、若葉の葉裏にプラタナスグンバイの成虫数頭と微小な砂を撒いた様な幼虫の集団を見付けた。 このプラタナスグンバイ、「我が家の庭」からは2m程逸脱した街路樹に居る訳だが、まァ、それ程厳密にすることもあるまい、「我が家の庭の生き物たち」として紹介することにした。プラタナスグンバイ.ガラスの様な外骨格.時に壊れていることがある(2007/09/01) もう少し広く町の中に植えられているプラタナスを調べてみた。他の樹から離れて1本だけ植わっている場合には、まだ寄生されていない樹もあったが、殆どの樹はかなり酷くプラタナスグンバイにやられていた。正面からみたプラタナスグンバイ.兜の様な構造の下に頭がある(2007/09/01) プラタナスグンバイは北米原産の外来昆虫で、プラタナスの葉から汁を吸って葉表を白く変色させ、葉裏には無数の微小な黒斑(糞)を付ける。平成13年に名古屋で最初に見つかり、その2年後の平成15年には東京でも確認されたとのこと。アワダチソウグンバイと並んで、我が国で猛威を振るっている外国産グンバイムシである。プラタナスグンバイの幼虫.中央は終齢.棘の様なものはプラタナスの毛(2007/09/01) しかし、プラタナスグンバイに拠る被害は、葉を変色させ、酷い場合には落葉させる程度なのだろうか。プラタナスは街路樹として植えられることが多いので、景観を損なうのは確かである。それ以上に、樹が枯れたりすることがあるのだろうか。・・・調べた範囲では、枯れたと言う話は無かった。葉裏にかたまるプラタナスグンバイの若齢幼虫(2007/09/02) また、グンバイムシの様な吸汁性昆虫は、ウィルス病を媒介することが多い。しかし、このプラタナスグンバイは別段その様な悪さはしない様である。 ・・・と言うことは、騒がれている割りに実害は大したことない、と言うことか・・・。 外国産と言うのが一寸気になるものの、こう言う「害虫」に対して、如何なる態度を採るべきなのだろうか?
2007.09.03
コメント(7)
我が家の庭にいるグンバイムシは、ナシグンバイとツツジグンバイ位と思っていたら、先日、「北米産シオンの1種」の葉上にかなり小さいグンバイムシが止まっているのに気が付いた。 写真を撮ってコムピュータに移して拡大して見ると、縁に飾りが付いている。手元の図鑑を当たってみたが、該当する種類はいない。そこで、Internetで調べると、アワダチソウグンバイと言う中南米原産の外来種に酷似することが分かった。アワダチソウ類(Solidago属)と「シオンの1種」(Aster属)では属が異なるが、同じキク科コンギク族だし、また、この虫はかなり広い範囲に亘ってキク科の植物に付くらしいので、アワダチソウグンバイとして良いであろう。アワダチソウグンバイ.翅端まで3.0mm強ツツジグンバイよりも小さい(2007/06/04) 「シオンの1種」を良く見てみると、確かに葉に白い斑点がポツポツ付いている。どうもこう言う変化を見落とす様では、庭の管理人失格である。反省、反省・・・。直ちに、オルトラン粒剤を撒いた。アワダチソウグンバイ.触角の先端に疎らに毛がある(2007/06/04) 少し経ってから、「シオンの1種」の葉先が茶色に枯れてきた。この「シオンの1種」、実は2鉢あるだが、昨年はその内の1鉢の上半部が夏を過ぎた頃に茶色に枯れてしまった。原因は分からなかったが、或いは、このアワダチソウグンバイの仕業だったのかも知れない。上の写真には無い頭部が見えている.頭を出したり引っ込めたり出来るらしい(2007/06/04) アワダチソウグンバイは平成11年に兵庫県西宮市で始めて確認され、次第に北上して2年程前から関東地方にも現れ始めたと言う。グンバイムシの外来種では、他にプラタナスグンバイと言うのがおり、これは平成13年に名古屋で見つかった後次第に分布を拡大し、その2年後の平成15年には東京でも確認されたとのこと。 我が家の前には街路樹としてプラタナスのかなり大きい木が数本植えられている。今のところ、まだ、葉は青々としていてグンバイムシが付いた気配は無いが、その内、プラタナスグンバイがそこから我が家へ飛んでくる日が来るかも知れない。
2007.06.25
コメント(1)
もうかなり前の話になるが、何時ものベランダの椅子で一服していると、その直ぐ右側に伸びて来ているナンテンの葉上にグンバイムシが一匹止まった。 今年の春からは、横にあるテーブルの上にカメラを常駐させている。直ちにそれを引っ掴んで撮ったのが下の写真。ツツジグンバイであった。ツツジグンバイ.グンバイムシは厄介な害虫だが英語でLace bugと呼ばれるだけあって中々美しい(2007/05/09) まァ、園芸家と言うほど大袈裟ではないが、一応庭の管理をしている者にとって、家にツツジグンバイが居ると言うのは、管理不行き届きの証の様でもあり、決して名誉なことではない。 我が家には、ツツジ類が各種15株ほどある。しかし、ツツジグンバイが付くのはアザレアのみで、日本のツツジやサツキには全く付いて居ない。アザレアは4~5株有り、何れもグンバイムシにやられて葉が白くなっている。始めは何か病気に罹っているのだろうと思っていたが、葉裏を見てみたらグンバイムシが居た。 アザレアの鉢はベランダに置いてあり、此処はヤブ蚊を追い払うために屡々アースジェットを噴霧している。しかし、グンバイムシはその程度では死なないらしい。昨年末、遂にアザレアの1鉢が枯れてしまったので、今年からは、オルトラン粒剤を撒いて徹底駆除を期している。ツツジグンバイ.触角の先に疎らに毛が生えている(2007/05/09) しかし、このツツジグンバイ、何故本来付く筈のツツジやサツキに付かないで、洋行帰りのアザレアにのみ付くのか? 一方で、本来ウメに付くはずのウメスカシクロバは、ウメではなくツルバラにのみ発生する。 中国の古い言い伝えでは、服装が華美を極め、男が女装し、この種の異変が頻発するのは、彗星の出現と並んで、王朝の滅亡、動乱の始まりの前兆とされている。今年は日中でも見えたという大彗星が現われたし、様々な異変は全世界的に起こっている。滅亡するのは、一王朝だけでは済まされまい。
2007.06.06
コメント(1)
先日掲載したイチモンジセセリのところで、グンバイムシが何処かで悪さをしているらしいと書いたが、その「悪さ」が判明した。 以前から、夏も終わりに近づくころになるとボケが葉を落とすのが気になっていた。葉裏に黒い点々を生じ、徐々に葉が少なくなってくる。何かの病気に罹っているのだと思っていたら、実にこれが我が家に多産するグンバイムシの仕業だったのである。ボケの葉裏に集るナシグンバイ.こうして見ると黒い点々は如何にも糞という感じがする(2006/09/22) 我ながら不明を恥じることしきりだが、黒い点々はグンバイムシの糞だそうだ。肉眼では良く分からないが、写真で見れば明らかに植物から出たものではないことが分かる。 この点々の間にグンバイムシがいると、その模様が周りに溶け込んで、虫がいることに気が付かない。葉が弱って枯れ始めた様な場合(下の写真)などは尚更である。ボケの葉裏に集るナシグンバイ.葉の一部が腐り始めている(2006/09/22) ボケの他に、サンザシ、ハナカイドウもやられている。バラ科のリンゴ(Malus)属に近い種類に付くグンバイムシだと思ってインターネットで調べてみると、どうやらナシグンバイという種らしい。 保育社の原色日本昆虫図鑑を見たらチャンと出ていた。形態に関する記述は殆ど書かれていないので確実なことは言えないが、少なくとも写真はソックリである。ナシグンバイとしてよいだろう。 実は見つけたのはボケではなくサンザシのごく若い葉の裏であった。まだ葉に黒い点々が殆ど付いていないので、グンバイムシの模様が保護色?にならず、そのまま見えた。サンザシの若い葉に付いたナシグンバイ.黒い糞の点々がまだ殆ど無いので虫の存在が目立つ(2006/09/22) こんなWeblogを開設しても何の利益にもならないと思っていたが、グンバイムシによる被害が判明したのはこのWeblogのおかげと言える。楽天に感謝せねばならない。追記:投稿時においては「ナシグンバイムシ」となっていたが、「ムシ」を付けない「ナシグンバイ」が標準和名の様なので、名称を変更した(2007/06/25)。
2006.09.22
コメント(0)
ついにマクロレンズを買ってしまった。昨年まで使っていた銀塩カメラはマクロレンズを標準レンズとして使用していたので、デジタルカメラ用の標準ズームレンズでは拡大率が些か物足りない。 今度のレンズは100mmだから、少し離れて撮ることが出来、大変使い勝手がよい。しかも、今のマクロレンズは昔のものとは異なり、接写リングなしで等倍まで拡大出来る。 等倍と言うのはかなり凄いもので、今まで撮影の対象にならなかったものまで写真になる。そこで、早速ガンバって、そこらをフラフラ飛んでいる変な虫を撮ってみた。 体長約3mm。流石にマクロレンズでも手持ちの等倍ではアンシャープを強くかけないと絵にならない。ホサキナナカマドの葉にとまっているグンバイムシの一種.少しアンシャープのかけ過ぎ(2006/09/14) 肉眼では何だか分からない虫だったが、撮ってみるとグンバイムシの一種だ。サツキに付くグンバイムシ(ツツジグンバイムシと言うらしい)はもう少し大きく、肉眼でもグンバイムシであることが分かる。しかし、何時も目の前をフワフワ飛んでいるこの変な小さい虫がグンバイムシであったとは、我ながら自分の無知を思い知らされた。上と同じ個体.これも少しアンシャープのかけ過ぎ(2006/09/14) マクロレンズのおかげで被写体が増えただけでなく、これからはマクロレンズで「新発見」する楽しみも増えたと言える。
2006.09.14
コメント(1)
全7件 (7件中 1-7件目)
1