2004/02/04
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(3日からの続きです)

「いいか、バイクってもんは、センスだ」
シャイであまり言葉のうまくなかった教官は、
落ち込む私をなぐさめようとして、こう言い放ちました。
「顔を見れば乗れるヤツか乗れないヤツかはすぐわかる」
「…」
「体格のせいにするな。お前より小さい女でも大型取ったのはいくらでもいる」
「だがお前は一生かかっても、大型免許は無理だ」
「……!」
教官の代わりに説明すると、
masazuu55にはからきしセンスがないが、
大型なんて分不相応な夢を見なければ、中型まではきっとなんとかなる!
こうおっしゃってくださったのですね。

教官の言葉は、ショボくれていたmasazuu55の闘志に火をつけました(なんでじゃ)。
誰がこの娘にバイクの免許を取れと言ったのでしょう?
誰も言っていません(笑)。
免許を取れたら何かもらえるのでしょうか?
いえ、補習費用のローンがあるだけです。
しかし入所数ヶ月目にして小型ホルダーを目指すことになった私は、
生まれ変わった気持ちで踏ん張りました。
ギアを焦って踏みすぎて、何速で走っているのかサッパリわからない。
交差点の前で減速し、後方確認をするたびにエンスト。
坂道発進はほとんど足で上り、一本橋は反則ギリギリのスピードで渡りきる。
こうしてmasazuu55は、まるで奇跡のように卒験に合格を果たしたのでした。

卒験の翌日、仕事を終えてから試験結果を見に教習所へ赴くと、
受付の女性から顔も知らない教官まで、みんなが笑顔で迎えてくれました。
受講者の少ない田舎の教習所のこと。
ヘルメットを片手にいつまでもいつまでも通い続ける私は、
所内でかなり知られた存在だったのでしょう。
そのとき初めて、思いもかけず多くの人の応援を受けていたことに気付き、
ううッと目頭が熱くなりました。

小太りな天使も、はにかんだ笑い顔です。
「先生、わたし本当に卒業してもいいんでしょうか?」
いい加減、出て行ってくれないと困りますね。
「よかったな」
と声には出しませんでしたが、教官の気持ちが私には伝わりました。

ナミダ涙の卒業式を経て、私の教習所人生は幕を閉じました。
私が普通の人の3倍以上の大金を払って教習所で得たものは、
小型バイク(125cc以下)の免許証と、大型ホルダーへの畏敬の念でした。
というのも、教官がことあるごとに私に言って聞かせたからです。
「いいか、小型と中型の免許は大差ない。この2つは誰だって取れる。
だけど大型は違うぞ。大型のバイクは、もしものことがあったら必ず命を落とす。
しかも他人を巻き込んでだ。
だから人間ができていないと運転できない。扱うべきじゃない。
オレは、技術があっても性格に問題があるヤツには大型免許は取らせないようにしてる。
お前から見たら、大型持ってるヤツは雲の上みたいなもんだ」
「雲の上…!」

当時すべての自信を失い、マインドコントロールが容易だった私の中に、
こうして「大型ホルダー=天上人」という図式ができあがりました。
完璧な刷り込み(心理用語)。
そしてこれが数ヵ月後、運命の出会い(笑)へと発展する布石となるのです。

(あと少しだけ続く)

※4日と5日は群馬と長野に泊まりで出張です。続きはまた!





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最終更新日  2004/02/04 12:01:58 AM
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