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1993年 モンテカルロラリー ー 王者の誇りと挑戦者たちの意地
(2025/3/12記事再構成)
1993年1月、フランスの雪と氷に包まれた山岳地帯で、WRCの開幕戦となるモンテカルロラリーが幕を開けた。このラリーは、ただのシーズン開幕戦ではない。ここで勝つことは、シーズンの勢力図を占うだけでなく、ドライバーとチームの威信をかけた戦いでもあった。
トヨタの挑戦 – 王者へと駆け上がる道
トヨタ・セリカ GT-FOUR ST185を駆るのは、ディディエ・オリオール。前年のタイトル争いで3位、惜しくも敗れたフランス人は、ここモナコの地で雪辱を果たそうとしていた。トヨタは万全の体制を整え、オリオールに最高のマシンを託した。もう一台はフライング・フィンのベテラン、ユハ・カンクネン。
セリカGT-FOURは4WDターボのモンスター。低温の氷上でも優れたトラクション性能を発揮し、オリオールは確実にステージを制していく。しかし、そこにはライバルたちの強烈なプレッシャーがあった。
オリオールは果敢な攻めで勝利を獲得、カンクネンは手堅く5位でフィニッシュさせた。
ランチア – 王座を守れるか
長年WRCを支配してきたランチア・デルタHFインテグラーレ。しかし、この1993年シーズンをもって、ランチアはワークス活動から撤退することが決まっていた。1992年までプライベートチームのマルティニ・レーシングがランチアから支援を受け走らせていたが、この年は支援が無くジョリー・クラブがランチアチームを運営。ワークス体制とは異なり、サポート体制に不安が残る。
このモンテカルロラリーでは、ランチアのエース、カルロス・サインツがセリカではなくデルタを駆ることとなった。2代目はアンドレア・アギーニがドライブ。しかし、メーカーの主な開発は1992年までで終了しており、今年は戦力的には厳しく、トヨタとフォードの攻勢を受ける形となる。結局サインツは15分ものペナルティもあり14位、アンドレア・アギーニはアクシデントによりリタイヤとなった。
フォード – 野心を燃やす新星コスワース
フォードは新たにエスコートRSコスワースを投入。ミキ・ビアシオンとフランソワ・デルクールがステアリングを握った。ターボ付き2WDから4WDへと移行したフォードは、未だ発展途上ではあったが、特にデルクールは攻めの走りを見せ、モンテカルロのアイスバーンを切り裂く走りを披露する。
オリオールを僅差でとらえることはかなわず、デルクール2位、ビアシオン3位でフィニッシュ。
三菱 – ランサーエボリューションの投入
三菱は昨年までギャランVR-4で参戦していたが、1993年のモンテカルロラリーからは、三菱・ランサーエボリューションIのを投入、WRCデビュー戦となりました。ドライバーはケネス・エリクソンとアルミン・シュワルツ。雪と氷のミックス路面で、新型エボリューションは高いポテンシャルを発揮し、エリクソンが4位、シュワルツが6位でフィニッシュ。デビュー戦ながら堅実な結果を残し、三菱の新時代の幕開けを告げる一戦となりました。この結果は、ランエボの成功への第一歩となったのです。
極限の戦い – 勝者はただひとり
レース終盤、オリオールとデルクールの戦いが激化する。モンテカルロ特有の変わりやすいコンディションの中、トヨタのセリカは安定したグリップを見せ、オリオールがリードを広げていく。
最後のステージ。デルクールは猛追するも、雪の残るコーナーでわずかにラインを外し、タイムロス。オリオールがその隙を見逃さず、見事なドライビングでゴールへと飛び込んだ。
1993年の覇者 – ディディエ・オリオール
優勝はディディエ・オリオール。これにより、トヨタはモンテカルロの頂点に立ち、シーズンを好調な形でスタートさせる。
このモンテカルロラリーは、トヨタが王座に向けて歩みを進めた象徴的なレースであり、WRC史に刻まれる名勝負となった。
結果
1993年 WRC第1戦
第61回ラリー オートモービル モンテ-カルロ 1993
開催日:1993年1月21日~1月27日
開催地:モナコ
路面:ターマック及びスノー
SS距離:593.62km
総走行距離:3086km
1位#3 Auriol Didier - Occelli Bernard Toyota Celica Turbo 4WD (ST185)
Toyota Castrol Team
クラス:A8 M
総所要時間:6:13:43
平均速度:95.3km/h
2位#6 Delecour François - Grataloup Daniel Ford Escort RS Cosworth
Ford Motor Co. Ltd.
クラス:A8 M
総所要時間:6:13:58
トップから:+15
一つ上位より:+15
平均速度:95.2km/h
トップからの遅れ:0.03s/km
3位#2 Biasion Miki - Siviero Tiziano Ford Escort RS Cosworth
Ford Motor Co. Ltd.
クラス:A8 M
総所要時間:6:16:59
トップから:+3:16
一つ上位より+3:01
平均速度:94.5km/h
トップからの遅れ:0.33s/km
4位#8 Eriksson Kenneth - Parmander Staffan Mitsubishi Lancer Evo I
Mitsubishi Ralliart
クラス:A8 M
総所要時間:6:31:30 ペナルティ1:00
トップから:+17:47
一つ上位より:+14:31
平均速度:91.0km/h
トップからの遅れ:1.80s/km
5位#7 Kankkunen Juha - Piironen Juha Toyota Celica Turbo 4WD (ST185)
Toyota Castrol Team
クラス:A8 M
総所要時間:6:32:43
トップから:+19:00
一つ上位より:+1:13
平均速度:90.7km/h
トップからの遅れ:1.92s/km
6位#4 Schwarz Armin - Grist Nicky Mitsubishi Lancer Evo I
Mitsubishi Ralliart
クラス:A8 M
総所要時間:6:39:45
トップから:+26:02
一つ上位より:+7:02
平均速度:89.1km/h
トップからの遅れ:2.63s/km
7位#15 Burri Olivier - Hofmann Christophe Ford Sierra RS Cosworth 4x4
―
クラスA8
総所要時間:6:51:03
トップから:+37:20
一つ上位より:+11:18
平均速度:86.6km/h
トップからの遅れ:3.77
8位#10 Thiry Bruno - Prévot Stéphane Opel Astra GSi 16V
Opel Team Belgium
クラス:A7
総所要時間:6:54:08 ペナルティ
0:30
トップから:+40:25
一つ上位より:+3:05
平均速度:86.0km/h
トップからの遅れ:4.09s/km
9位#16 Spiliotis Christophe - Thibaud Hervé Lancia Delta HF Integrale
―
クラス:N4
総所要時間:6:56:24 ペナルティ
1:30
トップから:+42:41
一つ上位より:+2:16
平均速度:85.5km/h
トップからの遅れ:4.31s/km
10位#29 Serpaggi Jean-Baptiste - Serpaggi Francis Ford Escort RS Cosworth
―
クラス:N4
総所要時間:6:57:58
トップから:+44:15
一つ上位より:+1:34
平均速度:85.2km/h
トップからの遅れ:4.47s/km
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