270219
INTRO 3 ―コレクター 山本冬彦が選ぶ若手作家展― (2/17~3/1) @ The Artcomplex Center of Tokyo, ACT 5 (大京町)
(12人展。キューピー人形の顔を変容させたようなキャラが茫然といる、デザイン性の高い小品がおもしろい。丁子紅子さんの描く女性たちは、あとをひく冷たさ。じつは、優しさを包みこんだ冷たさか。奥村彰一さんが冬彦軍団にも加わった。立澤香織さん、今回はフォレストでの個展と時期が重なり忙しすぎたか、作品がやや平板だ。)
270212
アントワーヌ・アンリ展 Antoine Henry Exhibition (2/9~27) @ 靖山画廊 (銀座五丁目)
(油画だが木版画の味がする。下塗りのあと、厚塗りの絵具で均一な色面をつくり、色と色の境界線は絵具を削って下塗りの地の色を出す。色面は厚塗りといっても平滑ではなく、ベルベットのような質感。「微笑」と題した花の絵の、赤い葉が唇の形をしてるのが洒落ていた。昭和36年生まれの物静かなアンリ氏は、30代に大阪のファッション専門学校で教鞭をとっていたこともある。)
270209
Helena Helfrecht/Luisa Catucci/Marta Sklodowska 作品展 There is strong shadow where there is much light ― Tales from Europe with love (2/9~28) @ ヴァニラ画廊 展示室B (銀座八丁目)
(マルタ・スクウォドフスカさんの写真作品 "Baba Yaga - Frozen Lake 10" を購入 (kvindek mil sepcent)
。彼女自身がモデルとなり湖面の氷とともに。彼女をモデルにした光の聖女のような写真を1点もっているので、2点あわせてマイコレ展で展示したい。)
270209
Line in the sand: Paul Davis (2/6~28) @ ギンザ・グラフィック・ギャラリー (銀座七丁目)
(昭和37年生まれの英国人ポール・デイヴィス氏の作品は、絵と言葉のどちらが主でも従でもなく、線と色のどちらが主でも従でもなく、脳が命じるままに表現の最前線を滑走している。)
270206
第18回 文化庁メディア藝術祭 (2/4~15) @ 国立新美術館 企画展示室2E
(「のらもじ発見プロジェクト」の展示がおもしろい。街角の店舗看板のカタカナやひらがなを拾って、その形態特徴を分析して50音すべてのカタカナ・ひらがなをつくりフォント化するもの。以前、ギンザ グラフィック ギャラリーでもパネル展示を見たが、今回は街角の店舗の投影写真の看板文字をインタラクティブにキーボード操作で別の文字に変えて遊べる仕掛けも作った。アニメは、Anna Budanova作 “The Wound” (ロシア語原題は“Obida”[恥辱、恨])
、Santiago Grasso作 “Padre” (制作に3年かけた12分のパペットアニメ)
、Jean-Charles Mbotti Malolo作 “The Sense of Touch” を見た。)
270205
前澤妙子展 ―Notre-Demoiselle― (2/4~15) @ Shonandai MY Gallery (六本木七丁目)
(DMを見て びびっと来ていたのだが、人物の顔を鉛筆でグラデーションした感じが藤田嗣治を思わせて、さらにビビッ。パリで修行したときに日本にない画材も使って制作した作品と聞き、DM作品の "cherry blossoms Notre-Demoiselle" を購入 (kvindek du mil)
。マイコレ展に出すなら2作品並べたいなぁと、他の人物画もいろいろ眺めていたが、気に入らないところがある。1点だけ、異形の怪物が析出しつつあるかのような謎の作品があり、「えーい、ままよ」と購入。"shi-shi" (tridek ok mil)
。)
270202
奥井香る良 (おくい・かるら)
銅版画展 (1/26~2/7) @ 十一月画廊 (銀座七丁目)
(シロタ画廊で版画脳をちくちくされた後に来たためか、奥井さんが紡ぐ少女の世界にすっと入り込んだ。背景の彩色センスもいい。なんとなく、ぼくの上の娘を感じさせる「部屋のなか」 (sep mil kvincent)
と「アンテナ」 (dek kvin mil kvincent)
を購入。十一月画廊での初購入だ。)
270202 日本版画協会準会員受賞者
第82回版画展受賞者展 (2/2~14) @ シロタ画廊 (銀座七丁目)
(準会員最優秀賞の山田彩加さんは昭和60年、今治市生まれ。銅版画タッチのモノクロリトグラフで、女性像に時計仕掛けや植物の細密モチーフを組み合わせた見ごたえのある作品を作る。東京藝大油画卒、版画 院修了後、パリの Ecole nationale superieure des Beaux-Arts de Paris を経て、平成26年に東京藝大で博士号(美術)取得。準会員優秀賞の高尾ふき子さんは昭和37年生まれで、象の頭部を思い切り接写した大画面をエッチングで彫りあげた。写実でありながら想像をかきたててやまない。武蔵美短大卒から20年を経て武蔵美通信教育で版画を習得。たゆまぬ努力に敬服する。)
270202
2015 Switch Art 展 (2/2~28) @ Art 石 Gallery (銀座一丁目)
(グループ展に、多摩美版画 院修了の玉木久也さんが出展。楽器蟲たちは手彩色されて一段とよくなったのだが、例によって図上の英語に間違いがあり、どっと白ける。中途半端な誤記をするくらいなら文字は書くなと作家本人に前から言っているのだが、相変わらずだ。嗚呼! 文字が入ってなければ買ったのにね。)
270130
My Sweet Seoul (1/24~2/21) @ 木之庄企畫 (八重洲二丁目)
(韓国の若い作家の3人展。うち、Jin Hyo-seonさんに注目した。小さいときに父をなくした彼女が紡ぐ家族の肖像は、女性たちの頭部が巨大な飴玉で、男性は人物写実だったりシンプソン家のパパだったりダースベイダーだったり。しっかりした写実の腕前によって立ちつつ、しっかりと自分ならではのモチーフを展開している。)
270115
下田ひかり個展 やがてゼロに至る黙示録 (1/14~2/1) @ The Artcomplex Center of Tokyo, B1F (大京町)
(下田さんは3年ほど前に作風が一変して、呆然としたキャラたちが丸く大きな目をカラーインディケーターのように光らせている。これが、崩壊後の世界を見る人類を象徴しているのだと、今回の個展で自分なりに解釈できた。モトヒロヒトさんの震災・津波後の崩壊家屋写真とぶつけた企画は秀逸。ところでしかし、ぼくはやはり、平成22年ごろの羊さんの目をした柔和なキャラの下田ひかりワールドが好きだ。展示冒頭の「キャラクターのお葬式」は かつてGallery Trinityで見たが、「欲しいな」と思った。売約済だった。)
270113
角 文平 (かど・ぶんぺい)
展 植物園 (1/12~24) @ Galerie SOL (銀座一丁目)
(廃物としての木製の熊の置物や椅子、ラケット、小物棚、額縁などに、鉄・鉛製の長い茎と葉を植え、あるいは枝ぶりを接合させる。不要となった木製品が再び木として土に立っていたころの記憶をとりもどすというコンセプト。昭和53年生まれ、静岡大物質工学科中退、多摩美工業デザイン金工卒、Cite international des arts (パリ)
で学んだ。)
270108
ACTアート大賞展 ACT Art Award 2015 (1/5~11) @ The Artcomplex Center of Tokyo, B1F + 2F(全館) (大京町)
(大倉なな「咀嚼音と平穏な日」が、ぼくのイチ推し。)
270107
2015 New Year space2*3 取り扱い作家小品展 (1/6~25) @ space 2*3 (日本橋本町一丁目)
(小山久美子さんのサムホール判ペア作品「阿」「吽」は、疾風の電柱の変圧器に犬が坐して対峙する図。さすが。売れてなければ、欲しかった。青木香保里さんの蝶の墨絵もすがすがしい。)