徒然

徒然

2012.05.17
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昔、国語の授業で「徒然草」の一節を習いました。

その中に、木登りを終え、まさに木から降りんとする弟子に、師匠が「気をつけろ」と言う話があったことをなんとなくこの頃思い出しました。

普通なら、登り始めや頂上にいる時にこそ「気をつけろ」と言うところが、師匠はもう無事に降りられそうなところで、あえて注意しました。

それだけの話でした。

どんなことでも、初めは緊張して慎重になるものですが、場数を踏んで安心が生じると、初心を忘れることがあります。

経験不足よりも、慣れと慢心から来る失敗の方が怖いものです。

人間も、例えば新入社員なら、初仕事を控えて緊張感が高まった時期には風邪も引きにくいし、あらゆることに注意力が高まっていて、人間的に堕落すること、つまり「木から落ちること」はあまり起こりません。

しかし、いざ「新入」という冠が取れてくる順境の時期を手に入れると、何の障害もないはずが、自滅していく人は少なくありません。

何でもそうだと思いますが、

「期限に間に合えばいい」
「上司に怒られなければいい」
「ばれなければいい」

という当たり前のレベルが目標になったら、仕事は恐ろしくレベルの低い自己満足のものしかできないでしょう。

「山中の賊を討つのは易く、心中の賊を討つのは難し」

と言うように、目に見える外的な「敵」を打ち破るのはできたとしても、自分の心をごまかすのは簡単で、ついつい甘えを許し、いつしか自分の怠慢に叩きのめされて惨めな気分を味わうこともあります。

慣れ、親しみ、「自分はこれが得意だ」と思い始めた時が、既に衰退の始まりですね。万事、心して臨みたいものです。

徒然草の話はいわば

「四○○キロの道なら、三六○キロの地点が半分だ」

と言っています。

常識的にも物理的にも、そういう言い方はおかしいかもしれませんが、目標達成の面から言えば、やはり真理を含んだ言葉だと改めて感じます。

せっかく努力したことは最後で手は抜けませんね。 緊張が解けようとするまさにその時、そこが一番危ないもの。

普通の人よりも遅めに「半分」を設定し、自分の緊張感を今一歩高めるよう、心掛けましょう。





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最終更新日  2012.05.17 22:31:37
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