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先日13日の朝日新聞のオピニオン欄に
インタビュー記事を掲載して頂いた。
趣旨は、以下のような感じであった。
【高校が過疎を救う】
●冬の日本海は荒れて船も欠航になる。離島は大変では?
ここは自然が本当に豊かです。その反面、本土との船は
一日数往復しかないなど、圧倒的に不便。
ないものはなく、リソースも限られます。
でも、それが人をたくましく育てる場として良いのです。
忍耐力や協働力がつくし、限られた資源をうまく活用する力も鍛えられる。
●全国で毎年、かなりの数の高校が消える中、島前高校の学級増は異例では?
全国から意欲ある生徒を募集する『島留学』の効果です。
今年は約60人が入学し、念願の2クラスになりました。
3分の2が島前(海士町、西ノ島、知夫里島)の子どもたち、
3分の1が本土からの留学生です。
近年、生徒数が減り、一学年28人まで落ち込みました。
21人を切れば廃校につながる。
ならば発想を変え、島外からも意欲ある子を集めようと、
高校と地元行政、島根県が連携し、留学制度を始めました。
志願者は年々増え、今は全校生徒が約130人です。
志望の理由は、豊かな自然や少人数教育に惹かれたとか、
地域活動をやりたいとか様々ですが、基本的に好奇心や
チャレンジ精神のある子が多いですね。
●都会から「よそ者」がきて、学校は混乱するのでは?
もちろん、葛藤や対立が起きます。
入学当初は島の子も外から来た子も途惑います。
1年の学級活動などは、どんどん意見を出して物事を進めようとする留学生と、
周りに配慮して進める地元生がぶつかったりします。
それが3年生にもなると、互いの違いを理解し人間関係もできて、団結する。
ぶつかりあいを通して、異文化との付き合い方を彼らなりに学んでいます。
島ならではの教育として、自然や文化を研究したり、
まちづくりをする授業や部活動などもあります。
例えば、隠岐の小島の間をつなぐ連絡船とバスの接続の悪さを
アンケートで浮き彫りにし、コストをかけずに利便性を高めるダイヤを提案、
ダイヤ改定を実現しました。
一方で、進学希望にも応えられるように、生徒の少なさを生かした
個別指導のほか、少人数指導や地域資源を生かしたキャリア教育を行う
学校連携型の寺子屋「学習センター」もあります。
●高校の魅力化には過疎化対策の面もある?
過疎地に最も不足しているのは、子どもを生み育てる20代、30代の層。
彼らにU、Iターンしてもらいたい。この子育て世代が気にするのが教育です。
魅力的な教育がない場所に住もうとは思わない。
仕事さえあれば若い人が来るという考えは通用しない。
●教育の中でも、なぜ高校なのか?
高校がないと、中学卒業後は進学のために島を出ざるを得ません。
仕送りなどでお金がかかり、家族は大変です。家族ごと出て行くかもしれない。
それでは子どもを連れてU、Iターンしたいとは思わない。
高校がなくなれば地域は過疎化と少子化へ一直線、歯止めがなくなります。
また、高校は将来の生き方や進路を決める時期です。
そのときに地域の課題や可能性を学び、自分の人生と地域を結びつけて
考えられれば、Uターンの可能性も上がります。
これは離島だけでなく、全国の中山間地に共通すると思います。
●それでも高校卒業後、進学や就職で、島を出る子は多いですね。
それでいいんです。いったん東京や海外など遠くに出て、島ではできない経験や
修羅場をたくさん体験してこいと。20代のときに外でしっかり武者修行して、
「よそ」の目を養い、30歳前後でブーメランのように戻ってきてもらいたい。
●岩本さんは海外への流学や途上国での学校づくりなど、
バリバリ「外向き」です。日本の田舎に移住したのは意外です。
友人に頼まれ、2006年5月、島前の中学に出前授業で来たのが、
この島との出会い。地域を熱く語る島の人たちと語り合うなかで
相談されたのが、高校の存続問題でした。
少子高齢化と人口減が進むこの島は日本の縮図であり、課題の最先端地。
どうやってこれらの課題とつきあいながら幸せな地域社会をつくっていくのか。
学校を軸に、小さくても一つのモデルができれば、日本全体に広がると思った。
教育や人づくりを通じ社会を良くするという自分のミッションに従い、
その年の暮れ、移住しました。この島や島前高校の取り組みから、
今までと違う未来が見えてくる気がします。
●過疎地の現実は厳しい。本当にうまくいくでしょうか。
高校の魅力化にかかわるお母さんが言っていました。
「私は、子どもたちがマラソン大会に出るとき、勝てないからといって
途中で諦めたり、手を抜くようなことは、絶対に許さない。
この取り組みも結果的には成功しないかもしれない。
だからといって、大人が諦めてしまったら、子どもたちに
「負けてもいいから最後までがんばりなさい」なんて二度と言えなくなる。
できることを全力でやる姿を大人が見せなければ、子どもは育たない』。
それだと思う。
常に課題は山積し、道は遠く険しい。
今の人たちもずっと続けられるわけじゃない。
そのとき期待するのは、
ここで育った子たちが志を継いでくれること。
そして、彼らがまた挑戦を続けてくれること。
島前高校には、そんな夢も託しているんです。
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