妖精の住む家

妖精の住む家

ある夏休みの一日


「一緒に遊ぼ♪」と、電話をくれた。
今日はプールに行くと決めていたので
「わ~い!じゃあ、プール行こう!」と誘った。
彼女はちょっと残念そうに
「今日は入れないから、他で遊ばない?」と答えた。
娘は少し悩んで、
「ごめんね。私、今日はプールに行きたいの。
1週間に1度しか休みないし、来週遊ぼ♪」と、言った。
「勉強、頑張ってる?」
「うん、頑張ってるよ」
そして、「じゃあね」と、遊ばないことになった。

受験しない仲良しの親友は、本当に感動するくらいいい子だ。
先日の連休も遊びに行った先で、勉強が上手くいく
お守りみたいなキーチェーンをお土産に買ってきてくれた。
「私もお揃いにしちゃった!頑張ってネ」の言葉と一緒に。

私が娘なら、親友に断れないばかりに入りたいプールを諦め
他で遊んだだろうと思う。
娘の強さには、感心する。
この無理のない関係を小さい頃からずっと続けてきた彼女達は
本当に安心して素のままの自分でいられるのだろう。
もちろん、時と場合によっては譲る優しさも必要だけれど
プールから出て来る娘を迎えに行った時は
本当に楽しそうで満足そうだった。


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