モロッコ紀行 2

マラケシュ

翌日、わしら二人はカサブランカから、バスでマラケシュへ移動した。
マラケシュまでは約3時間。
これがクーラー付き、ビデオ付きの、なかなか良いバスで、快適であった。

同じバスには、偶然6人組の若い日本人達が乗っていた。
これが男女3人ずつのグループなのだ。
「けしからん!」
おいらとバカンポ君の意見は一致した。

そのうち男の一人は、首から一眼レフの高そうなカメラをぶら下げており、
バスが休憩で止まるたび、外に出てカメラを構えては、クビをかしげつつ、長い髪をかき上げるしぐさをする。
「けしからん!」
おいらとバカンポ君の意見はまたしても一致した。

マラケシュとゆー街は、かつてモロッコの首都だったらしい。
それがカサブランカに遷都されたわけだが、旅人の目から見ると
カサブランカはわりと近代化されていて、イメージしていた「モロッコ」とは違った。
旅人の勝手な目線で言わせてもらうと、この「マラケシュ」こそ”モロッコ”である。
いや~、このマラケシュって街、 いいっすよ!
おいらはすっかり虜になっていく事になるのだ。

さて、バスはマラケシュの外れにあるターミナルに到着した。
バスを降りると、さっそくモロッコ人がわらわらと集まってきた。
「ホテルを紹介するよ!」
「ガイドをさせてくれ!私はマラケシュ一(いち)のガイドだ!」

これら客引き達であるが、モロッコは強烈である。
エジプトですっかり慣れたつもりであったが、体感うっとーしー度で言うと、モロッコはエジプトの2.5倍はあるであろう。

よしわかった、おっちゃんのすすめるホテルを一度見てみようじゃないか。
おいらとバカンポ君はおっちゃんに連れられ、ローカルのバスに乗りマラケシュの中心部に向かった。

ホテルに着いて部屋を見せてもらうと、さすがに安宿だけあってボロくはあるものの、広いバルコニーがあるのが魅力的であった。これで一泊1200円くらい。
安いではないか。
おっちゃん! グッジョブ!

さて、マラケシュでの宿泊場所はあっさり決まった。
さあ、街へ繰り出すぞ!行くぜ、バカンポ!

「ん?」

おい・・・・何してんだよ。

「あ、いや、洗濯・・・。」

なにしろ代えの下着はワンセットしか持ってきていないバカンポ君である。
部屋に入るとさっそく洗濯を始めているではないか。

なぁ、バカンポよ。 夜にやれ。

このバカンポ君のアライグマ生活は旅の間中続くことになる。

ようやく洗濯が終わり、やっと街に繰り出そうと出発。
するとフロントには、バスで一緒だった日本人6人組が来ていた。
大きなお世話ながら、「男女は別々の部屋でね!」とにらみつける。

するとそのうちの一人の女の子が話しかけてきた。
なんでも、ホテルから「砂漠ツアー」のおさそいを受けているのだとか。
「よかったらお二人も一緒にどうですか?」と言うのだ。

詳しく聞くと、マラケシュから車で8時間南下し、そこからラクダに乗り換え砂漠を2時間ほど進み、そこでテントを張って寝るとゆう。
砂漠をラクダで!?
しかも野宿!?
そいつは楽しそうだ!
夜はさぞかし星が綺麗であろう!
うーむ・・・どうするバカンポ?

バカンポ君はまったく興味のない顔で答えた。

「砂漠じゃ洗濯できないなぁ・・・・」


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