モロッコ紀行 5

ラクダ

8時間のワゴン車での移動を終え、ラバトという町に着いたのが午後4時ころ。
ここからラクダに乗って砂漠に入るのだ。

車を降りると、そこにはラクダが14頭、座って我々を待っていた。
8時間車に乗っていたんで、ヤレヤレ、とちょっと休憩でもしたいところであったが、
ガイドは「さあ乗れ、すぐ乗れ」と我々に休息を与えないのだ。
全員がラクダに乗ると、すぐ出発であった。

まったくやる気のない顔をしたラクダ達であったが、ガイドの号令を受けて一斉に立ち上がる。
このラクダ、乗り心地は決して良くなかった。
イメージでは、のんびり、ゆっくり、優雅に進んでいく感じだったのだが、
実際に乗ってみると、まずものすごく座高が高い。
ラクダの背に乗った時の自分の頭の位置は、おそらく3m近くあるだろう。
その高さが、単純に怖い。
そうして、一歩一歩、歩くごとに前後にかなり揺れるのだ。
気を抜いていると、頭が前後にぐわんぐわんと振られて、かなりきつい。
さらに、ラクダの背は横に広いんで、股を  ぐわっ! っと広げて座る形になる。
これが、股の筋肉にやさしくないのだ。

う~ん、このまま2時間か・・・・・。きっついのぉ・・。

ふとバカンポ君を振り返ると、ヤツも又、ラクダの上で苦戦中であった。
それにしても、砂漠をえっちらおっちらと進むラクダの上に、ちょこんと座るバカンポ君の姿は笑えた。
「お前、遊園地の乗り物に乗る子供みてだぞ」と言うと、
バカンポ君は言った。
「お前も同じだ」

それでもしばらくすると、ラクダにも慣れ、景色を見る余裕ができてきた。
するとどうだ。我々の周りの風景は、360度砂漠ではないか。
すでに太陽は地平線に沈もうとしており、その周りはオレンジ色に、
そうして反対側の空は紺色に染まっている。
他の参加者たちの、ラクダに乗ったシルエットが先を進む。

ああ・・・・・・・

なんとすばらしい風景なのだ!
おいらは、まるで映画のワンシーンの中にいるようなその景色に酔いしれていた。

「あ~!けつが痛え!
なぁ、まだ着かないのかぁ?けつも痛いしマタキン(股の筋肉)も痛えじゃ~」

バカンポが何か叫んでいるようだが、無視、無視。


やがて太陽は沈み、夜。
空には月がぽっかり浮かび、そうして満天の星が我々を包んだ。
月明かりの下、ゆっくりと進む我らがラクダ隊。

月の砂漠・・・か。
ああ、これぞロマンではないか。
なんともタマラン気分だなぁ・・・。最高~♪。

「あいたたた!マタキンが!マタキンが攣った!」


・・・・バカンポよ、頼む。
ちょっと静かにしててくれ(笑)


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