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奥麻けいと

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2005/09/17
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カテゴリ: 雑記
「脅迫状の内容に困ってしまってね、何を書いておこうか…本人としてはどういうのをお望みかね?」

 十六夜と入れ替わりに入ってきた男はひどく尊大な態度でワタシに尋ねた。ワタシは何も答えない。ただ、彼をじっと睨みつけた。

「そう、睨まないでくれたまえ。別に目を細めなくとも私の姿は見えるではないか、そうだろう?そして人質は人質らしく、我々に逆らうような態度を示さず、ただ従いたまえよ」

 彼はその長身痩躯の身体に似合わぬ明るくよく通る声をワタシに浴びせる。彼はワタシに歩み寄り、1メートルほど手前で止まった。

「あぁ、そうか。今日まだ来たばかりの兄弟なのだったな…まだ思考を正常に働かせるほどにはなってはいないのだな。一夜にいわれていたのをすっかり忘れていた」
「アナタは・・・誰ですか?」
「私か?私は「にや」。二つの夜で二夜だ」

 彼、二夜はそういうとその場に胡坐をかいて座り込んだ。そして黒のジャケットのポケットから封筒と紙切れの沢山入った袋を取り出した。

「まさか、此処で脅迫状書く気?」
「書くのではない、貼るのだ。」

 紙切れ――よく見れば新聞の文字の切り抜きだ――を並べながら二夜は笑った。その笑顔からは邪気しか感じられなかった。

「ところで、一体何を要求するつもりですか?」
「金だ。一夜も言っていただろう?ざっと50億ほど頂こうと思っているのだよ。」
「ご・・・」

 50億円。
 5,000,000,000円。

「何を驚いている?それくらい君の家ならば簡単であろう?」
「・・・。」

 確かにそれっぽっちの金ならば払えないハズは無いが・・・
 ワタシは、はぁ、とため息を漏らした。

 その後も二夜は実に楽しそうに文面を作成していった。ワタシからは何を書いているかは見えなかった

「よし。」

 どうやら出来上がったらしく二夜は出来上がった文面を封筒にしまった。すっと立ち上がりさらにワタシに近づいた。そして、小さな鍵を一つ、ワタシの手元に置いた。

「マスターキーだ。明日からはその鍵で好きなところへ行ってよい。」
「え・・・」
「但し、五夜より上の兄弟の部屋には入ってはならぬ。もちろん私の部屋もだ、わたったな?」

 そして二夜は、ワタシの眼鏡を外し、額に唇を寄せた

「GOOD NIGHT,my dear」

 ワタシの意識は、闇に溶けた。







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Last updated  2005/09/17 10:35:48 AM
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