1 13 日に最後の授業が終了、二年前に続いて二度目の「引退」ということとなり、「授業の為の読書」から解き放たれて、乱読を楽しんでいます。
トランプ当選以来、「アメリカ」、「宗教」、「イスラエル」をキーワードにして、『アメリカと宗教』 ( 返却したしまったので、著者、出版社名失念 ) 『アメリカとは何か』 ( 渡辺靖 岩波新書 ) 、『イスラエル』 ( 臼杵陽 岩波新書 ) 、『アメリカ消滅』 ( 増田悦佐 ビジネス社 ) 、『アメリカの悪夢』 ( デイヴィッド・フィンケル 亜紀書房 ) と読んできました。
また知人から薦められて、『西洋の敗北』 ( エマニュエル・トッド 文藝春秋 ) を読みました。その国の幼児死亡率から、社会の安定性を測ったりする独特の手法で、説得力十分。制裁を受けながら持ちこたえているロシアをソ連崩壊から立ち直らせたプーチンの功績を評価するなど、「好き」「嫌い」という判断基準では測れない「国力」の分析には興味を惹かれました。
小説では、『神と黒蟹県』、『沖で待つ』 ( 共に絲山秋子 ) が面白かったです。『黒蟹県』は、人を食ったような書きっぷりで、楽しめました。
二月に入ってからは、『ともぐい』 ( 河崎秋子 新潮社 ) 。以前から、ぽつりぽつりと、読んだ本の中から心に残った文章をノートに書き写しているのですが、この本からは、久しぶりに何カ所か書写しました。北海道、白糠近くの山の中で一匹の犬と共に生活する熊爪という名の猟師の生活を硬質の文章で描いた作品です。
彼は毛皮や肉、山菜などを持って白糠に行き、そこで食糧やら弾丸を買うための金を得るのですが、様々な事件に遭遇し、そのたびに私は彼の独特の考え方に触れてぎょっとすることに何度もなりました。期間が来たので返却はしたのですが、再度予約、もう一度読んでみたい本です。
共に落語を聞きに行っている二人の知人から、寄席の近くの喫茶店で会食した時、飯嶋和一さんをすすめられ、『神無き月十番目の夜』、『出星前夜』を図書館に予約、あと河崎さんの『愚か者の石』が机の前に並んでいます。『神無き月』は、 120 ページまで読んだのですが、戦国乱世が徳川の世となり、独特の生活形態を保持していた土豪を中心とした村落の人々がたどらねばならなかった運命を細かく描写した作品です。
書名を羅列するだけで終わりましたが、次回から少しづつ紹介したいと思っています。 2
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MoMo太郎009さん
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SEAL OF CAINさんComments