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「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」を映画館で観たんですけど、やっと感想書きます。 ついに映画版が完結しましたね! (なぜかタイトルに3がつかないけど「ヒックとドラゴン」「ヒックとドラゴン2」と来て3作目完結篇です) これがなかなか原作ファンには嬉しい展開! 最後の最後で原作に帰ってきた、そんな感じです。 原作ファンが観ても納得だし、これを機に映画ファンに原作もおすすめしたい! 以下ネタバレ改行。 かなり原作のネタバレあるんでご注意! ヒックとドラゴン 聖地への冒険【Blu-ray】 [ クレシッダ・コーウェル ] ヒックとドラゴン 1 伝説の怪物 / クレシッダ・コーウェル 【全集・双書】 (※注!「マップス」と「マイティ・ソー/バトルロイヤル」と「ファイブスター物語」のネタバレもあります) (RTAとは「リアルタイムアタック」の略で、ゲームをクリアする速さを競う競技なんだけど、ここでは早送り的な感じで使ってます。) アニメはアニメでそりゃ素晴らしいですけど、だいぶ原作改変しててなんだかなあと思ってたんですが、この最終章でなんと原作に寄ってきました! 原作の「ヒックとドラゴン」はねえ、チビのいじめられっ子の少年が知恵と勇気で困難を切り抜けていくうちに仲間ができて力を合わせて戦いを通して成長していく王道ファンタジー児童文学なんですよ! 伏線と伏線回収が見事で読んでスッキリ! 友のため他人のために身を削って戦うことが、まわり回って自分を救うし世界を救うのだ! (原作の感想はこちら↓で書いてます。 【ネタバレなし】「ヒックとドラゴン」原作の感想/ジャイアンよりひどい! 【ネタバレ】「ヒックとドラゴン」原作1〜11巻の感想/戦う一休さん それでまあドリームワークスの映画はちょっとアプローチ違うんですわ。 ドラゴン寄りというか、ポケ○ン寄りというか。 それはそれでもちろんアクションとか映像とか素晴らしく見所あるんですが。 原作では最初からドラゴンはペットというか家畜というか既に飼われてる存在だったのですよ。 バイキング達はドラゴンを使役していた。 だから映画1作目「ヒックとドラゴン」でドラゴンは皆殺しだーみたいな始まりからして違和感。 ところが原作を読み進むと、ヒックのご先祖のヒック1世の時代の話が出てきまして。 ヒック1世の時代では人とドラゴンはお互い殺し合うような殺伐とした関係だった。 それが心優しいヒック1世が傷ついたドラゴンを助けたことから和平がすすみ、平和に共存できるようになった。 (映画の1作目じゃん!) だがしかし!(ベベン!)人はいつしか増長し、ドラゴンを友ではなく家畜・奴隷として使役するようになった!(食用ドラゴンさえいるんだよ!) (でもヒックだけはドラゴンは奴隷じゃなくて友達なんだと、大切な仲間として扱う。そしてその輪が広がっていく) (2作目じゃん!) そしてついに人間とドラゴンは戦争になり、ヒック(達)の活躍により一応の平和が訪れたが、ドラゴン達は争いを避け、隠れて住むようになったのであった…。人知れず海底や山奥でひっそりと。 (この映画じゃん!) だから現在の私達はドラゴンなんていない世界を生きている。ドラゴンなんて御伽話、夢物語、存在しないって… でも違うの。 ドラゴンはいつか人間と共存できる未来まで隠れているだけ。 いつか帰ってくる… これがおおまかな原作の流れ。 映画も3作通して見れば同じじゃん! 1作目「ヒックとドラゴン」→ご先祖ヒック1世の時代(ドラゴンは敵→友) 2作目「ヒックとドラゴン2」→原作の主な時間軸(ドラゴンは友VSドラゴンは奴隷) 3作目「ヒックとドラゴン 聖地への冒険」→原作のラスト(ドラゴン旅立ち) 最後まで観てみれば映画は原作RTAだったのでした。 (テレビ版に関してはちゃんと見てないので言及しません、すみません) ドラゴンの隠れ里にね、産卵場があって、原作1巻を思い出しました。 フワフワと幻想的なたくさんの卵と赤ちゃん達。 あれ見て、帰ってきたんだな、原作に帰ってきたんだなって思いました。 ネットでドラゴンを難民のメタファーと見ている人の意見を見ました。 難民を受け入れたのに手に余るようになったら追いやるのか、と。 それもなるほどなんですけど、ドラゴンは遠いドラゴンの国に隠れてしまったとしても、存在が消えてなくなったわけじゃないじゃないですか。 「見えないからって、存在しないわけじゃない」 原作もこの映画も最後に伝えたかったのはここかなって思いました。 今、そばに住んでいないから、遠い国のことだから、いないものと感じてしまう。 あるいは近くにいるのに、目に入らない、いないものとして扱ってしまう。 残酷にもカースト上位はそういう態度を持ってしまいがちでないですか。 「俺の学校にはイジメはなかった」「パンがなければお菓子を食べればいいでしょう?」みたいなやつ。 自分と似たような境遇の人とばかりつるんで、世の中わかってる気になってる。 でも世の中いろんな人がいるんだよ。 見えない(見ない)からって、いないわけじゃない。 見えない存在が力になってくれる話といえば長谷川裕一の「マップス」ですな。 【中古】 マップス(1) ノーラC/長谷川裕一(著者) 【中古】afb 今思えばよくできた話でした。 宇宙の危機に際して、見えない存在が仲間になると予言されて遠く遠く探し求めるんですけど、見えない仲間はすぐそばにいたっていう(うろ覚えにつき細かいところが違ってたらごめんなさい)。 ここで大切なのは想像力。 見えないものはいないと思ってしまえば、出会うことも心を通わせることも力を合わせることもできないのです。 原作改変で残念なのがスノットで、映画だとただのいじめっ子でしかもすぐデレて仲間その1みたいになっちゃうじゃないですか。 原作だとかなりしつこく敵対してるんだけど、それがただの悪役ってわけじゃない掘り下げがあって。 つまり古い価値観の代表なんですよ。 マッチョが支配する価値観、強さ、暴力が正義。 でもそれって昔は本当に正義だったじゃないですか。 そうしなきゃ生き残れない過酷な環境で、当然の価値観を教育されて生きてきて、成果もあって、今更あなたは古臭くて間違っているって言われても簡単に納得できない、それがちゃんと描写されてました。 それでこの映画の悪役さんのグリメルさんが古い価値観の人で、ドラゴンは敵で皆殺しすべきと信じてる。 でもそれは時代でしょうがないところもあって、バーク島の人達も何十年?百年?もそうやって生きてきたわけでしょう? なんか今になってドラゴンは友だちみたいないい人ぶっちゃってさ。 ドラゴン殺しを古臭いとか愚かとか間違ってるとか、簡単に言えないじゃん(でも譲れないものはあるから戦いになるけれど)。 ここも原作から拾ってきた感じがしました。 (このグリメルの見た目が松重豊さんそっくりで声も松重豊さんで、日本で当て書きで製作したんかと思ったよ!) あとフィッシュなんてかなり改変されて残念な感じ。見た目も中身もぼぼ別人だし正直地味。 原作だとかなり重要キャラなのでぜひ読んでフィッシュを知ってほしいです!出番多し! 映画オリジナルキャラの方が待遇がよいんでないかしら。 双子とかライトフューリーとか。 ライトフューリー自体はいいんだけど、トゥースの初恋はちょっとあざと過ぎて乗れませんでしたー。 あと小ネタですが… 「我々が住めばそこはバーク島になる!」ってアスガーディアンかよ! マイティ・ソー バトルロイヤル MovieNEX(アウターケース付き) [ クリス・ヘムズワース ] 族長の無茶ぶりによくみんな言うこときくなあ。封建社会! もひとつ気付いちゃったんですが… 原作のトゥース(トゥースレス)ってすえぞうですな。 ファイブスター物語 6 超ネタバレ! トゥースレスは超巨大ドラゴンの幼生でした! 将来は神に近い存在まで巨大化! しかもこのドラゴン、老年期になると逆に縮みます! かわいいミニお爺ちゃんドラゴンになります!(ショタジジイかしら?) すえぞうより美味しいぞ! (あ、このネタ映画関係ないや…許して…) PS. あ、これ、人間より長寿の存在がショタジジイになって親友の子孫に会えた話じゃん! 時を越えて魂の再開! 「きっとまた会えるよ」「また会えた」 うわー!大好物のやつ! 関連項目 【ネタバレ】「ヒックとドラゴン」 【ネタバレ】「ヒックとドラゴン2」感想/お父さんテライケメン! 【ネタバレなし】「ヒックとドラゴン」原作の感想/ジャイアンよりひどい! 【ネタバレ】「ヒックとドラゴン」原作1〜11巻の感想/戦う一休さん
2020.04.24
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