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2013.10.01
テーマ： 最近観た映画。(41062)
カテゴリ： 映画
なんか文句ばっかり言ってるから、ちょっと掘り下げてみた。
なんかいい作品に難癖つけてごめんなさい。
ひねた見方をしてるなあと自分でも思う。
ヒックとドラゴン スペシャル・エディション [ ジェイ・バルチェル ]
現実社会のハミ出し者が、異世界にのめり込むって、まあなんとなく観ててわかりやすい訳ですよ。
現実が受けいれてくれないから、よそに自分の居場所を探すという。
モチベーションがあった方がキャラの行動に納得がいくし。
「アバター」とか、「ネバーエンディングストーリー」とか。
まあ単純に自分の好みの問題なんだけどさ。
でもヒックはそこまでのハミ出し者感が感じられなかったの。
ようしゃべるし、そんなに凹んでるように見えなかったの。
馬鹿にされつつ、それなりのポジションに立ててるような。
（立派な仕事もあるし）
そこがしっくり来なかった。
あの場面でドラゴンを殺さない、ましてや餌をやる、仲良くなるってあそこの社会道徳からかなり逸脱してる。
命もかかってる。
ヒックは優しいから、で簡単に納得できない。
なんかあるだろう、と勘ぐってしまう。
例えば、ナウシカなんて妙に蟲やら腐海にのめり込んでておかしいんだけど、それは彼女が「不思議ちゃん」だから。
周りのキャラがナウシカは変わってるってセリフもあるし、前半の行動も元から変わってる。
ナウシカは「不思議ちゃん」だから不思議なことをしても不思議ではない。
ヒックもトロールを探すとか「不思議ちゃん」エピソードもあるし、変な発明で周りに迷惑かける「困ったちゃん」と言えばそうなんだけど。
でもあんまり掘り下げないからその印象は薄い。
「アバター」の主人公なんて最初に足が悪いってのがあって、それでアバターにのめりこんでいくんだ。
失ったものを取り戻す話かなと思う。
ヒックが何でトゥースにのめりこんでいくか、よくわからんけど、でもとにかく最後に片足を失うのね。
前払い、後払いの違いで、同じ対価？
何かを得た代わりに何かを失う話？
「トムソーヤ」か「ハックルベリーフィン」か忘れたけど、少年が黒人奴隷を逃がしてあげるエピソードを思い出した。
人様の持ち物である黒人奴隷の脱走なんて、当時の社会的にはかなり悪い行為。
それを助けたら、窃盗の幇助ですかね。誘拐？
だから、少年はすっごい悩む、こんなバチ当たりなことしていいのか、悩んで悩んで、結局、黒人を助ける。
やっぱかわいそうだったからかなあ。友達になってたし。
で、ことが終わってから思う訳。
正しいこと（黒人が逃げそうなのをみんなにばらして阻止）をしても、後できっと嫌な気持ちになるに違いない。
悪いことをしたのに、今はとってもいい気持ち。
今度からは、正しいかどうかじゃなく、自分がやりたいかどうかで行いを決めよう。
うろ覚えだけど、確かこんな話。
社会的な正義と、普遍的な正義と、あるいはただの個人的なワガママと、何が正しいかって簡単にはいかなくて、難しい。
感情的には少年のやったことは正しいと思うし、共感できる。
でも褒められるためにやったんじゃない。
むしろ、ばれた時のリスクが高い。
ただの非力な少年が、すごい勇気がいったと思う。
もし自分の子がリスクのある人助けして、手放しで喜べるかと考えると難しい。
このトムソーヤだかハックルベリーフィンだか忘れたけど、この少年は頭の回転の速いいたずらばっかりしてる悪ガキだったような気がする。
やっぱりなんか社会に馴染めない感が反抗してたような。
もう細かい設定忘れちゃったんで、その「馴染めない感」は何か理由があったのかもしれないけど、私が感じたのは「思春期」ってやつじゃないかと。
例え、親がちゃんといて、裕福な家庭で育って、友達がいたとしても、悩んで悩んでスッキリしてないのが「思春期」じゃない？
妙に自信があったり、かと思うとイライラしたり。
自我と社会の軋轢を感じて、勝手に疎外感を感じて勝手に不幸になって、突拍子もないことをしたりする。
まあ「思春期」ネタって普遍的なアルアル現象？だよね。
で、この少年が社会正義を逸脱しちゃうのは「思春期」で説明つくんじゃないかな。
ヒックも少年なんだけど、あまり「思春期」を感じなかったんだなあ。
やっぱ何かが中途半端なんだわ。
悩んでるとか苦悩してるっていう描写があるにはあるんだけど、薄いように私は思う。
悩むより行動するタイプ？
子ども向け映画ってことで、描写を抑えてしまって、キャラがよくわからんことになってるのでは？
なんか一生懸命「親に認められてないんですよー。周りに馬鹿にされてるんですよー。不幸でしょー」ってアリバイを作ってる感じ。
状況はそうでしょう、と。
その割にキャラメイクが、明るい、アタマがいい、行動力ある、と、不幸な人の雰囲気じゃない。
「不思議ちゃん」というほど変わってない。
「思春期」ってほど悩んでない。
何がしたいんか、と。
だからラストに片足を失うのでは。
辻褄を合わせるために。
ここまで考えて、ふと、ヒックに理由を求めるからわかんなかったのかと思った。
ヒックがトゥースを助けたのは、トゥースが可愛かったから？かもしれない。
可愛いというか、美しいというか、存在感というか、カリスマというか。
初めて真近で見たナイトフューリーという漆黒のドラゴン。
近くで見て、手で触って、何か感じたのかもしれん。
一目惚れみたいに。
「もののけ姫」のアシタカみたいな。
残念ながら私は獣萌え属性がないからピンと来なかっただけで、世間の人には丸わかりだったのかもしらん。
あのナイトフューリーなら助けてあげたい、と思えるものかもしれない。
黒人奴隷の話だって、その黒人がいい奴で友達だったから助けたくなったんだ。
嫌な奴なら助けたりしない訳で。
だからまあ、何か理由があっての展開というより、めぐり合わせというか、運命的な話として受け入れるべきかなあ。
ところで「もののけ姫」で思い出したけど、終盤になってサンと兄弟の狼がアシタカを背中に乗せてあげる展開にびっくりした。
誇り高き狼が、何で人間の乗り物になっちゃうのか、いったいどうしちゃったのか。
まあ言葉が通じるから、頼んだらなんとかなったのか。
サンやモロに比べると、狼兄弟はちょっとおつむが足りないようだし。
なんか残念な展開だなあ、と感じてしまう私には、やっぱり「ヒックとドラゴン」は向いてないんかしらん。
----追記（関連項目を追加しました）----
関連項目
【ネタバレ】「ヒックとドラゴン」
なんかいい作品に難癖つけてごめんなさい。
ひねた見方をしてるなあと自分でも思う。
ヒックとドラゴン スペシャル・エディション [ ジェイ・バルチェル ]
現実社会のハミ出し者が、異世界にのめり込むって、まあなんとなく観ててわかりやすい訳ですよ。
現実が受けいれてくれないから、よそに自分の居場所を探すという。
モチベーションがあった方がキャラの行動に納得がいくし。
「アバター」とか、「ネバーエンディングストーリー」とか。
まあ単純に自分の好みの問題なんだけどさ。
でもヒックはそこまでのハミ出し者感が感じられなかったの。
ようしゃべるし、そんなに凹んでるように見えなかったの。
馬鹿にされつつ、それなりのポジションに立ててるような。
（立派な仕事もあるし）
そこがしっくり来なかった。
あの場面でドラゴンを殺さない、ましてや餌をやる、仲良くなるってあそこの社会道徳からかなり逸脱してる。
命もかかってる。
ヒックは優しいから、で簡単に納得できない。
なんかあるだろう、と勘ぐってしまう。
例えば、ナウシカなんて妙に蟲やら腐海にのめり込んでておかしいんだけど、それは彼女が「不思議ちゃん」だから。
周りのキャラがナウシカは変わってるってセリフもあるし、前半の行動も元から変わってる。
ナウシカは「不思議ちゃん」だから不思議なことをしても不思議ではない。
ヒックもトロールを探すとか「不思議ちゃん」エピソードもあるし、変な発明で周りに迷惑かける「困ったちゃん」と言えばそうなんだけど。
でもあんまり掘り下げないからその印象は薄い。
「アバター」の主人公なんて最初に足が悪いってのがあって、それでアバターにのめりこんでいくんだ。
失ったものを取り戻す話かなと思う。
ヒックが何でトゥースにのめりこんでいくか、よくわからんけど、でもとにかく最後に片足を失うのね。
前払い、後払いの違いで、同じ対価？
何かを得た代わりに何かを失う話？
「トムソーヤ」か「ハックルベリーフィン」か忘れたけど、少年が黒人奴隷を逃がしてあげるエピソードを思い出した。
人様の持ち物である黒人奴隷の脱走なんて、当時の社会的にはかなり悪い行為。
それを助けたら、窃盗の幇助ですかね。誘拐？
だから、少年はすっごい悩む、こんなバチ当たりなことしていいのか、悩んで悩んで、結局、黒人を助ける。
やっぱかわいそうだったからかなあ。友達になってたし。
で、ことが終わってから思う訳。
正しいこと（黒人が逃げそうなのをみんなにばらして阻止）をしても、後できっと嫌な気持ちになるに違いない。
悪いことをしたのに、今はとってもいい気持ち。
今度からは、正しいかどうかじゃなく、自分がやりたいかどうかで行いを決めよう。
うろ覚えだけど、確かこんな話。
社会的な正義と、普遍的な正義と、あるいはただの個人的なワガママと、何が正しいかって簡単にはいかなくて、難しい。
感情的には少年のやったことは正しいと思うし、共感できる。
でも褒められるためにやったんじゃない。
むしろ、ばれた時のリスクが高い。
ただの非力な少年が、すごい勇気がいったと思う。
もし自分の子がリスクのある人助けして、手放しで喜べるかと考えると難しい。
このトムソーヤだかハックルベリーフィンだか忘れたけど、この少年は頭の回転の速いいたずらばっかりしてる悪ガキだったような気がする。
やっぱりなんか社会に馴染めない感が反抗してたような。
もう細かい設定忘れちゃったんで、その「馴染めない感」は何か理由があったのかもしれないけど、私が感じたのは「思春期」ってやつじゃないかと。
例え、親がちゃんといて、裕福な家庭で育って、友達がいたとしても、悩んで悩んでスッキリしてないのが「思春期」じゃない？
妙に自信があったり、かと思うとイライラしたり。
自我と社会の軋轢を感じて、勝手に疎外感を感じて勝手に不幸になって、突拍子もないことをしたりする。
まあ「思春期」ネタって普遍的なアルアル現象？だよね。
で、この少年が社会正義を逸脱しちゃうのは「思春期」で説明つくんじゃないかな。
ヒックも少年なんだけど、あまり「思春期」を感じなかったんだなあ。
やっぱ何かが中途半端なんだわ。
悩んでるとか苦悩してるっていう描写があるにはあるんだけど、薄いように私は思う。
悩むより行動するタイプ？
子ども向け映画ってことで、描写を抑えてしまって、キャラがよくわからんことになってるのでは？
なんか一生懸命「親に認められてないんですよー。周りに馬鹿にされてるんですよー。不幸でしょー」ってアリバイを作ってる感じ。
状況はそうでしょう、と。
その割にキャラメイクが、明るい、アタマがいい、行動力ある、と、不幸な人の雰囲気じゃない。
「不思議ちゃん」というほど変わってない。
「思春期」ってほど悩んでない。
何がしたいんか、と。
だからラストに片足を失うのでは。
辻褄を合わせるために。
ここまで考えて、ふと、ヒックに理由を求めるからわかんなかったのかと思った。
ヒックがトゥースを助けたのは、トゥースが可愛かったから？かもしれない。
可愛いというか、美しいというか、存在感というか、カリスマというか。
初めて真近で見たナイトフューリーという漆黒のドラゴン。
近くで見て、手で触って、何か感じたのかもしれん。
一目惚れみたいに。
「もののけ姫」のアシタカみたいな。
残念ながら私は獣萌え属性がないからピンと来なかっただけで、世間の人には丸わかりだったのかもしらん。
あのナイトフューリーなら助けてあげたい、と思えるものかもしれない。
黒人奴隷の話だって、その黒人がいい奴で友達だったから助けたくなったんだ。
嫌な奴なら助けたりしない訳で。
だからまあ、何か理由があっての展開というより、めぐり合わせというか、運命的な話として受け入れるべきかなあ。
ところで「もののけ姫」で思い出したけど、終盤になってサンと兄弟の狼がアシタカを背中に乗せてあげる展開にびっくりした。
誇り高き狼が、何で人間の乗り物になっちゃうのか、いったいどうしちゃったのか。
まあ言葉が通じるから、頼んだらなんとかなったのか。
サンやモロに比べると、狼兄弟はちょっとおつむが足りないようだし。
なんか残念な展開だなあ、と感じてしまう私には、やっぱり「ヒックとドラゴン」は向いてないんかしらん。
----追記（関連項目を追加しました）----
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【ネタバレ】「ヒックとドラゴン」
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