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2017.02.10
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カテゴリ: 映画
映画「虐殺器官」観ました!

だいぶ忘れていたので、いい感じに新鮮でしたよ!
グロ苦手だったけど、なんとか大丈夫でした。
けっこう混んでました。ハコが少ないんで集中したんかなー。

以下ネタバレ感想。



rblog-20170210165109-00.jpg
(かっちょいいジョン・ポールが表紙のパンレット)



虐殺器官(通常版)(Blu-ray)



(※「インサイドヘッド」と「マイノリティリポート」のネタバレがちょびっとあります)









お母ちゃん周りがばっさりカットされてました!
(原作だとクラヴィスの生い立ち、特に母親との関係にかなりページ割いてるんです)

でも話わかるぞ!
不思議!

要するにルツィアに惚れてもうたん?

ルツィア「今まで虐殺された人々に贖罪すべきよ!」→死亡→ジョン・ポール「ルツィアの願いを叶えよう」「でもオレじゃできへんからあとはお前たのむで」

死んだ女のためなんか!?

お母ちゃん周りばっさりカットした分の動機の薄さを、ジョンから直接頼まれたっていう事実で補強?

いつの間にかジョン・ポールと共犯関係、一心同体みたいになってる。
でもジョンの仕事を引き継ぐ必要ってないじゃん。
別にクラヴィスは一般的ないわゆる罪を犯してないじゃん。
そこまで罪悪感持つ必要ないじゃん。
人を殺したのは仕事だったから!


誰かの犠牲に寄って為された平和を享受している我々自身に既に罪があるということ?
原罪ってやつ?
産まれながらに?
だから贖うべきだと?

ルツィアはそういうこと言ったんじゃないと思うんだけどなー(^_^;)。

なんも虐殺の文法を英語でばらまけなんて言ってないよー、曲解してるよー。

そもそも、ジョンの動機の説明がわかりにくかった。
もっと説明してもよかったんじゃないかな。
欧米が平和になるためだと。
反欧米諸国で虐殺の文法をばらまけば、憎しみの対象が近場になり内戦になり、欧米にテロしなくなる(ハズ)。

それにぶっちゃけ軍需産業が儲かる。
政治介入して儲かる人たちもいるんでしょう。
戦争ばっかりしてたら貧しいし、貧しい人材を買い叩いて使いたい人がいる。
ジョンは言わなかったけれど、スポンサーがいて、スポンサーは金儲けのために支援していたんでしょう。



バトルシーンが思ったよりグロくなかったの。
ワザとかわかんないけど、人を撃ち殺してもゲーム画面のよう。
プロ兵士同士のゾンビバトルも、もっとゾンビっぽいかと思ったらたいしたことなかった。
あっさり終わった。
この人間がゾンビ化するって大事なとこだと思うんだけどなー。

伊藤計劃さんてほんまにゾンビ好きよねー。
生きてるようなー、死んでるようなー。
肉体のゾンビと、精神のゾンビと、両方好きで、肉体的ゾンビに比重が多いのが「屍者の帝国」で、精神的ゾンビの比重が多いのが「ハーモニー」だと思う。
生とは、死とは、どこまで動いたら生きていると言えるのか、どこまで止まったら死んでいると言えるのか、、、。

人工筋肉もそう、原作にあった脳死からの安楽死もそう、全てゾンビテーマで解釈できる。

部下の人が、もう死にそうなのに普通のテンションで喋ってるってのが怖かった。
現実感がないんだなー。
人の死も自分の死も。
最新鋭の機器で心も体も守って、ゲーム感覚で人を殺していたら、自分もゲーム感覚で死んでたっていう、皮肉。



なんか伊藤計劃さんのインタビューでクラヴィスの最後の言葉には「大嘘」があるって言ってるそうです。

詳しくはこちらのブログ参照↓
【虐殺器官】小説のネタバレとラストの嘘を考察!感想まとめも
伊藤計劃『虐殺器官』の“大嘘”について

クラヴィスは贖罪なんて言ってたけど、それが本心ではなかったとしたら、その方がスンナリ。

だってちょうどよく欧米社会だけが内戦になる訳ないじゃんかー。

そもそも反欧米諸国で内戦ばっかりしてたら欧米へのテロが減るはずっていう論理が怪しいやん。
良心のない、人殺しをためらわない人間が増えたら、世界全体の平和バランスが崩れて、欧米だって戦禍に巻き込まれるんじゃないかなー。
テロが減っても、普通に普通の戦争が始まったら、意味ないじゃん。

既に世界にそういう争いの種を蒔いた状態で、そして更に英語で虐殺の文法を広めたら、まず欧米はヒャッハーな世界になるんだろうけど、欧米以外だってただでは済まないんじゃないかな。
普通に普通の戦争が始まるのでは?
今まで虐殺してしまった反欧米諸国の人々への贖罪というけれど、世界大戦になったらその人達だって命が危ないやん。
その人達を救う保障はない。
クラヴィス賢いんだから、わかるでしょ。

じゃあ人類全体の間引きを実行しちゃったのは何故なのか。

贖罪ってのは言い訳で、復讐とかやつあたりとか、破壊願望、大掛かりな自殺、そう考えた方が人間らしくてわかりやすく思える。
仕事だからって言い訳が、贖罪だからって言い訳に変わっただけ。
その言い訳、本人も気づいてた?

そもそも、ジョン・ポールの動機だって、欧米社会の平和を守るためだったなんて、そんなの言い訳かもしれなかった!
自分でも詭弁ってわかってたのかもしれなかった。
復讐とかやつあたりとか、破壊願望、大掛かりな自殺、でもおかしくはなかった…



「インサイドヘッド」風に言うと、
虐殺器官が活性化して、「カナシミ」と「ビビリ」が消えて「イカリ」と「ムカムカ」が残った、「ヨロコビ」は原始的な快楽にだけ反応するよう変化した、ってところですかな。

視覚化されたSFガジェット、よいですなあ。
アニメならでは!
コンタクト型のVR機、光学迷彩、公衆電話ならぬ公衆キーボード?(でもキーボードないし)、一人乗りポッド、シーウィード。
虹彩認証カメラで監視って「マイノリティリポート」思い出しました。

声優もみんなよかったんだけど、櫻井孝宏のジョン・ポールがすごくよかった!(小並感)
櫻井さんは、心のない(ように見えるキャラ)がすごくうまい!
(嫁さんを亡くしたキャラ多くなーい?)
綺麗過ぎて空っぽ、空虚。
到達してしまった人間を演じるのがうますぎるぜ!

日本語で会話してんのに、英語がお上手なんですねってのも変な話だわ(^_^;)。
なんか、英語の映画を吹き替えしてるっていうテイなのかな。
ハリウッドで実写化の噂もあるし、それはそれで楽しみ。

原作に比べて印象が薄くなっちゃったアレックス、冒頭で暴走して射殺されたんだけど。
現地語のラジオを聞いていたシーンがあって(覚えてないけど(^_^;))、現地語がわかるアレックスは虐殺の文法が効いた、元々戦時突入感情処理されてた脳には虐殺の文法が効き過ぎて急激に殺人衝動、ってことらしいですよ。
つまり映画ならではの伏線だったんですよ!
けっこううまい伏線なのに、気づかなかったー。



途中でジョンがクラヴィスにしかけた文法、あれなんだったんでしょう。
原作にありましたっけ?
ジョンがふかしただけで、実はなんにもしてないかも。
でもしたかも。

「耳にはまぶたがない」

クラヴィスは操られてたのかもしれない。
ルツィアを愛したのも、命令に背いたのも、虐殺の文法をまき散らしたのも。
でも元々自由意志なんてものは人間に存在しないのかもしれない。
自分が哲学的ゾンビではないという保障は常に存在しない。
そんなテーマ。



(追記)
ハーモニーの人々の平和主義を見ると、虐殺の文法に耐性のある人が生き残ったんかな。
超未来だからもう虐殺の文法は解読されてしまって、逆に解毒の文法なんてのもあるのかもしれない。



関連項目
【ネタバレ】「虐殺器官」の感想/攻殻機動隊になれなかった男
【ネタバレ】伊藤計劃「ハーモニー」
【ネタバレ】映画「ハーモニー」の感想/「仕様を変更します!」
【ネタバレ】「屍者の帝国」原作の感想/わーいイギリスだー!と思ったのに…
【ネタバレ】「インサイド・ヘッド」の感想/〇〇のくせに泣くなよ





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Last updated  2017.08.29 22:33:28
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