43’s好日情報
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山梨県立美術館の開館30年記念事業の一環として、今年4月芸術の森敷地内に大きなリンゴの形の彫刻 「ビッグアップル」 が設置されました。ステンレス製で直径3m、365個の穴があるそうです。作者は甲府市出身でニューヨークで成功し、活躍中の佐藤正明さんです。日本ではあまり知られていないかもしれませんが、ニューヨークでは有名な現代美術作家です。私も佐藤さんに2度ほど会ったことがあります。外見は柔和ですが相当な自信家という印象がありました。佐藤さんは画家を目指して甲府で勉強していましたが、今から40年ほど前ポップアートの本場ロンドンで勉強するための資金を作ろうと、自分の絵を買ってくれる人を探しました。私の伯父(故人)はそれに応え、画家志望のまだ無名の若者である佐藤さんの絵を10万円出して買ったそうです。絵には何の趣味も興味も無い伯父でしたので物凄く期待を込めたもの、絵を買うのではなく人間に投資したのでしょう。このことから佐藤さんは日本に帰るたびに伯父のところに遊びに来ていました。 佐藤正明さんの代表作としては無数の穴が描かれた「サブウェイ」シリーズ、「ビッグアップル」シリーズ。そして雑誌や新聞の文字が楽しい「ニューススタンド」シリーズが有名です。十数年前に甲府青年会議所が佐藤さんの絵を月ごとに12種類採用したカレンダーを作りました。まだ本棚にありましたので、その中で特徴あるものを以下に紹介します。本を開いた状態で撮った写真なので歪んでいてすみません。人種のるつぼ、溢れる情報、ニューヨークの混沌とした不安と苦悩を表現したそうです。
2008.11.05
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