
イラクがクウェートへ侵攻した背景には、イラン・イラク戦争で抱えた莫大な借金がありました。さらにクウェートが石油を増産したことで原油価格が下落し、イラク経済は追い詰められていきます。アメリカの曖昧な外交姿勢も、イラク側の誤解を生む一因となったようです。
戦争支持の世論形成には、PR会社が演出した「保育器から赤ん坊を投げ捨てた」という虚偽証言が大きく影響していました。テレビは市民の犠牲を映さず、ゲームのような映像を繰り返し流すことで、戦争が清潔に見える構図を作り上げていたことも印象的でした。
また、アメリカがサダム政権を完全に倒さなかった理由は、中東の勢力バランスを崩さないためでした。イラクが完全に崩壊するとイランが台頭し、地域の均衡が崩れるためです。
日本は多額の資金を拠出したにもかかわらず、クウェートの感謝広告に名前が載らなかったことが「湾岸トラウマ」として語られています。この経験が、後のPKO協力法や自衛隊の海外派遣につながっていきました。 湾岸戦争は、単純な善悪の構図では語れない、現代の戦争の原型ともいえる出来事でした。
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