─ 灼熱 ─

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2005年11月18日
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先日(11日)行なった福井・日銀総裁の発言をきっかけに、中川政調会長がそれに反発。中川政調会長からは、「日銀法改正」という言葉まで飛び出した。さらに小泉首相、谷垣財務大臣、安倍官房長官などが中川につづいた。今後これは、中央銀行(日本銀行)の独立性を巡る激しい議論に発展していく可能性もあるかと思っていたんだが、日銀は、本日の政策委員会・金融政策決定会合で量的金融緩和政策を維持していくことを賛成多数で決めたらしい。

米国で先日おこなわれたバーナンキ次期FRB議長の上院での指名公聴会では、バーナンキはFRBの独立性を強調し、議会はこれを受け入れた。



【福井俊彦・日銀総裁】

「消費者物価指数が安定的にプラスだと確認すれば、1つの通過点として量的緩和策の解除を越えさせていただく」

「異常な政策をいつまでも続けるわけにいかない」



【中川秀直・自民党政調会長の発言】

「どうやったら06年にデフレを脱却できるのか、しっかり考えて量的緩和の議論をしてもらわないといけない。説明責任が日銀にはある」

「来年のデフレ脱却は『骨太の方針』に盛り込まれ、いわば政権公約だ」

「政策手段について日銀の独立性は認めるが、政策目標は常に政権と合致させていく必要がある。それが分からなければ日銀法改正も視野に入れなければならない」

「(日銀には)政策目標について独立性はない。それがわからないようなら、日銀法改正も視野に入れなければならないと思う」

「来年のデフレ脱却はいわば政権公約だ」「政権と合致させていく責任がある」



【小泉首相】





【谷垣財務相】

「日銀の金融政策は大きな意味で国の政策の一環だ」

「日銀が金融政策を決定する独立性は法で保証されている。(同時に)日銀の金融政策は大きな意味で国の政策の一環。大きな意味での腹の一致、方向感の一致は当然なければならない」

「デフレが依然として継続しているとの認識は、日銀と政府で食い違いはない」



【安倍官房長官】

「政府としては、来年度予算についても国債発行を減額し、一般歳出を縮減したいと考えるなかで、デフレを克服して経済を力強いものにしていく。その中で自然増収を図っていきたい。日銀にもこうした政府の方向性について理解していただき、政策的調整をしてもらわなければならない」

「政府・日銀一体となって協調することが大切で、デフレを脱却できるか微妙な時期に方向を誤っては、積み上げてきた努力が水の泡になってしまうとの認識の中で、意気込みを示したのだろう」

「日銀法によって政府と政策を協調していくことになっているので、その趣旨を踏まえ、政府の持っている目標に向かって、日銀にもしっかり努力をしていただきたい」

日銀政策決定会合での議決延期請求権の行使などについては、「今の段階では具体的な事柄の発言は控える」とした。

日銀との政策調整については、「経済財政諮問会議の場でも十分、協議、調整できる」との考えを示した。



【与謝野馨経済財政担当相】

「(日銀に)独立性はあるが、(政府の経済政策との整合性を定めた)日銀法四条の精神もある」

与謝野経財相はこれまで、日銀の金融政策の独立性を尊重する考えを示してきたが、従来の姿勢を修正した( FujiSankei Business i. )。








【前原誠司・民主党代表】

「財政と金融の分離に反する。日銀の独立性を阻害するような発言は極めて問題だ」( 日経



※ 本日18日、日銀は、政策委員会・金融政策決定会合で金融政策の現状維持を7対2の賛成多数で決めた。量的緩和政策の目安にしている日銀当座預金残高の誘導目標を「30兆~35兆円程度」に据え置いた。市場への潤沢な資金供給を続け、景気回復を後押しすることになる。



=18日、日銀本店


※ 福井総裁は午後の記者会見で、「物価安定の下で持続的な成長を目指すという大事な点で政府・与党と日銀の認識に相違はない」との見解を示したようだ。「約束に従って量的緩和策を継続していく」とも話した、と。
しかし、「量的緩和策を長くやり過ぎると、その反動も大きい」とも指摘。


いますぐ読みたかったのだが・・



日銀総裁、量的緩和解除に意欲 徳島と東京結びテレビ講演会

日銀の福井俊彦総裁は十一日、共同通信社や徳島新聞社などが主催する講演会で、量的金融緩和政策について「消費者物価指数が安定的にプラスだと確認すれば(政策の枠組み変更という)通過点を間違いなく越えさせてもらう」と述べ、二○○六年度にかけて解除に踏み切ることに強い意欲を示した。

日銀が解除の目安としている全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は「年末にかけて(前年比)プラスに転じる可能性が高く、その後もプラス基調が定着する可能性がかなり出てきている」と指摘。解除の条件となる「安定的プラス転換」が来春にも確認でき、解除の可能性が出てくるとの見通しを示した。

量的緩和はデフレ不況の深刻化が懸念された時期に始めた異例の政策であるため、「こんな異常なものをいつまでも続けられない」と言明。

その上で「金利機能を復活した世界に早く行きたいと心は焦るが、通過点までは今の政策を続ける」として、物価のプラス転換が確認されるまでは現行政策を維持することも強調した。

さらに量的緩和を解除しても、ゼロ金利など「極めて低い短期金利の水準」が続き、緩和的な政策効果が維持されると説明することで、解除への理解を求めた。

解除後の金融政策は「物価が急激に上がる危険がない限り、引き続き軟らかく運営できる」と述べ、急速な利上げが必要な事態にはならないとの見通しも示した。

景気の見通しでは「V字型の急回復は望めないが、緩やかで息の長い成長が展望できる」として、企業収益の好調や個人消費への好影響を通じ長期の回復が期待できると予測。警戒すべきリスク要因としては、原油相場の高騰や米国の相次ぐ利上げなどで、「世界的に緩和的な金融環境が変化する可能性」を挙げた。

徳島新聞11月12日付






量的緩和解除、中川氏が日銀をけん制


自民党の中川政調会長は日銀が金融の量的緩和政策を解除する時期を探っていることについて、日銀の独立性を確保している日銀法の改正に言及し、強くけん制しました。

「(日銀には)政策目標について独立性はない。それがわからないようなら、日銀法改正も視野に入れなければならないと思う」

日銀は金融の量的緩和について来年春の解除も視野に時期を探っていますが、これについて、中川氏は「来年のデフレ脱却はいわば政権公約だ」と強調し、日銀には政策目標を「政権と合致させていく責任がある」と述べました。

その上で、日銀の独立性を確保している日銀法の改正に触れ、デフレの脱却と金融の量的緩和について、日銀には説明責任があるとして、強くけん制しました。(13日22:09)

http://news.tbs.co.jp/20051113/headline/tbs_headline3159435.html



量的緩和解除 強気の日銀 政府慎重
デフレ脱却判断で溝

日本銀行がデフレ脱却のために続けている金融の量的緩和策の解除時期を巡り、政府と日銀の間で不協和音が高まってきた。福井俊彦総裁は来春の解除をにらんだ強気の発言を繰り返す一方、小泉首相ら政府・与党側は、少しでも解除が遅い方が財政再建などを進める上で好都合との姿勢だ。両者の間では、量的緩和策の解除条件の認識も微妙にずれており、解除論議が本格化する来春にかけて政府と日銀の溝はさらに深まる可能性もある。(岡田章裕)

発言の応酬のきっかけは、福井総裁が11日の講演で「消費者物価指数(CPI)が安定的にプラスだと確認すれば、一つの通過点としてこれ(量的緩和策の解除)を間違いなく越えさせていただく」と強い意欲を見せたことだった。

これに対して、自民党の中川政調会長は13日、「日銀の政策手段の独立性は認めるが、政策目標は政権と合致させる責任がある」と述べ、「(日銀の独立性を定めた)日銀法改正も視野に入れなければならない」と強くけん制した。

小泉首相も14日に「(解除は)まだ早い。物価(の上昇率)がゼロ以上ないと。まだデフレ状況だ」と異例の言及をし、谷垣財務相も「日銀の金融政策は大きな意味で国の政策の一環だ」と日銀に慎重な対応を求めた。

日銀が掲げる量的緩和策の解除条件は、〈1〉CPIの前年比上昇率が数か月以上、安定的にゼロ%以上になる〈2〉CPIが先行きマイナスになる恐れがなく、政策委員の多くが、CPIがゼロ%を超える見通しを有している〈3〉経済・物価情勢への影響を総合的に判断する――の3点だ。

ただ、日銀側が最初二つの条件達成が確実になってきたことで、三つ目がほぼ自動的に満たされると考えているのに対し、政府・与党側は、総合判断として量的緩和の解除が適切かどうかの判断には慎重で、デフレ脱却が完全に確認できるまで量的緩和策を続けるべきだとの立場だ。

(以下略。上の「発言表」はこの記事から)

2005年11月16日 読売新聞



「量的緩和解除」は実現するか (日本の論点PLUS)11/17

日銀の独立性 再考の勧め (11/18) ←読むべし!



『ゼロ金利』 日銀vs政府 なぜ対立するのか


出版社/著者からの内容紹介
日本経済がデフレ・スパイラルの入り口に何度も立たされる異常な時期と重なった,新生日銀第一期.ゼロ金利導入,ゼロ金利解除,量的緩和導入―.日銀百有余年の歴史の中で,いずれもきわめて特異な政策はいかに決定されたのか.日銀内部と政府・国会との迫力ある攻防を再現し,政策決定の力学,日銀独立性の実際を検証する.

内容
日銀内部と政府・国家との迫力ある攻防を再現し、金融政策決定の力学、日銀独立性の実際を「生体解剖」する。貴重な資料と膨大なインタビューをもとに日本の金融政策の奥の院に迫るノンフィクション。







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最終更新日  2005年11月18日 20時13分03秒
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