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午後3時頃、その温泉には6名ほどのおじさん、おじいさんが入浴していました。そのうちのおじいちゃんが1人、湯船にうつぶせにぷかぷか浮いてしまったのです。僕が異変に気付いたときは、お2人が足をかかえて助けようとなさっていました。僕は正面からおじいちゃんと抱きつく形で湯船から引き上げて、床に寝かせました。もちろん僕1人で助け出したわけではありません。そのとき確かに彼の呼吸は止まってしまっていました。
その後、救急車がやってきて、おじいちゃんが運ばれて行くまでにいろいろあったのですが、その頃までには、呼吸も戻りお話もできるまでに快復なさっているように僕には見えました。
その人物、大正14年生まれ。お1人でお暮らしとのことでした。
みなが心配顔で見守り、それぞれに動き、連帯感のようなものがあったように思います。文字通りの裸のつきあいでした。庶民のつきあいも捨てたモノではありません。