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レイトたちは小部屋に移動して話し合っている。「レイト様、ここはひとつ妻を娶っていただき、体制の安定を図りましょう」「できうるならば、世継ぎを授かることができれば・・・」いつの間にか話が脱線し始めている。そんな話をしている場合じゃない、と言いかけたレイトを遮り、「民を安心させることも上に立つ者の務めです」「さすれば、その妻として、どなたがふさわしいか・・・」「ならば、ウェントソン殿の孫娘が最適でしょう」ざわつく一同を「待て!」とレイトは抑え、「それは無理だな」と冷静に告げる。「お前たちには知らせていなかったが、向こうに一緒にいる。 唯一の身内だし、言ったら聞かない頑固一族だからどうにもならねぇ」それをバレないようにするため、身代わりが用意されている。「何なら、その者に頼んでみようか?」とレイトは笑い、「世継ぎについても、いざとなれば養子という手もある」それから、「今の時代、世襲にこだわるのは時代遅れだと思わないか?」さらには、「そもそも後継者を立てる必要があるか?こんな状況で・・・」レイトの言葉によって小部屋が紛糾し始めたところで、扉が開く。「休憩中でも盛り上がってますね」とゲイドモールが戻ってくる。「いや、ただの雑談だ。続けようか」レイトは休憩時間の終わりを告げる。「ご主人様、準備が整いました」そう声を掛けられてウェントソンは振り返る。「わしのことはもういい。フューリッドに帰ってくれぬか」と小声で言う。また、その話?と小声で返すのはミリィだ。「向こうに居たってひとりだし・・・」ミリィはいつ戻れるかわからないウェントソンを心配して付いて来ている。最悪の場合、もう会えないまま・・・ということが、ミリィを動かした。一行に紛れ込み、途中で見つかったものの、イグリスの手の者がいるため、ウェントソンは黙っているしかなかった。「今ならまだイグリスに気付かれてはいない。帰ることができるのは今しかない」とは言え、帰る手立てはない。それよりもミリィはこの状況を利用しようとしている。「私は帰らない。ここにいるからこそできることがあるわけだし」ミリィの狙いはフューリッドとイグリスの絶対的なつなぎ役になろうというものだ。もちろんウェントソンは反対の意思を示す。「そなたの一生を捧げる必要はない!」それでもミリィは考えを変えない。ウェントソンに何かがあれば、代わりの者が必要になってくる。「この異国の地で一人で生きていく、というのか・・・」「その覚悟はあるってこと。一緒に帰るのが目標だからね」「そうだな。一緒に帰ろう」ウェントソンは笑みを浮かべながら部屋を出ていった。
2020/01/19
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前線に追いついたヨーディは作戦を伝え、兵を二分する。「このまま進むより、直接制圧する方が早い。 ゼリクトア軍も後詰としてきている。問題はないはず」ヨーディ隊は少しずつ進路を変えて、夜を迎える。バフタールに気付かれると大軍が帰還して目的を果たせなくなるが、ゼリクトア軍が怪しい動きをしているという情報は来ておらず、ひとまず安心して休息に入る。(明日、一気に突き進むしかない)翌日、本拠地を目前にして待ったがかかる。バフタール軍の一部が戻ってきているという情報が入り、行軍を止めて考え直さなければならなくなる。「敵は疲れていて今ならまだ間に合うのでは?」「ここで時間をかけるのはもったいないかと」強行突破を提案する者もいるが、ヨーディは何かが気になる。たとえ一部だとしても、戻ってくること自体が困難であるはずだ。イグリス軍の包囲網を抜けて帰還したということは、それまでに数日かけなければならず、戦況に変化があったとみる必要がある。それから報告が届き、撤退を決意する。「バフタールが前線から後退!イグリスも包囲を解き、 追撃する様子は見られません!」「ゼリクトア軍が行軍を反転させています!」これで戦争は終結を迎え、バフタールは大きく戦力を減らす。戻ってきたヨーディは結果を報告している。「すべてはイグリス王の手の内だったというわけか・・・」レイトは落胆を通り越して呆然としている。あのまま強行していれば、バフタールとの潰し合いになり、イグリスにとって最上の結果となる。たとえイグリスからの独立をやめていたとしても、ゼリクトア軍にバフタールを攻め込ませたに違いない。「あとは大国・イグリスの思うがまま、だな」ため息をつくレイトにヨーディは殴り掛かる。「やっとフューリッドを取り戻したところだろ! これから平和に向かっていけるんじゃねーのか!?」ウェントソンに腕を掴まれながら叫ぶと、静かに腕を下ろす。レイトは頭を抱えて机に臥せっていく。「レイトが創るフューリッドを見せてくれよ。 今度間違ってたら、ちゃんと殴ってやるから」「殴るな」とレイトとウェントソンはぼそっとつぶやく。とある日、ヨーディはビルクのところに来ている。「お前が来たってことは、噂は本当だったというわけだな?」噂とはレイトがアルケデニック派の処罰を決行したことだ。「階級を下げるくらいじゃ甘いんだよ。長いこと待たせたくせに」そう言うビルクの顔は緩んでいるのが分かる。「これからは協力してくれるんだろ?言うまでもねーか」「あぁ?不利益なことはしねぇぞ。これからもな」ヨーディはビルクと別れ、建設中の水路を見つめる。(まずはこれだな。出来上がるまではまだまだけど)結
2020/11/08
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