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赤ずきん

赤ずきん
あるところにとっても元気でマンガ&インターネット喫茶に勤めているママと、その愛娘の赤ずきんが二人っきりで暮らしていました。
ママ       「赤ずきん、今日は天気がいいし、おばーちゃんヘルニアみたいだから、お見舞いにいってらっしゃい。」
赤ずきん 「えーっ今チャットやってんだよ。ママいつも暇そうじゃん。ママが行ってきなよ。」
ママ       「ママはね、おばーちゃんには顔向けできない人なのよ。だから赤ずきんがいってくんのよ。」
赤ずきん 「なんだ?どんな事情があんのよ。一回バラ珍から依頼が来たのはその事なの?」
ママ       「・・・それは言わない約束でしょ。タケオ。」
赤ずきん 「タケオって言わないでよ!スカートはいてる意味があやふやになるじゃないの!」
ママ       「・・・うん。そんな姿をおばーちゃんに早く見せてあげなさいよ。」
赤ずきん 「ママは行かないんだね。・・・。だったらいかない。」
ママ       「お願いだから言うこと聞いて頂戴!あんた、チャットばっかりやってんじゃないの!」
赤ずきん 「ママだって出会い系サイトにはまってここ三日仕事無断欠勤してんの知ってんだから。」
ママ       「・・・これはパパには内緒ね。」
赤ずきん 「私パパに一度も会ったことないんだけど・・・。」
ママ       「あら、そうだっけ?じゃーいーや。ハリーポッターのレゴ買ってあげるから。」
赤ずきん 「時期ものだね。いーよ。じゃー行くよ。何か土産持ってかないとばーちゃんすぐキレるよ。」
ママ       「う~ん、家何もないもんなあ。あ、小泉今日子の[BEAT-POP]持ってけば?」
赤ずきん 「・・・わかった。80年代のレアものだけど、いいかな?」
ママ       「おばーちゃんだもん。わかんないわよ。こないだ[これ流行のヤツ]ってバブルカムブラザーズ持ってったら[ああ、大事MANブラザーズバンドねっ]って喜んでたじゃないの。」
赤ずきん 「ある意味新鮮だもんね。」
ママ       「じゃーほら、早く持って行ってらっしゃい!」
赤ずきん 「・・・あ、ママ今[らっしゃい]ってとこユリオカ超特急マネしたでしょ。」
ママ       「やだー好きなのよ~あの面構え。」
赤ずきん 「でもまだ朝の九時だよ。ちょっと早くない?何でいつもより急がせるの?」
ママ       「たまにはおばーちゃんに朝の顔を見せるのも悪くないから。ささっ!」
赤ずきん 「あー!!痛いよ!押すなよ!」
「ギイー」
赤ずきん 「あっ・・・あんた・・・誰?」
狩人       「お前こそ誰だ!?」
ママ       「いや、、赤ずきんさん、こちらは狩人さんですよ。さあ、もう用事は済んだでしょ?早く帰ってください。」
赤ずきん 「・・・ママ・・・?もしかして、出会い系でやり取りしてたニックネーム[イブシギン]さんじゃない?こいつ・・・。」
狩人       「なっ!何故その名前をっ?!?」
ママ       「まーっ!アナタったら、私の出会い系勝手にいじくってたわねっ!」
狩人       「これは一体どうゆうことだ!?タケコさん!!」
赤ずきん 「ママ!タケコって言うの?私には確か奈々子って言ってたよね!?」
ママ       「ママの本当の名前はね・・・タケコって言うのよ。」
赤ずきん 「あーもうそれはどうでもいいよ。なんでイブシギンがここにいるんだよ!?あっテメーだから私を外出させようとしたなっ!」
狩人       「タケコさん、一体、これは誰なんだい?」
ママ       「いやーね、近所のタバコ屋の娘でね・・・。タケオって・・」
赤ずきん 「子供をタバコ屋に売るなよ。」
狩人       「はっ!?タケコさん、バツ一で一人身だって言ってたじゃないか!ヒドイよ騙したんだな!」
赤ずきん 「もういいよ!沢山だよ!私はばーちゃんのとこに行ってばーちゃんの子供になるよ!」
ママ       「だめよ!パパとは、離婚はおろか、結婚してないんだから、あのおばーちゃんはいわば他人も同然なのよ!もらってくれるわけないわ!だってこないだもほら、あなたがおばーちゃんのお見舞いに行ってたとこデジカメで撮ってたじゃない?おばーちゃん、明らかに不快な顔、してたわよ。」
赤ずきん 「クソ!じゃあ私はプチ家出をするよ!ママとイブシギンで宜しくやればいーじゃんか!!」
ママ       「あ~っ!赤ずき~ん!!・・・ま、いーか。」
狩人       「これはサギだよ!訴えてやる!」
ママ       「あら、それだったら、私も貴方の勤めている印刷会社と貴方の家庭に行って不倫の事をバラしちゃってもいいのよ。私にはもう、失うものなんて、何もないんだから・・・。」
狩人       「うっうぐっ・・・。。」
赤ずきん 「ママのばかあ~っ!!!」
ママ       「あ、まだ居たの・・・。そんな玄関出たふりして縁側から覗かないの!」
狩人       「たっ頼む!妻には内緒にしていてくれ!」
ママ       「だったら、私をサギ扱いにした代わりに、お金、置いて行きなさいよ。」
狩人       「わかったよ・・・。ほら!今日持ってるのはこれだけだよ!」
ママ       「これからも少しずつ家に入金してよね。しなかったら、、ただじゃすまないわよ。あなたの人生メチャメチャにしてやる。」
狩人       「ヒイィィィィ~ッ!怖いよう。秋田の妖怪ナマハゲよりおぞましいようっ!!」
赤ずきん 「・・・出てったよ。ママ。いーの?」
ママ       「赤ずきんにこんな姿、見せたくなかった・・・。」
赤ずきん 「はっ!だから私に、行っても意味ないおばーちゃんちにいつもよこして悪業働いていたのね・・・。」
ママ       「赤ずきん・・・。」
赤ずきん 「ママ~っ!!」
おしまい。


「家族だんらん」
お茶目なじいちゃんたちの話

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