あま野球日記@大学野球

あま野球日記@大学野球

2007.10.28
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カテゴリ: 大学野球
試合終了後、本塁ベース付近に両チームが整列した。
挨拶し、勝利に沸く三塁側のスタンドを振り返る慶應ナイン。


その中に、わずかに口元を歪めて遠慮がちに笑顔を作って
みせる、背番号「44」をつけた巨漢の選手がいた。


慶應義塾大・ 佐藤翔 (4年、秋田高)。


身長190cm、体重94kg。
身体がずば抜けて大きいため、遠くから見ても、佐藤がどこに
いるかはすぐにわかる。


もちろん、そのスラッガーぶりもすごい。
昨秋行なわれた 「東京六大学選抜vsヤクルト」 、六大学選抜の
4番に座ったのは、この佐藤だった。


でも今日の佐藤、遠慮がちな笑顔には理由があった。


それは今季、極度の不振に悩み、六大学選抜チームの4番どころか、
自分のチームにおいてさえ、この試合ではスタメン落ちし、たった
一度の出場機会もなかったから。






慶應野球部のブログに、佐藤自身が語った不振ぶりや悩みを知り、
ぜひ佐藤の活躍ぶりを見たいと思い、ボクは今日、初めて早慶戦に
足を運んだ。


ボクは佐藤の心理を勝手に推測して見た。


たぶん、気真面目な性格の持ち主なんだろう。
だから必要以上に、悩まなくてもいいことを悩んで迷路に入り込んで
しまっているのかもしれない。だとすれば、わりと東北人に多い
パターン。(だと、同じく東北出身のボクは思っている)


解決するためには、もっと無責任になればいい。
「4番としての使命」とか「・・・ねばならない」とか、そういった
窮屈なことを忘れたほうがいい。


佐藤の場合、堂々と打席で構えるだけで、相手投手にとっては十分
なプレッシャーになる。いいじゃないか、結果なんて気にしない、
気にしない・・・。適当な気分で打席に入るのがおススメだ。


試合前のフリーバッティング。


2つのバッティングゲージが用意されているが、その左右のゲージを
何度も何度も行き来する佐藤の姿を、ボクは見つけた。


でも彼が打つ打球、芯でとらえたものが少なかった。


その後、スタメンの発表があり、佐藤がスタメンから外れたことを知った。






ネット裏、やや三塁寄りのスタンドに、ボクは座っていた。


試合が始まって以降、ボクは佐藤の姿を見かけることはなかった。
そしてやっと見つけたのは延長12回、慶應の攻撃。
この回の先頭打者が倒れたら、佐藤が代打で登場することになっていた
らしく、久々にベンチ前に現れ二度三度とバットを振っていた。


だが、その先頭打者が安打で出塁したため、続く打者には送りバント
を求められるため、佐藤はあっさりとベンチに引っ込んでしまった。


早大 000 000 000 000 =0
慶大 000 000 000 001x=1



試合は慶應・ 加藤幹典 (4年、川和高)が完投。一方の早稲田は、
斎藤佑樹 (1年、早稲田実)- 大石達也 (1年、福岡大大濠高)-
松下建太 (2年、明徳義塾高)- 須田幸太 (3年、土浦湖北高)と
4投手を継投し、息詰まる熱戦を繰り広げた。


そして、スコア0-0の同点で迎えた延長12回。
二死満塁で打席に立った 青池悠五 (4年、静岡高)が三遊間に内野安打
を放ち、慶應がサヨナラ勝ちを決めた。


隣りに座っていたオッサンが呟いた。
青池が決めたことが慶應にとって大きいなぁ・・・


たしかに。でも佐藤翔が決めていたら、もっとデカかったかもしれない。
ボクはそう思った。




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Last updated  2007.10.28 22:04:48
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