新型インフルエンザは世界を襲う?
「H5N1型の鳥インフルエンザウイルスは今、
インドネシアやベトナムなど東南アジアを中心に、
世界各地で人への感染が報告されている。
WHOのまとめによると、2003年以降、
世界14カ国で計380人が感染し、240人が死亡。
致死率は実に60%を超えている」
「今のところ、まだ鳥のウイルスだが、その遺伝子が
変化して人から人に次々と感染する能力を身に着けた場合、
新型インフルエンザとなって、爆発的に感染が広がる
恐れがある。世界のほとんどの人が免疫をもっていないため、
1億人を超える人が死亡するとの予測もある」
先日読んだ
『最強ウイルス~新型インフルエンザの恐怖』
(NHK出版刊)に書かれていたものを、冒頭に一部抜粋した。
世界の医療関係者たちは、
「時期こそ不明だが必ず世界に広がる」
ことを予測し、
「その時」のために準備を進めているらしい。
その中にあって、残念ながら、わが日本は後塵を拝してしまった
と書かれていたが・・・
「命」の優先順位
「対策先進国」アメリカの事例。
新型インフルエンザがアメリカを襲った場合、
人工呼吸器とワクチン
が治療には必須らしいのだけど、
当然その数には限りがある。
いざ大量に重篤患者が発生した場合、
次の選択が医療関係者に迫られる。
『誰を優先して助け』 『誰を後回しにするのか』![]()
例えば、まだ回復する可能性がわずかにある患者に
人工呼吸器をつけていても、より回復の可能性の高い患者が
新たに病院に担ぎ込まれた場合、いま人工呼吸器をつけている
患者から取り上げて(=死)、新しい患者にそれをあてがう
というケースもあり得る。
そういった究極の判断を、「世代」で分けてガイドライン化する
論議がアメリカではすでに始まっている。そのポイントのひとつは、
「患者全員を救うことは無理であり、できる限りの命を守ろう」
ということ。そしてその場合、
『守れる限りの命の数』と『守れる限りの命の年数』
そのどちらを優先するか?という問題が次に発生する。
例えば2人の命を助けた、だけど彼らはあと1年くらいしか
生きられない。一方、ひとりだけの命を助けた、そして
彼は50年それから生きるという場合。
前述した『守れる限りの命の年数』とは、たとえひとりであっても
これから長く生きる可能性のある人を優先しようという考えだ。
もっともこれは、役人だけの議論ではない。
市民を巻き込んだものに発展し、公聴会では高齢者から
「孫の世代を助けてほしい」
という意見が多く寄せられ、
そういった市民の意見が活かされたものになっている。
さて、
翻って日本。
いまのところ、そういった論議があることを耳にしない。
ただ、世界のどこで新型ウイルスが発生したとしても、
「対岸の火事」で済ますことなど到底できない。
いざという時、日本でもアメリカ同様に究極の判断を迫られる。
『守れる限りの命の数』と『守れる限りの命の年数』、
日本も、せめて議論だけでも始まったらいいのに・・・
とボクは思っている。
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