昨日(8月17日)行われた2回戦、花巻東高-横浜隼人高戦でのこと。
ボクはBS朝日の中継を録画予約していた。その録画映像を見ていたら、
7回裏花巻東高の攻撃中、2番・佐藤涼平(3年)が打席にいる時、
実況アナ氏はこう言った。
「佐藤涼平劇場!」
この言葉、見ていたボクにも共感できるとても素晴らしいネーミングだと
思った。なぜなら 佐藤涼平
、身長155cmと小柄な選手ながら、いったん
打席に立つと何を仕掛けるかまるでわからない「とてもとてもイヤらしい選手」
だからなのだ。象徴的だったのは、アナ氏が叫んでいたその7回裏だった。
この試合、佐藤にとって4度打席目。
横浜 000 100 000 =1
花巻 100 000 2
1X =4
(横)飯田-今岡、(花)菊池
この時の佐藤の打席の様子を振り返ってみる。
柏葉康貴
(3年)が同点の均衡を破る2点本塁打を放った直後、佐藤が
左打席に立った。相手投手は代わったばかりのエース・ 今岡一平
(2年)。
1球目 バントの構え。 見送って外角にボール。
2球目 またもバントの構え。ストライク。
※この2球だけでもイヤらしさ全開だ。
3球目 内角高めへボール。
4球目 ど真ん中へストライク。
5球目 カットしてファール。
6球目 またもカットしてファール。
7球目 低めにボール。
※捕手が捕球できずに落した球を佐藤がわざわざ拾い上げ、さらに自分の
ユニフォームで土を落としてから捕手に渡した。(心憎いまでのイヤらしさ!)
8球目 カットしてまたもファール。打球はライナーで自軍ベンチへ飛んだ。
9球目 カットしてファール。またも打球は自軍ベンチへ。
※盛り上がるベンチ。ベンチの仲間にペコリと頭を下げて謝る素振りの佐藤。
10球目 またもまたもカットしてファール。
11球目 またもまたもまたもカットしてファール。打球は自軍ベンチへ。
※笑顔でベンチに謝る。打席がまるで自身のパフォーマンスの場のよう。
12球目 内角低めに落ちる変化球を空振りして三振。
※笑顔でベンチに引き揚げる。
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この打席の佐藤、直前に2点本塁打が飛び出し、相手投手が交代した。
交代したばかりの投手はいったいどんな球を投げるのか、どんな球種をもって
いるのか、それをチームメイトに知らせるため佐藤はカットを繰り返し12球を
投げさせたのだ(たぶん)。そして佐藤のもっとすごいのは、それをちゃんと甲子園
の大舞台で実践できること。
そんな流れを読んだ上での心憎いイヤらしさの実践は、高校野球では稀な
「最高の技」
に思えた。
◇ 佐藤涼平
の関連記事「あま野球日記」バックナンバーより。
「花巻東・佐藤涼平に好感!」
(2009.8.12) →
こちら
へ。
「白河越えは花巻東が果たす?」
(2009.3.29) →
こちら
へ。
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